申し訳ないです
宇宙 サイド5 リボーセツルメント
学校からの帰路に就く私の目の前にある見知った人影が現れた。
その人物、年齢はいくつだったっけか・・・学年は小学校高学年あたりなのは確かだ・・・とにかくその近所に住む少年ビリーが私の前に現れたのだ。
見たところ涙を浮かべているようだ、半べそというやつである。
見かねた私は声をかけることにした
「ビリー、どうしたの?」
「僕のハロが・・・マイクに・・・」
泣いているせいか話を理解するのに暫くの時間が掛かってしまったがどうやら友達のマイクにあのハロとか言う機械を隠されてしまったようだ。ビリーはどうやらいじめられっ子のポジションに居るらしい。
「マイクが僕のハロを洞窟に隠したって・・・一人で取りに行けって・・・」
「洞窟・・・?ああ、あのくり抜き倉庫のことね。でも確かあそこは立ち入り禁止じゃなかったかしら?」
ビリーの言う洞窟とは恐らくはあの倉庫の事であろう、確かに洞窟に見えなくもないがあそこは立ち入り禁止・・・というより放置されている場所だったはずだ。
国家議会所属のセツルメントとは言え内部全てを議会が管理把握している訳ではないのだ・・・それこそ連邦時代やコロニー自治政府時代の施設は他のサイドやセツルメントでも放置されているものは多いらしい。実際あの倉庫・・・いや実際には倉庫ではないかもしれないけれどとにかくあそこは利用されなくなってから久しいようだ。
「うん、でもね・・・マイクがあそこに夜中に一人で行ったときに幽霊を見たって・・・だから度胸試しで僕をあそこに行かせるつもりなんだ。」
「幽霊?」
「うん、マイクはそれを見つけて追いかけて洞窟に入ったんだけど中には大きな扉みたいなのがあって先に進めなかったんだって・・・」
幽霊・・・私はそんなもの信じてはいないけど子供にとってはそうではないのだろう。
この子をこのまま放ってはおけないか・・・仕方がない、取りに行ってあげるか。
「わかった、私が一緒に取りに行ってあげる!だからもう泣かないで、ほら!」
ビリーにハンカチを手渡す
しかしあの倉庫・・・私も存在は知っていたけど結局のところあそこには何かあるのだろうか?
いや・・・大したものはないだろう
その倉庫までは歩いてもそこまで時間はかからない ただ周りは荒れ果てておりあそこに近づく人間なんてそれこそ子供が遊びで行くだけであろう。
その倉庫の前に私とビリーがたどり着くとやはり辺りに人の気配はなかった。
内部に足を踏み入れると当然のことながら暗闇であった
「暗い・・・電源が生きてるといいけど、スイッチは・・・」
「ねぇリンダお姉ちゃん・・・これは?」
ビリーがレバーのようなものを操作すると内部の照明が明かりを灯したのだ・・・信じられないことにこの施設の電源はまだ生きていた。
すると目の前に巨大な扉のようなものが目に入ってきた・・・あの扉がさっき言ってた巨大な扉で間違いないだろう・・・ここは格納庫のようなものなのだろうか?
とても人間が自分の力で開けること出来そうにはなかった だがこの施設の電源が生きているのであれば開けることも可能なのだろう・・・しかしここに来た目的はあの扉を開けることではない。
「お姉ちゃん!あったよ!僕のハロ!!」
すると球状の自立可動式と思われるおもちゃのようなロボットが転がりながらハロ!ハロ!という音声は発していた。
このハロという玩具は一種の携帯端末のような機能を内蔵しているそうだ かつて・・・どれくらい昔なのかはわからないが相当前の時代にこのハロという玩具は一大ブームを引きを越したという これはその昔の玩具の復刻版であり機能もかつてのものとは比べ物にならないほど多機能かつ高性能・・・らしい
「とにかく見つかってよかった。さぁ帰りましょう・・・ビリー!?」
ビリーは巨大な格納庫と思われる扉の隅にある端末のようなものの前にいつの間にか移動していた
「ちょっと!あんまり触らないほうが・・・」
その端末に備え付けられているヘッドフォン?のようなものをビリーは被り何やらタッチパネルを操作しているようだが特に何か起きる様子はなかった。
「ねぇお姉ちゃん!!これお姉ちゃんもやってみて!僕だと反応がないみたい・・・」
仕方がない ビリーがやって駄目なら私がやってもだ駄目だろう 私は機械に強いというわけではない 今の小学生のがよっぽどその辺りは詳しいだろう
それにしてもなんでヘッドフォンなんてついているのだろう?タッチパネルはわかるけどあのヘッドフォンの用途がさっぱりわからない。
ビリーに言われるがままにヘッドフォンをつけてみる 何やらビリーがタッチパネルを操作すると先ほどとは違う反応を見せた
「やった!扉のロックが外れた!お姉ちゃんすごい!!」
「えっ!?一体どういう・・・」
その時だった背後に何者かの気配を感じ振り返る 一瞬頭にあの幽霊の話が過ったがまさか・・・
だがそこにいた人物は幽霊ではなかった 少なくとも私にはそう見えた・・・だが幽霊のがよかったのかもしれない なぜならその背後にいた初老の男性の手には銃が握られていたからである。
「君かあのサイコミュロックを外したのは・・・それともそっちの小さい方か?」
「貴方は一体・・・」
「いいから答えるんだ、ロックを外したのはお嬢さんの方で間違いないか?」
「はい・・・」
「そうか・・・やっとか。だがもう遅かったか・・・全てはもう過去の話・・・」
何やらぶつぶつとその初老の男性が独り言を呟いているようだがその言葉の意味の殆どを私は理解できなかった。
「・・・しかしそうだな。これで私の役目も終わりだ。お嬢さん・・・その扉の先にあるもの・・・なんであるかは自分で確かめるがいいだろう。だがしかしあの扉を開けたということは君には資格があるということだ。ならばあれは君のものだ、自由にするといい。」
「貴方さっきから一体何を・・・」
すると格納庫の扉が開き始めた ビリーがどうやらタッチパネルを操作し続けていたようだ。
巨大な扉が開く 私たちの目の前にそれは現れた
「あれこそがガイア・ギアだ。マン・マシーン ガイア・ギアϝ(ディガンマ)だよ。」