さて、今回は一変、平和に公務員として勤務──かと思いきや!?という話です。ぜひ最後までご覧ください!
「ふわああああ……。ふんぬ〜!」
私はうっすら目を開け、両手を伸ばす。
公務員としてこのアパートから市電で10分ほどのところにある、佐原市役所に勤務している。もう4年目だ。
支度をしつつ、昨夜のことを考える。夢のような出来事だが、記憶がはっきりしているということは現実なのだろう。
妖怪学、井上円了、漉き十、見妖社……。初めて聞く言葉が頭に浮かび、朝食を食べる手が止まる。
ふと時計を見ると7時55分。慌ててトーストを飲み込み、お茶を口に含む。
ばたばたと支度をし、家を出たのは結局8時15分になった。最寄りの駅である近江駅に走って向かう途中、スマホで市役所に遅れるかもしれない、という旨を伝える。
8時18分。近江駅についた。朝の時間帯は5分ごとに電車が出ており、20人くらい並んでいてもそう待たずに乗れる。まあ今日は時間が遅いのもあって、ホーム全体で5人くらいしかいないが……。
8時20分。佐原市電鉄近江線のテーマカラーである、緑色のラインが入った低床車両が目の前にやってきて扉が開く。意外と車内は混んでおり、扉近くのつり革を掴む。終点・始発駅なので少し停車時間があるが、それでも一分とせずに電車は静かに出発した。
8時28分。少し早めに多庭駅に着いた電車を急いで降り、横断歩道を渡って目の前の市役所へ──ってなんで規制線が!?
規制線で囲われた中を見てみると、市役所の入り口にある階段手前から、横断歩道の途中あたりが円形に隆起している。なぜこんなことが?と思ったが、慌てて立っていた警官に話しかける。
「すみません!佐原市役所に勤務しているのですが!!」
「わ、わわわ分かりました!!ど、どうぞ隆起部分を踏まないようにお通りください!!」
何故か若い警官は私が話しかけると青ざめた顔になり、震えた声で私を規制線の中に入れた。別に知り合いでもなんでもないし、第一、警官がいたとして青ざめるのは警官ではなく犯人ではないだろうか──とまた別のことを考えながら、市役所の中に入る。隙間からカウンターの中に入り、ダンボールで半分が占領された通路を通って、私が所属する市民生活部地域安全課のデスクに辿り着く。
「おっ、大橋さん北部の方から電車で来てるよね?」
ちょっと遅刻したことには一切触れず、加賀創(かが はじめ)課長は そう聞いてきた。
「はい、近江の方から市電近江線で……」
「ってことは多庭駅の方から来るわけだ。入り口どうなってた?」
ああ、そういうことか。
「あ、隆起してたところですよね?警察やさんが来て規制線が張られてましたよ」
「それなら良かった」
そう言って課長は自らのパソコンに向かう。
私も自分の椅子に座り、ノートパソコンを起動する。すると放送が鳴った。
【総務部防災課・企画調整部情報課・土木部道路課・水道課・市民生活部地域安全課の全員は2階、大会議室に急ぎお集まりください。繰り返します──】
地盤隆起のことだ。私は一瞬で悟る。他の面々もそうだったようで「市役所の前が」やら「地面が盛り上がってて」やらの言葉が聞こえる。
加賀課長を始めとする市民生活部地域安全課の5人は立ち上がり、二階への階段を上った。
というわけでいかがだったでしょうか!
もちろん今回作中に出てきた佐原市や、佐原市役所などは僕が想像で描いた地図の中にあるだけで、実在の地名とはなんら関係がありません。
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それではまた明日の小説でお会いしましょう♪サラダバーー☆