それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
しばらくボーッとしていると大会議室に一人の男性が飛び込んできた。
「すみません、敏田部長いらっしゃいますか!?」
皆、飛び込んできた男性の方に注目する。
「ん、安倍くん。どうしたんだい?」
──ああ、この人は企画調整部メディア課の安倍さんか。下の名前は……功治……だったような気がする。
私には自分より年下の職員が少ないため大体の名字は知っている。入ってきたときに全員に挨拶するからだ。
「いえ、実はSTHの人が来て地面隆起についての話を聞きたいそうなんですよ」
STS、というのはSanro Television Sawara、三芦テレビ佐原放送局のことで、この三芦県の中部・北部を主にカバーしているフジテレビ系列の民間放送だ。ちなみに佐原放送局の他に南部をカバーしている芦ヶ川放送局(STA)と東部をカバーしている柏平放送局(STK)の二つで三芦県全体をカバーしている。
「そんな知ってることはないから追い払っとけ」
敏田課長兼部長はそうあしらおうとするが、安倍くんはなかなか引き下がらない。
「僕も何回か『市役所として知っていることは全然ないから』と帰ってもらおうとしたんですよ。けど『上の方の人に話を聞きたいだけだから』の一点張りで……」
そう言って目を伏せる。
「まあ、別に聞かれて困ることはないからいいか。ちょっと抜けます」
敏田さんは司会である副議長にそう言い残すと、安倍くんと一緒に大会議室を出て行った。
「なんか生放送でもやってそうですね」
誰かがそう呟くと、置かれていたテレビの近くに座っていた人がテレビをつけた。点いているのはもちろんSTSだ。
右上には「三芦県北東部で地面隆起多発!!」というテロップが張られ、スタジオには朝のワイドショーでおなじみのフリーアナウンサーなどが言葉を並べている。どうやら地面隆起は全国ニュースになっているようだ。
【何かの予兆なんでしょうかねー】
などと言っているが私たちはまったく信じない。
誰かがチャンネルをNHKに変えるとそっちでは現場からの中継をしていた。佐原市役所前は三芦放送局から一番近い現場だからか、邪魔にならないように中学校の前からズームで撮っている。──こういうところがNHKだななどと思っているとまたSTSに戻った。
すると、敏田さんとSTSのリポーターが映り、リポーターが【どうしてこのようなことになったのでしょうか】などと誰も答えられるはずがない質問をし敏田さんを困らせていた。言葉を濁らせる敏田さんにスタジオから【被害の状況をもう少し詳しく知りたいですねぇ】と言う言葉が聞こえてきてリポーターがその質問をする。敏田さんは【県内の他の箇所でも隆起していることしか……】と答える。
私たちは皆「フジテレビだなぁ」と偏見のある、しかし的確な感想を抱いた。
というわけでいかがだったでしょうか!!
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆