隣の一等星   作:Re:GHOST

1 / 34
初めまして、レミリア親衛隊と言います。

初投稿により拙い文章になってしまうかと思いますが、誠心誠意努力致しますので、お付き合い頂けると幸いです。

前書きは堅苦しいですが、後書きでは、はっちゃけたいと思うので、よろしくお願いします。


邂逅、そして.........

「なぁ、一体いつになったら着くんだ?」

 

 .........俺の声だ。なんでそんなものが聞こえるんだ。

 

「もうちょっと!頑張ってついてきて」

 

 綺麗な、女の子の声だ。耳朶に優しく触れるような、心地いい声。

 

 少しずつ、意識が覚醒してきた。多分これは、俺の夢の中なのだろう。その証拠に、夢特有の、景色がぐにゃぐにゃするという、気持ち悪い光景が広がっている。

 

 真夜中と言ってもいい程、暗い中、俺と女の子は階段のようなものを登っている。左右には薄暗い森林が広がっており、お世辞にも視界がいいとは言えない状況だ。

 

 空の状況を確認したいのだが、夢の中の俺は、どうやら上を向く気は無いらしく、どんな感じなのかはわからない。

 

「もうちょっとってセリフ、3回目なんだが.........」

 

 おい、何言ってんだ俺、声から美少女と判別出来るような子と歩いているんだぞ、いくら歩いても楽しいだろ。

 

 夢の中の俺は、随分と贅沢らしい。現実の俺だったら、徹夜で歩いてもいいくらいだ。

 

「ごめんごめん、本当にもうそろそろだから、ね?」

 

 そう言う彼女の顔を、一目見ようと思ったが、顔がわからない。夢の中というのはつくづく、ご都合主義のようだ。黒いモヤモヤがかかったような、そんな感じ。

 

 ご想像にお任せしますってか?でも、よく考えたら、この子と同じくらいの美少女と知り合いになったことなんてないから、顔を想像しようにも、全くできなかった。

 

「あ!着いた着いた!とうちゃーく!」

 

 不意に、彼女が張り切りだした。どうやら、目的地に着いたようだ。

 

「やっとかぁ、疲れた」

 

 夢の中の俺も疲れきっており、ここまでの道のりが長かったことを物語っている。

 

 ふと、足元を見ると、今まで登ってきた石の階段がここで途切れている。1歩先は、土と雑草で、地面が出来ていた。

 

 ところで.........俺は一体どこに向かっていたんだ?階段を登っていたということは、高低差がある場所。つまり、山や丘だろうか。

 

 俺が1人で考察していると、美少女に手を引かれた。

 

 おいおい、まじかよ、俺にも春来ちゃった?

 

「あっちにベンチあるから一緒に座ろ!」

 

 彼女は元気よく、向こうにあるベンチを指さす。登山という程では無いかもしれないが、高所に来て、テンションが上がっているのだろう。俺は、大人しくついて行くことにした。

 

「おいおい、あんまりはしゃぐと転ぶぞ?」

 

 彼女の手を引く力は、強く、小走りなので少し危ない。転んでからでは遅いので、先に注意しておこうということだろう。

 

「だいじょーぶだよ!」

 

 小走りで、後ろを向きながらそう言う彼女。その前方には、小石が。

 

「危ない!」

 

 夢の中の俺が叫ぶ。彼女が躓き、手が離れる。その手を掴もうと、俺は自分が倒れるのも構わず、右手を前のめりに思いっきり伸ばした。

 

 のだが.........

 

「おっとと.........ピタッ!」

 

 なんと彼女は転けた瞬間に、その場で3回転したのだ。バランスを取り戻し、綺麗な回転を見せてくれた彼女は勿論、無事だった。

 

 ということに気づいたのは、俺が顔面から地球へ激突し、突っ伏しながら、鼻を抑えてる時だった。

 

「痛ってぇ.........」

 

 うわあ、痛そう。夢の中の俺よ、どんまい。俺は全く痛くないが、心が痛いわ。いや、マジで。

 

「ご、ごめんね!?あたしが走ったせいで.........」

 

 彼女が、とても申し訳なさそうに謝っている。黒いモヤモヤのせいで、表情は伺えないが、多分しゅんとしているのだろう。

 

「いや、大丈夫だから気にすんな」

 

 お、夢の中の俺イケメンだな、言動だけ。見た目?そんなもんフツメンだよ、彼女なんていた事ねぇよ。

 

 顔だけ彼女に向け、心配ないという旨を伝える。いつまでも、うつ伏せでいる訳にもいかないので、手にぐっと力を入れ、片膝をつき立ち上がる。ジーパンにたっぷりついた土を払い落とすことも忘れない。

 

「さて、行こうか」

 

 夢の中の俺は立ち上がりそう言った。彼女に手を差し出しながら。子供みたいに、早く行こうと急かすような言い草で、そう言った。

 

「うん!」

 

 彼女は、俺の思惑を知ってか知らでか、元気よく、差し出した手を取り、歩き出した。さっきとは違い、2人並んで歩いて行くのだ。

 

 そこから目的地のベンチまではすぐだった。幸せな時間は早く過ぎるというのは、あながち間違いでも無いのだろう。そんなことを実感出来た時間だった。

 

 ベンチに座る前に、俺は、彼女の座るところを重点的に、手で汚れを払う。なんでこういう細かい所に気を使えるのにモテないんだろう.........

 

「ありがと!」

 

 その言葉だけで俺はなんでも出来るぜぇ!それは流石に言い過ぎだけど。

 

 ポスッと可愛らしい効果音でも出そうな勢いで、彼女が座る。俺も、彼女の隣に腰掛ける。

 

「ねーねー」

 

 俺の右隣に座る彼女が、唐突に話しかけてくる。なんの話だろう、告白とかだったら気絶するからやめて欲しい。あ、夢の中だから気絶しないか、ならいいや。

 

「ん?どした」

 

 無難な返答をしておく。これが一番。無難最強、超強い、ベリーベリーストロングなのだ。

 

「今から、一緒に、空を見上げよう!」

 

 声を張り上げ、彼女が叫ぶ。自分の欲望を、外に解き放つように。声に乗せて、思いっきり叫ぶ。

 

「やっとか」

 

 ん?やっとかってどういう意味だ?今まで上を見るのを我慢してたって訳か?

 

「そうだよ、やっとだよ。さっきの約束忘れてなくて良かったー」

 

 そうか、俺が夢を見る前に、話の流れがあったに決まっている。大方、そこで俺と彼女が、頂上に着くまで、上を見ないっていう約束でもしたのだろう。そして、頂上に着いた今こそ、空を見るというタイミングなのだ。

 

「じゃあ、目を閉じて」

 

 彼女がそう言うと、俺は目を閉じた。先程から繋いだままだった右手に、自然と力がこもる。

 

「行くよー!」

 

 彼女の掛け声が聞こえる。

 

「3!」

 

 妙に冷静になる。

 

「2!」

 

 周りの音が聞こえない。

 

「1!」

 

 顔を上に上げる。

 

「0!」

 

 ゆっくりを目を開ける。

 

 奇跡。星の瞬き。形容し難い。綺麗。月明かり。

 

 抽象的な表現しか出てこない。とんでもない夜空を見上げた感想が、上手く出てこない。

 

「すっげぇ.........」

 

 思わず声に出してしまった。それもそうだろう。部活に入っていない俺は、普段夜は出歩かない為、星を見る機会は少ない。にも関わらずこの満天の星空。声に出てしまうのも仕方の無いことと言える。

 

「でしょ!?他の人と、1度来てみたかったんだよねー」

 

 彼女がとても興奮した様子で喋っている。俺と同じで、この星空に、気分が盛り上がっているのだろう。繋いでいる俺の右手をブンブンと振りながら、足をバタつかせている。可愛らしい仕草だ。

 

 俺はさっきから、この星空を表せる表現を、探していた。頑張って探した結果、1つだけ、胸の中にストンと落ちるような言葉が見つかった。少し恥ずかしいが、もう、これしかないだろう。それは.........

 

「星の鼓動.........」

 

 それは星の鼓動だ。だから言ったんだよ、恥ずかしいって。でも、これ以上ない位、いい言い方だろ?俺は最高だと思う。

 

「星の鼓動かぁー いいね!すっごく、るんって来るね!」

 

 彼女の言う、るんっと来るというのは全くもって良く分からないが、褒められているということは、なんとなく分かる。

 

「あたし、君とここに来れて良かった」

 

 それはそれは、こちらこそありがとうございます。すっごく楽しい夢を見させてもらいましたよ。

 

 でも、所詮は夢なのだ。何時かは醒めてしまう、儚いものだ。

 

「俺も、こんな星空を見れてよかったよ。ありがとう。」

 

 そろそろ、お別れの時間かな。景色が更にぐにゃぐにゃしてきた。もう隣に居る筈の、彼女の輪郭さえもわからない。

 

「あたし、君に会えてよかった」

 

 ふと、彼女が呟く。他にも何か言っているが、これだけしか聞き取れなかった。最後だからだろうか、少しだけ彼女の顔が見れた。

 

 とても、可愛くて、寂しそうな顔をしていた。

 

 綺麗な黄緑色の瞳が、潤んでいた。

 

 そんな顔、しないでくれ。俺は心からそう思った。

 

 さよなら、楽しかったよ、夢の中の君。

 

 もう起きる時間だ。

 

 そして俺は、寂しさと、喪失感を伴いながら、起床した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんつー夢だ、悲しくなっちゃったじゃねぇか」

 

 夢から醒めた俺は、ベッド上で、上半身だけ起こしながら、そう呟いた。

 

 はぁ.........と、ため息ひとつ。

 

 取り敢えず、顔を洗いに洗面所へと向かう。2階にある俺の部屋から、1階の洗面所へ向かうには、階段を降りなければならない。階段を降りている途中でリビングから、焼けたトーストの匂いがして、頬をゆるめた。

 

 顔を洗い、朝食をとったら、後は着替えて学校へ出発だ。

 

 少し前から共学化した羽丘学園に通っている俺は、家が割と近めなので、始業時刻の30分前に出れば余裕で着く。

 

 のだが、朝からあんな夢を見てしまったので、妙に外を歩きたい気分になってきた。

 

 早めに出るか.........心の中でそう決めた。

 

「行ってきますー」

 

 せっせと制服に着替え、玄関前で、誰もいない家に、そう言う。

 

 両親は働き者なので、もう家を出てるのだ。早すぎだろ、韋駄天かなんかなのか?といつも思うが、もう慣れた。

 

 のんびり、のんびり通学路を歩く。元気なご老人や、朝からランニングしている人で、意外と道は賑わっている。

 

 やることもないので、白線の上だけを歩くことにした。子供っぽいとかいうツッコミはやめてくれ!俺が1番わかってるから!

 

 俗に言う、白線から落ちたらマグマ状態である。

 

 両手を横に伸ばし、バランスを取りながら少しずつ、道を進んでいく。

 

 ちなみに歩きスマホは、昔電柱にぶつかったのでもうしない。めちゃめちゃ痛かったぞ.........

 

 小学生モードで、ある程度進んだら、十字路が見えてきた。右に曲がる為に信号待ちしていると、十字路の前からアイスグリーンの髪色をした、女性が走って来た。

 

 なんか見た事あるなぁ.........少しの既視感を感じ、彼女の顔をじっくりと見てみる。

 

 黄緑色の目と、目が合った。

 

 その瞬間、全てが繋がった。

 

 夢の中で会った子だ.........

 

 そういうことか、夢を現実に出来るかは俺次第ってことなのね。

 

 信号が青に変わった。彼女がこちらに歩いてくる。

 

「キミ!その制服、羽丘の子だよね!一緒に学校行こ!」

 

 これが、俺と彼女の出会いだった。これから先、苦楽を共にする、最高の人との、出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




当作品を書くにあたってのきっかけは2つありました。

1つ目は、他の作者様の作品を読んでいる内に、私も書いてみたいと思うようになったからです。

何事もチャレンジ!ではありませんが、私にもやれば出来るかもという思いが強まってきたので、執筆への踏ん切りがつきました。

2つ目は、氷川日菜というキャラクターにとても惹かれたからです。

天才肌で、無意識の内に他社を見下してしまう一面もしばしば.........。更には、人の気持ちを汲み取ることが出来ない。この文面だけ読んだら、少なくとも私は、いい印象を持ちません。

しかし、氷川日菜というキャラクターには、文面だけでは語れない「なにか」があるのです。

姉思いだったり、ムードメーカーだったりと、彼女なりにも苦労することも多い筈です。

本当は好きな姉にも、少し避けられ、辛いと思います。

でも彼女は、決して諦めないでしょう。どうにかして姉との仲違いを修復しようとするのです。

私は彼女の前向きな性格が好きで、彼女のように楽しく生きたいと思います。

長々と後書きを書いてしまいましたね。すみません。

結論 日菜可愛い天才最高
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。