最終章の始まり、25話目です。
「花火大会?」
「そうそう、花火大会!」
「花火大会ねぇ.........小学生の頃、友達の付き合いで行ったきりだなぁ.........」
「なら尚更だよ!今度行こうね!」
「おっけー、予定開けとくわー」
7月2日、月曜日。
蝉がミンミン、太陽さんさんなこの時期に、俺は同級生で天才でシスコンという多属性な友達に、花火大会への同伴を頼まれた。まぁ、こうなることはある程度予測していた。日菜の性格的に、祭りやイベントをスルーするなんて、それこそありえないというやつだ。
俺としてはそっちの方が嬉しい。辛く落ち込んでいるより、明るく活発な日菜の方が見てて楽しいし、何より、日菜の魅力が十二分引き出されるというものだ。
断る理由もないので(むしろ、受ける理由しかない)もちろんOKを出した。別に、この決断が取り返しのつかないことになったわけでも、人生の転落の始まりになった訳でもない。
ただ.........
―――幸せを掴む転機になったはずだ。
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
「るんるんるんっ!楽しみだね、花火!」
日菜は――そう言って、俺と繋いでいる手をぶんぶんと振っている。地元の花火大会、場所は.........なんと、あの夢の中で見た場所だ。
7月7日、土曜日。
約束の花火大会は今日、この七夕の日に行われる。開催10分前、俺は日菜に連れられ、例の丘へと来ていた。日菜が言うには、前に、弦巻さんという人と、合同で部活を行っている時に見つけたらしいが.........どっからどう見ても、俺が夢の中で見た景色と一致していて、言っちゃ悪いが、少し気味が悪い。
日菜の格好は、やはりと言うべきか、それとも意外や意外と言うべきか、まぁ、知り合ったのは3ヶ月前だから、こういうイベントにあった服装をする性格なのかは知らないから、どっちを言うべきかは、わからないが。
話が逸れた。結論を言うと日菜の格好は.........浴衣だ。
浴衣、それは男のロマン。年に数回、見れるか見れないかというレア度。いつもとは違う雰囲気でちょっとエロい。可愛さが2倍にも3倍にもなる。三拍子揃った、水着、パジャマと並ぶ、3種の神器の内の1つ.........だと俺は思っている。世間一般的にどうなのかは知らない。
「ああ、俺も楽しみ。.........それにしても、似合いすぎじゃね?浴衣」
「そう?ありがとねっ!おねーちゃんが着付けてくれたんだー」
どうやら、紗夜さんがやってくれたみたいだ。やっぱりあの人、日菜に甘いな。
「そうなんだ。紗夜さんは呼ばなくて良かったの?」
「野暮な事聞かないでよ.........冬夜君と二人っきりが良かったから呼ばなかったの!」
日菜がジト目を向けてくる。失言だったか放言だったか.........まぁ、どちらにせよ、いい質問ではなかったことは確かだ。よく考えてみれば、友達以上恋人未満のデートに、誰が第三者を連れてくるのか.........そんなやつが見るのなら見てみたいものだ。ん?鏡を見ればいいって?またまた、ご冗談を。
「それは配慮が足りてなかった。ごめん」
「まったくもー.........あ、始まるよ!」
小言を言われるのを覚悟していたが、どうやら花火が始まるらしく、日菜の意識は、完全に花火へと持っていかれた。横から見ていても分かるくらい、興奮している。
俺が見たあの夢と違うのは、今日は花火大会で、俺が告白するという事だ。全身全霊、一世一代の告白だ。俺は意を決して、彼女、日菜に話しかける
「日菜、聞いてくれ」
夏の夜空を彩る花火が、今始まる。
短めですね、でもこれが綺麗な切り方だと自分で思っているので、後悔はありません。
次で最終話です。投稿間隔が空いてしまう可能性もあります。最後は、しっかりと時間をかけて書きたい、そんな気持ちでいっぱいなので。
今までこの駄文に付き合ってくれた皆様、もう少しお付き合い頂けると幸いです。エピローグというか、番外編というか、最終話と言ってもまだ全然書きます。
ではこの辺で。
今回もお読みいただきありがとうございました!