隣の一等星   作:Re:GHOST

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書きたいことはあとがきで書きます。

取り敢えず、これだけは言わせてください。

この作品を読んでくれた皆様、本当にありがとう!

では、本編へどうぞ!



エピローグ フォーマルハウト

「あ!着いた着いた!とうちゃーく!」

 

「やっとかぁ.........お疲れ様、日菜」

 

 石造りの階段から1歩、今朝の雨で少し湿った土に足を乗せる。デートだからと浮かれて、高い靴を履かずに運動靴を履いて来て良かった。この地面の状態じゃ、土が付いて靴が汚れる。

 

 11月10日、土曜日。

 

 夏の花火大会からはや4ヶ月。俺と日菜は、約束していた秋の天体観測に来ていた。この4ヶ月の間に色々なことがあったが.........まぁ割愛させてもらうことにする。理由はキリがないからだ。ん?何があったか知りたいって?まぁ、そのうち話すよ。多分。

 

「う〜ん、風が涼しくて気持ちいいね!」

 

「そうだなぁ......... 天気もバッチリ晴れたし、絶好の天体観測日和になったよ」

 

 日菜が気持ちよさそうに伸びをして、爽やかな笑顔を向けてくる。その表情はとても嬉しそうで、なにより可愛い。こっちまで笑顔になってしまう気さえしたくらいだ。やはり、アイドルというのは違うな。俺みたいな無気力人間をアクティブ人間に変えてしまう力があるんだから。ここだけの話、最初は恋愛パラメーターがカスだった俺も、最近はお家デートで自分からキスできるようになった。これも、日菜の才能の1つ、「人を変える力」なのか.........知らんけど。

 

「じゃあいつものベンチ、行こ!」

 

「そうだな。.........でも、その前に手、繋がないか?ほら、冬本番はまだとはいえ、少し寒いだろ?」

 

「えぇ〜 私は寒くないけどなぁ〜 まぁ、冬夜君と手を繋ぐの大好きだから、嬉しいけどさ」

 

 日菜がやれやれといった表情で、手を差し出してくる。ジト目も.........イイッ!なんて思ってしまった俺は多分末期だろう。日菜好き病のな。取り敢えず手を繋ぐことにする。勿論、恋人繋ぎ。日菜の手は思ったよりも冷たく、ひんやりとしていた。というか、俺がドキドキして体温上がってるだけだと思うけど。

 

「冬夜君も素直じゃないなぁ〜 寒いなんて言い訳しちゃってさ」

 

「言い訳なんかじゃないよ」

 

「うっそだ〜 じゃあなんでこんなに手、暖かいの?」

 

「.........っば!ちげーよ!それはあれだよ.........そう、階段!階段で疲れたからさ!」

 

「えぇ〜 その割には息、上がってないけど?冬夜君はウブだなぁ〜 私にドキドキして暑くなったって言えばいいのに〜」

 

 言えるなら言ってるわ!.........全く、日菜は本当にからかうのが上手だな。あと無自覚の煽りも天才級。煽り上手の氷川さんという称号を授けたいくらいにはな。

 

 手を繋いで、ベンチへ2人で歩みを進める。なんだかんだで、俺はこの時間が大好きだ。日菜が近くにいることを感じられる大切な時間、暖かい繋がりを持てる、幸せな時間だから。繋がれた手からは、暖かくて、優しい温もりが伝わってくる。体温だけじゃない、確かな温かみが、そこにはあった。

 

「ふぅ.........ねぇ、冬夜君」

 

「ん?」

 

「あたしたち、色んなことがあったよね」

 

 ベンチに座って一息、そんな時に日菜が話しかけてきた。足をぷらぷら、首をゆらゆらしている彼女は、さながらモデルみたいだ。まぁ、モデルの仕事も最近してるらしいから、あながち間違いでも無いけど。

 

「あーあったなぁ......... 特に笑ったのは日菜が寝ぼけて噛み付いてきた時だな」

 

「あはは、あの時はごめんね?ご馳走の夢見ててさ」

 

「んで、俺の腕をご飯と間違えたと」

 

「うん!」

 

 あれは.........いつだったかなぁ......... まぁいいよそんなことは、とにかく休日だ。休日に俺は日菜の家に泊まりに行ってたんだ。んで、2人で沢山遊んで、るんっとして(意味深)それで遊び疲れた俺達は、服もろくに着ないで眠りについた。

 

 .........ここまでは普通だったのだが。普通だよな?服なんて下着着てればいいよな?良い子のみんなは、服を着て、風邪を引かないように暖かくして寝ようね!

 

 ここですやすや快眠中の俺に悲劇が起こった。あろう事か、日菜を抱きしめて寝ていた俺の右腕に、ガブッと勢いよく噛み付いてきたのだ。正直言って、めちゃくちゃ痛かった。彼女じゃなかったら叩き起していただろう。冗談抜きで!俺は、可愛い彼女を起こすことが出来ず、頭を撫でて、念仏を唱えて、邪念を振り払った。まぁ、彼女も振り払えない奴が、邪念なんて払えるわけないんですけど。そんなこんなで、俺の地獄の一夜は、日菜が起きるということで、決着が着いた。

 

「今だから言うけどさ、あれ、めちゃくちゃ痛かった。腕もげるかと思った」

 

「そんなに〜?甘噛みのつもりだったんだけどな〜」

 

「あれが甘噛みならステーキとか食う時どうすんの?なに、日菜ってライオンなの?」

 

「あはは!面白〜い!」

 

「面白かねぇよ!全く.........ほら、星見ようぜ」

 

「そうだね、見よう見よう!」

 

 本題に入る。俺達が来た理由、夏にした大切な約束。日菜の大好きな星を、俺達を繋いで結んでくれた星を、2人で見よう。

 

「.........本当に綺麗だね」

 

「うん、綺麗だ」

 

 空には満天の星空。あの時、夢で見た景色より綺麗で、少し滲んで見える。悲しいから泣いてるんじゃない、嬉しいから泣いてるんだ。感動して、心が動かされて、泣いてるんだ。誰に言えばいいかわからないけど、俺はこう言いたい。日菜と会わせてくれて、ありがとうって。心から、感謝したい気持ちだ。

 

「日菜」

 

 .........でも、思うだけじゃダメなんだ。伝えなきゃ、ダメなんだ。

 

「愛してる」

 

 声なんて張り上げなくていい。ただ、この気持ちを伝えよう。ありがとうって、愛してるって、大切な人に言うんだ。だって、それが好きってことなんだから。

 

「.........あ、たしも.........愛してるよ.........」

 

「ありがとう」

 

「.........あたし、君とあえて良かった!」

 

「俺も、日菜と会えて、本当に良かった」

 

 日菜の顔は涙で濡れていて、綺麗だった。月明かりが照らし、キラキラと光る彼女の顔は、本当に魅力的だと思った。彼女の泣くところを見るのはこれで二回目だ。いつも元気で活発な彼女の泣き顔はあまり見ることが出来ないので、貴重な顔だと言えるだろう。前に見た時は、怖い夢を見たと言っていたが、今はそんな夢、見てないといいな。

 

「.........うぅ.........」

 

「泣くほど嬉しかった?」

 

「あたりまえじゃん!.........だって、愛してるって」

 

「思ったことはきちんと言う。それが恋人だろ?」

 

「そうだけど!いつもは好きだけなのに、なんで今日は.........」

 

「俺が日菜を愛してるからだよ」

 

「また言った!」

 

「いくらでも言うよ。日菜は大切な人だから」

 

「.........はぁ.........わかったよ、今日はあたしの負けだね。いつもは私がからかう側なのに.........」

 

「はは、からかってなんかないよ。.........それにしても、綺麗だな」

 

「それって、あたしの事?ありがとう、冬夜君!」

 

「軽口叩く余裕はあるんだな、顔真っ赤の癖に」

 

「.........んなっ!ち、違うよ!」

 

「さっきのお返し。これで形勢逆転だな」

 

「逆転しーてーなーいー!」

 

 俺はこれからも、笑って、泣いて、支えあって生きていきたい。少し前なら考えもしなかったことだ。あの夢を見るまでは。でも、今は違う。大切な人が俺にも出来たんだから。隣にいてくれる大切な人が、今はいるんだ。だから、今を大切に生きていこう。好きな人と、歩幅を合わせて進んでいこう。2人ならきっと怖くないから、何があっても大丈夫だから。

 

 空には、俺達を祝福するかのように、燦々と一等星が輝いていた。

 

 秋のただ一つの一等星。「フォーマルハウト」が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、大学遅れちゃうからもう行くね!」

 

「あ、日菜!ちょっと待って!」

 

「何〜?急いでるんだけど!」

 

「そりゃ、見りゃわかるけど.........って、そうじゃなくて、今日の夜、レストラン予約してるから」

 

「ほんと!?楽しみだな〜!」

 

「うん、本当。だから、寄り道しないで早く帰ってくること!」

 

「わかった!」

 

「あ、あともう1つある!」

 

「ん?どうしたの?」

 

「日菜、好きだよ。.........行ってらっしゃい!」

 

「.........あたしも好き!それじゃあ、行ってきまーす!」

 

 俺にとっての一等星は、時が経ってもキラキラで、素敵で、隣にいてくれるようです。

 




これにて、「隣の一等星」完全完結です。季節ネタとかはやるかも知れませんが、日菜と冬夜の物語は、私が書きたかった物語はこれで終わりです。

初めて投稿した時は、文法もめちゃくちゃで、UA数も伸び悩み、やめようかと思っていた時期もありました。.........しかし、今この場で小説を書き終え、あとがきを書けているのは、皆様のおかげです。読んでくれた皆様、お気に入りしてくれた皆様、コメントしてくれた皆様。私が折れずに、ハーメルンに投稿出来たのは、全部皆様のお陰です。本当に、ありがとうございます。

.........さて、ここら辺であとがきも終わりにしましょう。下で宣伝とかしたいしボソッ

ここまでの、長いお付き合い、本当にありがとうございました!

また、どこかで会いましょう!

2018 11.27 レミリア親衛隊

以下宣伝

日菜の姉、氷川紗夜がヒロインのDream Shout ハーメルンにて連載中です!是非、読んでみてください!

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ユーザー名 レミリア親衛隊@inferno

ID @infernoMMDer

バンドリのフレンドも募集してます!そんなに強くありませんが、それでもいいよという優しい方、フレンドお願いします!

バンドリ! ガールズバンドパーティ! ID 93997205

では、これにて宣伝終わります!

今までの応援、ご愛読、本当にありがとうございました!
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