では、本編どうぞ!
「「「せ〜っの!カンパ〜イ!!」」」
オシャレで少し高そうな、それでいて隠れ家的雰囲気もある居酒屋に、3人の声が重なる。その声の主は、俺と日菜と、今では全国.........いや、世界レベルのアイドル、丸山彩だ。あれから3年、俺と日菜が出会って3年。パスパレは急成長を遂げ、今や世界的アイドルグループになっている。そのリーダーである丸山彩ちゃんが、急な招集にも関わらず来てくれたのだ。昔は承認欲求の権化で街に出る時は変装をしなかったらしいが、今そんなことをやるとSNS拡散祭りで人が集まり、普通に歩くことも困難になるだろう。なので、変装はバッチリしてきている。.........丸山ちゃんよ、そのマスクにサングラスはどうにかならなかったのか.........
「ごめんね?丸山ちゃん。忙しかったでしょ?年末も近いしクリスマスだって.........」
「全然大丈夫だよ!」
「大丈夫じゃない癖に〜 あたし知ってるよ?今日来るためにスケジュールぎゅうぎゅうに詰め込んで無理やり空きを作ったの」
「え、そうなの!?」
「あたしは撮影とかインタビューとか全部一発OKだから空きがあるけど、彩ちゃん不器用だからね〜 完璧を求めすぎちゃって何回もやり直してるんだよ。そう考えると、クリスマス特番と年末年始ライブもあるし、今ってパスパレ史上一番忙しい時期かもね」
な.........なんだって。俺はそんな忙しい時期に「丸山ちゃん、今度暇かな?クリスマスと年末は日菜が生放送出ちゃって忘年会出来ないから三日後やるんだけど、もし良かったら来れないかな〜なんて。連絡待ってます!ヾ( '▽' |」なんて馬鹿丸出しの文を送っていたのか。とてつもなく自分が惨めに思えてきた。実際そうだけど。というか、普通に考えて日菜がパスパレとしてテレビに出るのに、丸山ちゃんが出ないわけないだろ、アホか。
「忙しいのは事実だし、時間が無いのも事実.........だけど、日菜ちゃんと雹崎君が誘ってくれて嬉しかったから、どうしても来たかったんだ」
.........こういう裏表のない、素直な性格だからファンが沢山いるんだな。笑顔もすごい可愛いし、何より努力家だし。魅力が溢れ出してるな。
「.........そういうことなら、沢山飲みますか!ほら、日菜も日菜も!」
「テンション高いね〜冬夜君」
「あはは、雹崎君って面白いね」
「あたしの彼氏なんだから当たり前だよ〜 ね?冬夜君!」
「おう!いつもはあんまり元気ないとか言われるけど今日は違うぜ!よーし、パスパレの未来に、乾杯!」
「「乾杯!」」
こうして、今年もお疲れ様会.........もとい、忘年会は進行していく。
「あははは!彩ちゃん面白〜い!」
「ひなちゃんらって、面白いよぉ!」
「うはははは!楽しいー!.........うっぷ」
「わー雹崎君!?大丈夫!?」
「あははは!冬夜君が吐きそうになってる〜!」
.........忘年会は俺が気持ち悪くなるまで飲んで、お開きとなった。
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現在、自宅。状況、酩酊。人数、2人。う、吐きそう.........
「あー気持ち悪いわ。なんか、出そう。視界はぼやけるし、呂律はあんま回んないし」
「大丈夫?冬夜君。横になったら?」
「あー先に風呂入る」
「でも酔ってるのにお風呂は危ないよ?」
「すぐ出るから」
「うーん心配だなぁ〜.........あ、一緒に入ればいいっか」
そう言うと日菜は俺に寄ってきて、濃厚な口付けをした。アルコールの香りが、情欲的な雰囲気を醸し出す。酔った俺の思考回路で考えられることは、快楽だけだ。もっと、もっと欲しいと、ねだるように唇を合わせていく。俺の頭の後ろに回された日菜の手が、優しく撫でてくれるのが、暖かくて嬉しかった。
「あたしも入りたかったけど酔ってるし.........ちょうど良かったよ」
「何がちょうど良かっただよ。いつも俺が風呂入ってると乱入してくる変態さん」
「.........そんなこと、んっ、言い出したら変態なのはそっちじゃん。1人でお風呂入るのになんでタオル2枚持ってくの?それって、あたしが来るの期待してるってことだよね」
「.........いいから、風呂行くぞ」
「は〜い」
「.........冬夜君」
「ん?どうした?」
「お疲れ様」
「.........おう、今年も1年、お疲れ様」
この後、お風呂で盛大にイチャついた俺たちは、揃ってのぼせて、揃って後日、紗夜さんにめちゃくちゃ説教された。
クリスマスと年末年始も更新しまーす!更新しなかったらTwitter凸って文句言ってくださーい!
では、今回はこの辺で。
お読みいただき、ありがとうございました!