おっしゃ頑張るぞぉー!
9話目行くぞぉ!
「おーいてて.........」
「あはは、冬夜君もドジだなぁ。地面を蹴って足痛めちゃうなんて」
「俺もそう思う。まぁそんなに酷い怪我じゃないから良かった。安静にしてれば1日で痛みは取れるってさ」
俺たちは放課後の時間になり、部室へ向かっていた。右足が痛くて歩き方がぎこちない。
ひょこっ、ひょっこ、と右足ホップ状態だ。
「もうそろ着くよな」
「うん。ここ曲がったらすぐだよ」
右に曲がるために、壁伝いに歩く。最初からこうすれば良かったと思ったのは内緒だ。
消火器に膝をぶつけないように気をつけながら曲がろう。
「ようやく到着か.........はぁ、疲れた」
「お疲れ様、中入ったら座ればいいよ」
部室の前へ着き、安堵のため息をつく。タダでさえここまで遠いのに、怪我をしてると、とてつもなく遠い気がする。
扉を開け、中に入る。一昨日座ったソファーを目指し、部屋の中を進んで行く。
ソファーの前に着いたのでおもむろに座る。足首に負担をかけないよう、ゆっくりとだ。
「あぁー」
「はふぅ.........」
二人揃ってこのくつろぎようである。つ、疲れたんだもん、しょうがないじゃない!
ソファーが二人分の重さで沈み込むが、そこは高級ソファー。高反発でポヨンと跳ね返された。
「じゃあ、本でも読もっか!冬夜君は何がいい?」
「あー、星に関しては初心者だから入門書とかがいいかな。あるかわからんけど」
「ふむふむ、リョーカイ!」
日菜が立ちあがり敬礼する。右手をピシッとし、頭に添えている。顔もいつもより凛々しくて綺麗だ。
「うーん。これが.........いやいや、こっちの方が.........」
何やら日菜が唸っている。棚の中やらダンボールの中やら、色んなところを物色しているようだ。
「あ、これがいいかな!」
「あったー?」
「うん!ぴったりなのがあったよ!」
小脇に抱え込み、こちらへ向かってくる。表紙がちらっと見えたが、どうやら写真集らしい。アンドロメダ銀河っぽいのが書いてあるのが見えた。
日菜が靴を脱ぎ、ソファーの上に膝立ちになる。俺たちの間に本が置かれる。どうやら二人で覗き込む形で見るのだろう。
なになに、タイトルはっと.........「宇宙の神秘!星の瞬きと私たち」か.........小学生の自由研究キット付きと、右下にギザギザで強調している。
いや、初心者って言ったけどこれは流石に、ねぇ?
まぁ、何事も見てから決めよう。中身は神がかっているという可能性も無くはない。
「取り敢えず見てみるか」
「そうだね!じゃあオープン!」
ページが開かれる。最初は目次なので飛ばし、2ページ目だ。そこには星の起源について書いてあった。
かいつまんで説明すると、星は宇宙にある星雲という殆ど水素ガスで構成された物の中で、核融合が起こり、出来るのだそうだ。
ほへ〜。そんな凄いことが起こってたんだなぁ.........
「宇宙って不思議だな」
思わず口に出してしまった。目の前に広がる綺麗な写真を見ていたら、自然と呟いてしまったのだ。
「宇宙には解明されてない謎がいっぱいあるからね。るんるらるんって来るよね」
「.........そうだね」
そこからは二人で静かに読書の時間だ。日菜はとても物知りで、星のことをいっぱい教えてくれた。
そんな感じで読み終わり、俺はとても眠くなっていた。うつらうつらと船を漕ぎ、ソファーの上で眠りこけるところだった。
「冬夜君!見て見て!」
「んぁ?どーしたんだ?ふぁ.........」
やっべぇねみぃ。ラリホーを食らったくらい眠いぞ。体験したことないけど。
日菜が見て見てと言うので視線をそちらに向ける。どうやら首から何かを下げているみたいだ。眠くてあまり読み取れないが、英語が書いてある事は辛うじてわかる。
「なにそれ」
「これは去年の文化祭で使ったFreeハグの看板だよ!」
なん.........だと!?フリーハグだと!?この学校ではそんな恐ろしい事が行われていたのか.........
「そんなのあったのか」
「去年は誰もやってくれなくて.........」
少し寂しそうな口調で言いながら俺の隣に座る。
そりゃそうだろう。女子はそんなもんなくても年がら年中引っ付いてるし、男子に至っては勇気がないに決まってる。それで日菜と抱き合った奴強すぎだろ。
「でも今年は冬夜君がいるから良かった!」
「そうだな。俺がい.........え?俺?」
「じゃあ、練習で.........失礼しまーす!」
「うわっ!」
座っていた俺に日菜が抱きついてくる。女の子特有の柔らかさがダイレクトに伝わってとても気持ちいい。
「少し、恥ずかしいね」
「うん、そうだね」
お互いに顔は見えないが、きっと今の俺たちは、幸せな表情だろう。ずっとこんな時間が続けばいい。そう、本気で思った。
「眠いんでしょ?星が見えるまでもう少しあるから、寝てもいいよ」
日菜が穏やかな声で言う。俺の頭は、背中から回された日菜の右手によって今も撫でられている。
「うん、そうする」
「おやすみ、冬夜君」
「おやすみ、日菜」
俺たちは星が出るまで、抱き合いながら眠りについた。その後、俺が起きて、正常な思考回路を取り戻し、やばいことに気づいた頃には、いささか関係が進みすぎていた。
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この話を書く前に5連ガチャ引いたら星3のひまりちゃんが来てくれました!うれぴぃ。
それではこの辺で。
今回もお読みいただきありがとうございました!