if物語 市丸ギンの息子   作:フ瑠ラン

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――同じ世界に同じ人物は二人も入れない。それは世界の理――








親子

碧が消えて早3ヶ月。碧はまだ帰ってきていない。

 

 

「はよ帰って来てもらわな俺尸魂界に帰らなあかんのやけど」

 

 

平子隊長はまだ何故か現世に残りボクと一緒に碧を探してくれていた。「帰らないで大丈夫なんですか?」と聞けば五番隊副隊長雛森桃に「それなら一緒に探してあげてください!」と言われ帰るに帰れなくなったらしい。

 

 

「そうや、喜助ンとこ行ったんか?」

 

「喜助?それって浦原喜助?」

 

「ああ。同じ街すんどること知らんかったのか?」

 

「知っとったけど頼る気にはならんかったなぁ。あの人もボクのせいで尸魂界追放されたもんやし」

 

 

ボクがそう言うと平子隊長は「ちゃうで」とボクの言葉を否定した。

 

 

「あれは全て藍染のせいや。確かにギンも加担しとったけど俺らはオマエを恨んでなんかおらんで」

 

「…ボクには隊長達の考えてることが全然解らんですわ。仮にも加担しとったんや。ここで斬られてもボクは可笑しくない。なのにそんなこともせず碧を探すために力を貸してくれるなんて……アホちゃいますか」

 

「アホでも何でもええわ。家族がおるやつを斬ることなんで俺にはできん」

 

 

平子隊長はそう言うと立ち上がり「ほな、行くで。早く立ち」と言った。

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

「えっ、市丸サン結婚してたッスか!?それはおめでとうございます」

 

「いや喜助、今そんなんどうでもええねん。碧探しとるんやどうにかできんか?」

 

「どうにかって言われてもッスね…。アタシはその碧サンに会ったことがないんで探しようが…」

 

 

ボクは隊長に連れられて浦原商店と言う店に来ていた。隊長が浦原に事情を話すと先ずは結婚してた事に驚かれ次は子供が居たことに驚かれた。最後には碧に会ったことがないから探しようがないと。

 

 

「でもまあアタシも頑張ってみますよ。平子サンからの頼みッスからねぇ」

 

 

「じゃあ市丸サン質問していくんで答えてください」と突然やる気になった浦原の言葉にボクは頷く。

 

 

「碧サンは霊力が高いッスか?」

 

「うん高い。ボクよりも乱菊よりも高い」

 

「…そりゃそうだ。元隊長と現副隊長の子供なんスから高くないほうが可笑しい」

 

 

浦原はウンウンどうでも頷きながらメモ帳に何かスラスラと文字を書いていく。

 

 

「じゃあその碧サンの霊圧はどっち似(・・・・)ッスか?」

 

「は?霊圧にどっち似とかあるん?」

 

 

平子の疑問の声に浦原は「あるに決まってるじゃないッスか」と言う。

 

 

「遺伝で顔や雰囲気、味覚等が似るように霊圧も親に似てくるんスよ。もう一度聞きます。碧サンの霊圧はどっち似ッスか」

 

「多分ボクやと思う。乱菊が言っとった。霊圧から風貌まで全部ボクに似とるって」

 

「解りました。……もうしかしたら探せるかもしれないッスね」

 

「おお!!ほんまか喜助!!」

 

 

平子隊長が聞くと「はい、アタシがその装置を作れれば、ッスけど」と言った。

 

 

「「装置?」」

 

「そうッス。ボクの昔の実験で色んな世界があることは解ってたッス。だからその世界…いやこの世界だけを抜いて市丸サンと似たような霊圧を探す。一つの世界に2つの反応が起きたとき、その世界に碧サンがいる、って魂胆スね」

 

 

「先ずは霊圧探知機作らないと」と呟く浦原。

 

 

「碧サン見つけたら次はその世界に市丸サンを飛ばす装置を作るッス。とりあえず市丸サンは碧サンの顔を見れれば安心でしょう?」

 

「そうやね」

 

「なら先ずは霊圧探知機を造るところから始めないと」と言って奥に消えようとした浦原だが寸前で止まる。

 

 

「3日ッス」

 

「「は?」」

 

「3日で仕上げてみせます。それまで待って貰えますか?」

 

「当たり前やろ。こっちは頼んでる側や。文句は言えん。せやろ?ギン」

 

「そうやね。ボクは何でアンタが碧を探してくれるのを手伝ってくれとるかの方が謎に思えて仕方ない」

 

「アタシは、別に尸魂界を追放されようがそんなに変わんないんスよ。けれど平子サン達は違う。尸魂界で隊長として瀞霊廷を尸魂界を護ることに誇りを持っていた。平子サン達の方が辛かった筈だ。なのに今平子サンはあなたの味方として碧サンを探している。平子サンがあなたを許しているのにアタシが許さないなんてあり得ないでしょう?」

 

 

浦原はそう言うと今度こそ奥へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

3日経ったある日。浦原から連絡を受け平子隊長とボクは浦原商店に来ていた。

 

 

「碧サンがどこにいるのかも解って設定もしてあります。後は市丸サンがこの中に入ってもらえれば」

 

 

目の前にあるのは人が一人入れるぐらいの小型機械。

 

 

「成功するかどうか解りません。それでもやりますか?」

 

「やるに決まっとるやろ」

 

 

ボクはそう言うと機械の中へと入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

「家族を持つと人は変わるものなんスね」

 

「ほんまそうやな」

 

 

暫く平子サンと会話をする。あるボタンを押しながらマイクに喋りかける。

 

 

『聞こえますか?市丸サン』

 

 

市丸サンに喋りかけると市丸サンは返事をしてくれた。

 

 

「ああ聞こえるで」

 

『ボクのカウントダウン後に市丸サンを飛ばします』

 

「解ったわ」

 

 

市丸サンが理解してくれたようなのでアタシはカウントダウンを始める。

 

 

『――3、――2、――1、』

 

 

市丸サンは白い光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

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機械は無事作動することができた。後は市丸サンの体が消えて碧サンのいる世界に市丸サンの霊圧が2つあれば…成功。しかし市丸サンの体は消えておらず碧サンの世界にも市丸サンの霊圧は2つなかった。失敗に終わってしまった。

 

横たわって倒れている市丸サンを揺らして起こす。しかし市丸サンは起きない。暫く放置しておけば起きるだろうと思いアタシは平子サンに手を貸してもらって市丸サンを空いている部屋に寝かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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目を覚ますとボクは久しぶりの景色を見ていた。ここは――三番隊隊首室か。『三』と書かれた白い隊首羽織を来て椅子に背に凭れかかっとるボク。ここが碧のいる世界、か。早く碧を探して顔を見たい。

 

ボクは何故昔の自分の体に入っているのかとかそんなのは気にせず碧を探し始めた。

 

碧はそもそも瀞霊廷にいるんか?流魂街とかにおらんやろな?そもそも、今の時代ってまだ藍染おるやん。藍染になんか変なことされとらんやろな碧。ああ駄目や心配で仕方がない。

 

三番隊隊舎の廊下を歩いていると反対側からボクに似た銀髪と男が来ていた。一目で解ったわ。碧や。あああんなに大きくなって。思わずボクは碧に抱きついた。

 

 

「えっ、えっ…!?ちょ、ギンどうしたの?変なもの食べた?熱にでも侵された?」

 

 

随分毒舌になってしもうて。でも……

 

 

「ああ、碧や。ボクの大切な(むすこ)

 

「…むすこって、もうしかして…父ちゃん…?」

 

「久しぶりやな、碧」

 

 

ボクが碧の名前を呼ぶと碧は目に涙を浮かべて「父ちゃん!!」と抱きついてきた。

 

 

「会いたかったで碧」

 

「うん、ボクも、会いたかった…!」

 

「積もる話もあるんやけど…そろそろ時間やな」

 

「え、時間……?」

 

「また来るわ碧。顔だけでも見れて良かった」

 

 

ボクは碧の話なんかまともに聞かず目を瞑る。

 

そして次、目を開けたときは平子隊長のドアップの顔が見えて思わずひっぱたいた。

 

 

 

 

 

 

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イヅルが五月蝿くて渋々ボクと碧は仕事に取り掛かった。ボクは隊首室で書類に判子を押す作業をしている。…こんな作業ならイヅルでもできるやん。イヅルにまわそ。

 

ボクは椅子の背に凭れかかり目を瞑る。

 

いつもやらんことやったから疲れたわ。休憩や休憩。ボクは意識を飛ばした。

 

目を開けると木の板で作られた天井が見える。何故か布団に入っとるボク。…可笑しいやろ。ここは隊首室でもなければ尸魂界でもない。ここ、どこや。

 

 

「やっと起きたか、ギン」

 

「…アンタは……!!」

 

「なんや俺の顔見てそんな幽霊でも見るような顔しおって。なんか俺の顔についとるか?」

 

「なんで、なんでアンタが。なんかアンタが隊首羽織着とるねん!!アンタは虚化で…」

 

 

ボクがそう言うと目の前にいた人物――平子真子は驚きの表情になった。

 

 

「失敗だと思ってたんスけどねぇ。以外にも成功でしたか」

 

 

襖を開けて出てきたのは浦原喜助。こいつは藍染の手によって平子達と追放されたはず…!

 

 

「浦原喜助!!」

 

「どうもこんにちわッス、市丸サン。あなたに質問なんですが碧サンって知ってます?」

 

 

碧のことを聞いてくる浦原にボクは警戒体制に入る。何が狙いや、こいつら。

 

 

「…オマエ、碧を狙っとるんか…」

 

「違いますよ。次の質問です。あなたには碧サンと血縁関係(・・・・)がありますか?」

 

 

浦原の問いにほうがではなく平子が答えようとする。

 

 

「は?そんなもん」

 

 

勿論平子の言葉を全ては言わせない。

 

 

「ないに決まっとるやろ」

 

「!!」

 

 

平子の表情が「あり得ない」と言っている。何故そんな顔をするのかボクには全く解らなかった。

 

 

「ボクは碧とは血は繋がっとらん。前に言うたやろ?」

 

 

ボクの言葉を聞いて浦原は「やはり…」と声を漏らす。そして顔をあげたかと思うと浦原は言った。

 

 

「改めましてこんにちわ。碧サンが翔んだ世界の市丸サン。ボクの名前は浦原喜助ッス。どうやらアタシの作った装置のせいでこの世界の市丸サンと碧サンのいる世界の市丸サンの魂が入れ替わったようで」

 

「ほんまか?」

 

 

そう言って平子はボクの顔にズームしてくる。そこでボクの意識は途切れた。

 

碧が翔んだってなんや?浦原はまるで碧がボクのいる世界の住民やないみたいな言い方。それに平子のあの驚きよう。まさか…ホントは碧とボク血が繋がってるみたいなこと…ないよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

「?倒れたでこいつ」

 

 

平子サンが市丸サンの顔に更に自分の顔を近づけ頬をつねったりしていると…。平子サンはおもいっきり市丸サンからビンタを食らっていた。

 

 

「いった!!何すんねんオマエ!!顔腫れたらどうしてくれるんや!」

 

 

晴れ晴れとしている表情の市丸サン。アタシは市丸でに「お帰りなさい」と言った。

 

 

「なんや、オマエこっちの世界のギンかいな」

 

「どうでした?碧サンの様子は」

 

「三番隊の副隊長やっとった。それに大きなってカッコええ男になっとった」

 

「話せたんスね。それは良かった」

 

「ああ。元気そうで良かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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