if物語 市丸ギンの息子   作:フ瑠ラン

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誤字脱字で皆様に迷惑をかけていることをお詫びします。これからは更に念入りに執筆していくので見捨てないで貰えると嬉しいです。


旅禍

「朽木ルキア処刑だってよ」

 

「らしいなぁ。六番隊隊長さんへこんでたりしてな」

 

「見に行ってみる?」

 

「せやね」

 

「「性格悪いなぁボクら」」

 

 

朽木ルキアの処刑を言い渡された隊首会の後、ボクらは歩いていた六番隊隊長に絡む。

 

 

「随分冷静やったなあ六番隊隊長さん」

 

「それほど朽木ルキアに興味ないんでしょ?」

 

「ご立派ご立派!」

 

 

ボク達の声を聞き、朽木隊長は歩く足を止める。少しだけの殺気が肌にヒシヒシと伝わる。相当朽木隊長はご立腹のようだ。

 

 

「自分の妹が死ぬってのにあの冷静さ。サッスが六番隊隊長さん。死神の鑑!」

 

「バカ言えや。死神で死ぬだの何だのにビビってんのはテメーらと九番隊長ぐれぇのモンだ」

 

「え――そうかァ?」

 

「ギンはそうかもしれないけれどボクは違うよ?ギンと乱菊が生きてればボクはそれでいいし」

 

「市丸達に依存してるおめえも変わらねぇよ」

 

「そうかな?」

 

 

朽木隊長は振り返りボク達に話しかける。

 

 

「隊長格が三人も揃って私に何のようだ?」

 

 

朽木隊長は鋭い眼差しでボクらに言った。殺気も数分前とは確実に変わっている。まるで首もとに刀を突き付けられているような感覚。

 

 

「いややなぁ。妹さんが処刑されるってンで六番隊長さんがへこんでへんか心配しててやんか」

 

「ボクだったら耐えきれないなぁ。だってギンが処刑されるようなモンでしょ?絶対殺すわ。ギンを処刑させようとするやつも、賛成したやつも全員、死体を直視できないぐらいにぐちゃぐちゃに殺してやる」

 

「…兄等には関係の無い事だ」

 

「ヘコむ訳ゃ無ぇよな。名門にゃ罪人の血は邪魔なんだからよ」

 

「…ほう。貴族の機微が平民に理解できるとは意外だな」

 

「そうでもねぇよ。俺ぁ昔っから気が利く方なんだ。どうだ?気が利くついでにさっきの罪人、処刑より先に俺が首を落としてやろうか!?」

 

 

朽木隊長と更木隊長の霊圧同士がぶつかり合う。なんだかんだ言って朽木隊長ってすぐにキレるからなぁ。困りもんだよ全く。

 

 

「ほう知らなかったな。兄程度の腕でも人の首は落とせるのか」

 

「試してやろうか?」

 

「試させて欲しいのか?」

 

 

乱闘が始まる十秒前。ギンとボクは更木隊長に白い布をグルグルと巻き付け動けなくし、朽木隊長から離れる。

 

 

「ボク、草鹿副隊長探してくる」

 

「うん、頼んだわ」

 

 

ボクは瞬歩で消え、近くにいるであろう草鹿副隊長を探す。正直言って草鹿副隊長がこの場にいても変わりはいないだろうが、あの人を見つけたら大人しく帰るだろう十一番隊舎に。

 

 

「カンニンしてや六番隊長さん!」

 

「おいコラ市丸!!放せこらてめえ!!」

 

「少なくともボクと碧はあんたのコト怒らす気は無かってん!」

 

「あいつを斬らせろ!!斬らせろっ!!」

 

「碧も草鹿副隊長見つけたみたいやし、ほんなら妹さんによろしゅう」

 

 

市丸ギンは碧のもとへと更木を連れて向かった。

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

父ちゃんと久しぶりに会ったあの日からギンはボーっとすることが多くなった。今のところ何も支障は出ていないけれど、これからもそうとは限らない。

 

 

「だからギン、なにかあるならちゃんとボクに相談…」

 

「………」

 

「ギン」

 

「………」

 

「ギン!」

 

「………」

 

「…人の話ぐらい聞けよ!!」

 

「うわっ!?なんやねん!急に大声出さんで!?びっくりするやろ!」

 

「何度も名前呼んだわ!ボーっとするな!いつか死ぬよ!?」

 

「すまん、ちょっと考え事しとってな」

 

 

ボクは「はぁ」とため息をつく。

 

 

「これからは気を付けるから安心してな」

 

「当たり前。逆にしなかったらボクが一回痛い目に合わせるところだよ」

 

「それ、本人の目の前で言うか?普通」

 

 

ボク達は“いつもの日常”を送っていた。今現在だって吉良から逃げて歩いている。最近は瀞霊廷内で逃げているとすぐにバレるので流魂街まで行って逃げているのだが…。

 

大きな霊圧。それをボクらはすぐに察知した。

 

 

「…白道門の方やね」

 

「どうする?」

 

「行こか。どうせボクら暇やし」

 

「だね。旅禍かな」

 

 

ボク達は白道門の方へと向かった。白道門につくと兕丹坊が旅禍に白道門を開けていた。話を少し聞くと兕丹坊は旅禍に負けたらしい。

 

 

「へぇ。負けたんだ、兕丹坊」

 

「負けたらあかんやろ、門番」

 

「負けたのに門開けちゃってるね」

 

「…始末せな、あかんね」

 

「だね」

 

 

話が纏まったボクらは一気に霊圧を解放する。ボク達の霊圧に気づいた兕丹坊は顔を真っ青にさせ、汗を流していた。

 

 

「誰だ?」

 

「さ…三番隊隊長…市丸ギン…そして、市丸…碧……!?」

 

「あァこらあかん」

 

 

兕丹坊の首横を光の速さで何かが通る。

 

 

「…あかんなぁ…門番は門開けるためにいてんとちゃうやろ」

 

「負けた門番の末路、解ってるよな?」

 

 

兕丹坊の片腕が民家の屋根まで吹っ飛ぶ。兕丹坊の腕からは血が吹き出す。それでもなお、兕丹坊は片腕で白道門を支え続ける。

 

 

「うっわ!!片腕でも門支えてるよ」

 

「サスガ尸魂界の豪傑。けどやっぱり門番としたら失格や」

 

 

ニコニコといつもの表情でボクらは言う。兕丹坊は汗をダラダラと流しながら言った。

 

 

「…オラは負けたんだ…負げだ門番が門を開げるのは…あだり前のこどだべ!!」

 

「――何を言ってるの?わかってないねぇ」

 

「負けた門番は門なんか開けへんよ。門番が“負ける”ゆうのは“死ぬ”ゆう意味やぞ」

 

 

ギンの霊圧がドンと上がる。ギン、完全に遊んでるな…。ボクは思わず「はぁ」とため息をついてしまう。旅禍はギンを斬るつける。しかし、ギンは防ぎ怪我はなしだ。当たり前か。

 

 

「兕丹坊と俺たちの間でもう勝負はついてたんだよ!それを後からちょっかい出しやがってこのキツネ野郎×2!」

 

「…………」

 

 

旅禍は後ろにいた女に話しかける。

 

 

「…井上、兕丹坊の腕の治療たのむ」

 

「あ…はっ、はい!」

 

 

旅禍は斬魄刀を構えるとギンに言った。

 

 

「来いよ。そんなにやりたきゃ俺が相手してやる。武器も持ってねぇ奴に平気で斬りかかるようなクソ野郎は…俺が斬る」

 

「ふっ、面白い子だねギン。ボク達に喧嘩売ってきちゃったよ。旅禍の分際で」

 

「せやね。おもろい子や。ボクらが怖ないんか?」」

 

 

ギンが旅禍に問うとさも当然と言うように「全然」と言った。

 

 

「もうよせ、一護!!」

 

 

――一護…?

 

――萱草色の髪に…身の丈ほどもある大刀…

 

――そうか…

 

 

「キミが黒崎一護か」

 

「!知ってんのか俺のこと?」

 

 

ボク達は後ろへ後ろへと歩く。黒崎一護との間合いを伸ばしているのだ。

 

 

「この反応彼が黒崎一護で確定じゃん」

 

「あっ!?おい!何処に行くんだよ!?」

 

「ほんなら尚更…ここを通すわけにはいかんなあ」

 

 

ギンは斬魄刀を構える。

 

 

「何する気だよそんな離れて?その脇差でも投げるのか?」

 

「脇差?ギンの斬魄刀が?……笑わせないでよ」

 

「脇差やない。これがボクの斬魄刀なんや」

 

 

ギンは右足を後ろに引き右手で持っていた斬魄刀を前に出す。左手を前に自分を抱き締めるようにすると解号を呟いた。

 

 

射殺(いころ)せ『神鎗(しんそう)』」

 

 

ギンの斬魄刀『神鎗』の刃が伸びる。黒崎一護は咄嗟に自分の斬魄刀で受け身を取るが神鎗によって兕丹坊と共に門の外へと出されてしまった。

 

 

「「バイバ――イ♡」」

 

 

門が落ちてきて黒崎一護は見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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