if物語 市丸ギンの息子   作:フ瑠ラン

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フーハッハッハ。誰が市丸ギンが主人公だと言った?主人公は市丸ギンの息子さ!!


市丸碧

ボクの父ちゃんは数々の死闘を繰り広げた凄い死神だ。母ちゃんがボクを産む前から父ちゃんの体は段々弱っていったらしい。少しやんちゃんし過ぎたんだって。そんなお茶目な部分のある父ちゃんだけど、それでもボクは父ちゃんを誇りに思うし、尊敬だってしている。

 

父ちゃんは昔沢山のやんちゃをしたらしい。そのせいで死神の住む世界、尸魂界を追放されちゃってて今は現世にボクと父ちゃんは住んでる。時々死神の仕事を休んで母ちゃんも来てくれるし俺にとっては楽しいからなんとも思ってない。

 

尸魂界に行きたいか、と聞かれるとボクは首を振って行きたくない、と答えるだろう。滅多に会えない母ちゃんに会いたい気持ちもあるけど、尸魂界を追放された、ボクよりも母ちゃんに会いたいと思ってる父ちゃんを置いてまで尸魂界に行きたいとは思わない。ボクは重度の父ちゃんっ子なんだ。

 

 

「ごらぁ!!食材持ってきてやったで!出てこんかい!チビすけぇ!!」

 

「こんちわ、ひよ里さん」

 

 

食材をいつも買って持ってきてくれるのは猿柿ひよ里さん。ひよ里さんの知り合いが昔父ちゃんの上司をやってたらしく、ひよ里さんがちょくちょく見に行けと言われたらしく月に1回ボク達の家に来てくれる。

 

ひよ里さんは1ヶ月に1回、1ヶ月分の食材を持ってきてくれる。ひよ里さんが来る前はボクが買い出しとかしてたんだけど、ひよ里さんはそれを知ると「子供が買い出し?なんや、ええ子ぶっとんのか!子供は外で元気よく遊ぶってのが仕事やろ!買い出しなんかしとる暇あったら父ちゃんの為にも友達の1人や2人作ってこんかい!!」と言って食材を持ってきてくれるようになった。言葉は厳しいがひよ里さんは優しいのだ。

 

 

「どうや、お前のヘタレ父ちゃんは」

 

「父ちゃんはヘタレじゃないよ!今は寝てるけど」

 

「餓鬼1人の面倒も録に見れとらんのや。ヘタレや、ヘタレ。…まあ、お前の父ちゃんは凄いと思うで。母ちゃんの為にあそこまでやったんやから」

 

「父ちゃんは凄いんだ!!」

 

「…お前、分かっとらんやろ」

 

 

ひよ里さんはボクを呆れたような目で見ると「まあヘタレな父ちゃんに早起きでもしろ、って言っとき。ウチはもう帰るわ」と言って帰ってしまった。父ちゃんの顔いつも見ないで帰るけどいいのかな…?

 

1人になったボクは父ちゃんの部屋へと行く。部屋に入る前にノックすれば「入ってええよ」と声が聞こえた。部屋に入ると布団から起き上がった父ちゃんがニコニコと笑って「おはようさん」と声をかけてきた。ボクも笑顔で「おはよう!父ちゃん!!」と返した。

 

 

「ひよ里はん来てくれはったんやろ?ボク起こしてくれてもええ言ったやんか」

 

「だめ!昨日も夜遅くまで干し柿作ってたんだから寝てていいの!」

 

「別に起こしてもええんやで?ボクが夜遅くまでやってたんのがいかんとやから…。まあ、それが(アオイ)の優しさやな」

 

 

(アオイ)”とはボクの名前だ。父ちゃんが色の名前だからボクの名前も色にしよう、と言う話になり一時期は「キン」とかそんな名前になりそうだったのを母ちゃんの上司とかが色々止めてくれたらしい。で色々と喧嘩とかがおきたらしいけど父ちゃんの昔の上司さんが「碧とかどうや?」と言ってくれたらしく碧で落ち着いた。

 

名前を決める話とかよく母ちゃんがよく話してくれるけど、聞けば聞くほど変な名前が多かったから碧でよかったと思う。昔の上司さんに感謝、感謝。

 

 

「ボク、父ちゃん大好きだから沢山寝てて欲しいんだよ」

 

「ハハハッ嬉しいこと言ってくれるなぁ碧は。ボクも碧のこと大好きやで」

 

 

ボクは父ちゃんの影響を沢山受けている。一人称だってそうだ。父ちゃんが自分のことを「ボク」って言ってたからボクも真似して「ボク」って言い始めたし、笑顔とかもよく似てるって母ちゃんに言われる。産まれた時からボクは父ちゃん似だったらしいけど歳をとるごとに更に似てるって言われる。父ちゃんに似てくることはボクにとって凄く嬉しいことだ。

 

 

「いつもよりたくさん寝てたみたいだけどどう?」

 

「うん、いつもよりなんか体軽い感じするわ。折角やから朝ごはんボクが作ろうかなぁ」

 

「えっ!?ホント!?」

 

「ええよ、朝ごはんぐらい作ったる」

 

 

朝ごはんとかはボクの方が早起きだからいつもボクが作る。父ちゃんが作ってくれることは珍しいし、父ちゃんの作る料理は美味しいから好きだ。

 

 

「ふっふっふ。善きにはからえ」

 

 

ボクのセリフを聞いて苦笑いする父ちゃんにボクは「それでいいのだよ、市丸君」なんてふざけたことを言う。

 

 

「どう言うキャラやねん、それ」

 

 

父ちゃんも笑ってくれたしよしとする。

 

 

「よし、朝ごはん作ろうか」

 

「ボクも手伝う!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方はこの世界が全てだと思いますか?

 

――アタシはそうは思わないねェ。

 

貴方は眼に見えている全てが真実だと思いますか?

 

――眼に見えてるものが全て?そんなのふざけるなよォ。

 

もしも貴方の身の回りで生きていたヒトが本当は生きていなかったとしたら?

 

――それはそれで面白いんじゃないのかなァ?

 

 

…さあ!これから楽しいshow(ショー)が始まるよォ!!楽しんでもらえるかなァ?市丸碧クン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

 

「碧、お前友達居るんか?」

 

 

ギクリと自分の肩が跳び跳ねるのが分かった。朝ごはんを食べているとき、父ちゃんにそう訪ねられボクは返答に困る。はっきり言ってボクは周りの人間と深く関わりを持たなかった。理由は特にない。家事業が忙しかった、と言われればそうかもしれないし、人間と関わりたくなかった、と言われればそうかもしれない。

 

ボクが家を出るときは限られた時であって、それ以外はずっと家にいる。だから生まれてから友達、なんてものを作ったこともなかった。

 

 

「少し家の周り散歩でもしてきたらどうや?なにか新しい出会いっちゅうもんがあるかもしれへんで」

 

「うん、分かった」

 

 

父ちゃんはボクに口煩く言うことは少ない。少なくともボクがしっかりしてるからだと思う。けれど父ちゃんもやっぱりボクの人間関係のことは気になるようでちょくちょく聞いてきたりするのだ。家の周りを散歩して何か変わるかどうかは分からないけれど、父ちゃんを心配させないためにも散歩ぐらいはしようと思う。

 

朝ごはんを食べきるとボクは靴を履いて散歩に出掛けた。

 

 

「行ってきます」

 

「うん、行ってらっしゃい。周りちゃんと見るんやで」

 

「うん」

 

 

和を想像させるそこそこ大きい家を出てボクは散歩する。ボクの住んでる街は死神代行やら元死神やらが住む面白い街だ。…と言っても、ボクはひよ里さん以外会ったことないんどけどね。

 

歩いていると通りすがりの人とぶつかってしまった。

 

 

「あっ、すいません!!」

 

「だいじょォぶ。アタシ怪我してないよォ」

 

 

朱い髪を高く2つに纏め、右側には鬼のようなお面をつけた高身長の女性がボクを見下ろしていた。

 

 

「んー。ぶつかってしまったお詫びだァ。キミはshow(ショー)は好きかィ?」

 

「ショー?…見たことはないですけど…」

 

 

突然そんなことを聞かれるためボクはしどろもどろになりながら答える。ボクの返答を聞いた女性は嬉しそうに手を叩くと「じゃァアタシが楽しいshow(ショー)を見せてあげるよォ!!」と言った。

 

 

「え?」

 

 

「何を」とまでは言えなかった。急にボクが眩しい光に包まれたからだ。慌てるボクに女性は手を振りながら言った。

 

 

「バイバァイ!市丸碧クン!!」

 

 

初対面の女性。何故ボクの名前を知っているのか。この光はなんなのか。聞きたいことは沢山あった。だけど聞く前にボクは意識を手放した。

 

 

原作(真実)を知った彼がどンな行動に出るのかァ。楽しみだなァ」

 

 

女性はそう呟くと白いコートを翻し、消えた。もう、碧の姿も見えなく碧に女性の呟きが聞こえることもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

「なんや?こんなとこに倒れとって。どないしたんやろ?」

 

 

父ちゃんに似た、そんな声が聞こえた気がした。

 

 

「ん…むぅ……」

 

 

目を開けると眩しい光が見えた。視界が段々クリアになってくるとよく周りが見えるようになり、状況確認が出来るようになってきた。

 

和式の部屋にポツンとボクの入った布団が1つ。部屋には家具とかは少なくて、端に机と小さいタンスが1つあるくらいだ。

 

サッと襖が開けられる。襖を開けたのは銀髪で、糸目で、身長もボクと変わらないぐらいの父ちゃんに似た、人物だった。その人は片手で小さなかごを持っていてよく見ると中に沢山干し柿が入っていてそこからまた父ちゃんを連想させる。

 

 

「おっ、目ぇ覚ましたんやな」

 

 

「どうや?体の調子は」と京都弁で聞いてくる銀髪さん。

 

 

「え、えっと…」

 

「アンタ、ウチの目の前で倒れてたんやで?とりあえず家にいれたんや。まあ気絶しとっただけみたいやから大丈夫だとは思うけどなぁ」

 

「大丈夫です。わざわざありがとうございます」

 

「しっかりしとんなぁ。ボクと同じぐらいやろ?歳」

 

 

「た、多分…」と頷くと銀髪さんは笑って「そない警戒せんでもええよ」と笑った。

 

 

「名前、なんや?」

 

「市丸…碧」

 

 

ボクが名前を言うと銀髪さんはピクリと片眉を動かした。何か悪いことでもボク言っただろうか?

 

 

「偶然も有るもんやなあ」

 

「え?」

 

「ボクの苗字も“市丸”なんや。市丸、市丸ギンっちゅう名前。ボクの名前も色の名前やし色々共通点あるな」

 

 

色々と驚いた。え?今「市丸ギン」って言った?もうしかして父ちゃんとかじゃないよね…?で、でも父ちゃんはボクと同じぐらい歳なわけないし…。他人のそら似?嫌々、似すぎでしょ。似すぎだって。可笑しい、めっちゃ可笑しいって。

 

 

「ここ、どこか分かるか?自分家どこにあるか分かるか?」

 

「えっと……」

 

「その顔は分からんみたいやな。ま、ええで。好きにここいたらええよ。ボク1人で飽き飽きしとったんや」

 

 

話の流れでここに住むことになってしまった…。まあここがどこか分からないボクにはありがたいのだけれど。

 

 

「とりあえず…よろしくお願いします?」

 

「何で疑問系なのかは分からんけど、まあこれから宜しゅう頼むわ。アオイ」

 

「うん…ギン」

 

 

こうしてボクはギンと一緒にこの家に住むことになった。まだ何が何だか分かってない状況だけど、とりあえずここでギンと一緒にこの場所のことについて色々と知って理解していこうと思う。

 

まあ、早めに父ちゃんのところに帰らないと心配してると思うから帰る手段も探しながら。

 

 

 

 

 

 

 

何故だろう。ここに来てからと言うもの、自分のナニカがずっと警鐘をならしている。まるで見るな、関わるな、と言っているかのように。

 

ボクはそれに気づかないフリをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【設定】
名前:市丸(アオイ)
性別:男
容姿:
髪色→銀髪
目の色→瑠璃色
基本の服装→深緑色のした甚平
大体八歳ぐらいの姿
斬魄刀:不明
始解:不明
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