if物語 市丸ギンの息子   作:フ瑠ラン

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番外編②

碧の名前を考えるエピソード。


子供の名前

あたしの中に子供がいることが判明したのであたしは産休をとってギンのいる現世へと来ていた。

 

 

「うわぁ、大分腹大きくなっとるな」

 

「そうね。何回もお腹蹴られたりするのよ」

 

 

あたしがお腹を擦りながら言うとギンは「乱菊と同じで活発なんやね」と言った。どういう意味よ、そう聞こうとしたらあたしの伝令神機がなった。電話である。

 

 

「はい、松本です」

 

 

「あたし産休取ったんですけど」と言ったら隊長の怒声が聞こえた。

 

 

『産休届け出してねぇだろ!早く出せ!!』

 

 

ついうっかり。産休届けを隊長に出すの忘れてたわ。あたしはきっと机の上に置きっぱなしとなっている産休届けを出すため、穿界門を通ろうとしたらお見送りに来たギンが「あんまり走ったりしちゃあかんで」と言った。

 

あたしはそれに「わかってるわよ」と返した。

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

「…ちゃんと受け取った。ったく…」

 

 

隊長があたしを睨み付けて来るのであたしは視線をずらす。

 

 

「あ、そう言えば隊長」

 

「…なんだ」

 

「この子の名前何がいいと思います?男の子何ですけど」

 

 

あたしはお腹を擦る。隊長はあたしのお腹を凝視したかと思えば「それは俺じゃなくて市丸に聞くことだろ」と言った。

 

 

「ギンに聞いたら(みだれ)がいいって。絶対性別勘違いしてるわ」

 

「………」

 

「あたし的にはキンかシロガネがいいと思ってるんだけど全部ギンが却下しちゃって」

 

 

あたしが頬をふくらませながら言うと隊長は真剣な表情で「松本」とあたしの名を呼んだ。

 

 

「名前は市丸に決めさせろ」

 

「それどういう意味よ!!」

 

 

近くにあったクッション隊長にを投げてあたしは走って隊舎を出た。

 

 

「…。松本ォ!走るんじゃねぇ!!」

 

 

隊長の怒号を聞いてあたしは慌てて走るのを止めた。ふぅ、ナイス隊長!

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

「絶対いいと思うんだけどなぁ」

 

「何がだい?」

 

「あ、京楽隊長。またサボりですか?七緒に怒られますよ」

 

 

あたしがそう言っても京楽隊長はヘラヘラと笑って「産休取ったんじゃないの?」と聞いてきた。

 

 

「産休届け出し忘れちゃって」

 

「ああ、それでわざわざ出しに来たのね。大変だねぇ乱菊ちゃんも」

 

「そうなんですよ!隊長ホント五月蝿くて」

 

 

「まあ何気に優しいですけど」とあたしが言うと「意外と周り見てるよねぇ日番谷くんは」と京楽隊長は言った。

 

 

「早く雛森とくっつけばいいのに」

 

「早く雛森ちゃんとくっつけばいいのに」

 

 

言った事が被ったあたし達は笑った。

 

 

「お腹子供いるんでしょ?名前決めちゃったりしてるの?」

 

「それがあたしの言う名前全部却下されちゃうです」

 

 

京楽隊長はあたしの言葉を聞くと苦笑いになって「じゃあまだ決まってないんだ」と言った。

 

 

「美月とかどうだい?きっと可愛い子に育つよ」

 

「隊長、乱菊さんのお腹の子は女の子ではなく男の子です」

 

「な、七緒ちゃん……」

 

 

音もたてずに現れたのは伊勢七緒。七緒は眼鏡を光にキランと反射させると一瞬で京楽隊長を縄で縛った。

 

 

「書類は溜まりに溜まっています。さぁ、帰りましょう」

 

「えっ、ちょっ、七緒ちゃん!?」

 

「…七緒また腕をあげたわね…」

 

 

七緒はあたしに「ではお大事に」と言って京楽隊長を連れて消えてしまった。

 

 

「……女は怖いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「あっ!!らんらんだぁ!!ほら、ひなもん早く走って!」

 

「ま、待ってください…!」

 

 

前からドドドと音を発てて走ってくるのはやちると雛森。やちるはあたしの目の前まで走ってくると「わぁ、ホントにお腹おっきいよひなもん!」と言ってあたしのお腹に耳をあてていた。

 

 

「ほ、ホントだ…。確か男の子だったんですよね、乱菊さん!」

 

「ええそうよ。あたしの予想では絶対にギンに似ると思うのよね」

 

 

あたしがそう言うと雛森は「なんだろう。私もそんな気がする…」とあたしの言葉に頷いた。

 

 

「あっ!!今お腹蹴ったよ、らんらん!!」

 

「ええ、そうねやちる」

 

「凄いね!!」

 

 

やちるの笑顔に癒されたような気がした。

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

「名前。うーん、名前、ねぇ」

 

「なんや。そない悩んで。はよ止まらな看板に当たるで」

 

「うわっ!!」

 

 

名前のことで悶々と考えていたら目の前に看板があった。危ない。危うくぶつかるところだった。

 

 

「ありがとうございます、平子隊長」

 

「別にええよ。あ、そう言えば結婚オメデト。すまんね俺行けんくて」

 

「いえ。雛森の仕事代わったって聞いたし一応お祝いの品も貰いましたし別に」

 

 

あたしがそう言うと「一応ってなんや、一応って」と軽く頭を叩かれた。

 

 

「で、なんか悩みおったけど何に悩んどったんや?あ、もうしかして離婚か?離婚の危機か?」

 

 

あたしは無言で平子隊長の脛に蹴りを入れた。

 

 

「いっっった!!何すんねん!ちょー痛いわ!!」

 

「離婚とかしないですよ!何縁起の悪いこと言ってくれてるんですか!!」

 

 

「名前考えてたんですよ、な・ま・え!!」とあたしはふくらんだ自分のお腹を指差して言った。

 

 

「平子隊長はキンとシロガネ、どっちがいいと思います?」

 

「…いや、どっちもあかんやろ」

 

 

「それだけは子供の為にもやめておいた方がええで」と真顔で言われてしまった。

 

 

「えー。そうですか?んー、じゃあどうしよ」

 

「どないな名前がええんか?」

 

「ギンが色の名前だからこの子にも色の名前をつけてあげたいんです」

 

「なら、碧ってどうや?」

 

 

「“あお”って色の名前も入ってるやろ」と平子隊長は言った。

 

 

「あおい、アオイ、碧…。平子隊長、それに決定!!」

 

「うおっ、急に大声出して…ってもうおらん」

 

 

早くギンに教えてあげましょ!

 

こうしてあたしのお腹の中に入っている子は“碧”となった。

 

 

 

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