if物語 市丸ギンの息子   作:フ瑠ラン

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いつの間にか五人の人がこの小説を評価してくれていたようで…ありがとうございます!

なんだろ、凄くやる気わいてくる!!これからも宜しくお願いします!!


平子真子の悩み

「あー、もうイラつくわぁ!!」

 

「どうしたんですか?そんなに怒っちゃって」

 

「喜助、俺とんだじゃじゃ馬部下持ったみたいやわ」

 

 

藍染が側にいないことをいいことに俺はサボっていた。十二番隊の隊長浦原喜助とはそこそこ仲がよくこうして時々サボっては顔を出したりしていた。

 

 

「ああ、噂の『神双』って言う二人組ッスね?ボクも噂でしか聞いたことないッスけど、そんなにじゃじゃ馬なんスか?」

 

「あんなのただの餓鬼やで。静かに休憩しとるなぁ思うたら俺の隊首羽織を布団がわりにしとったり、すぐ甘いもん要求してくる。あれは餓鬼や餓鬼」

 

「…やっぱりこう言うものは噂じゃ分からないものッスね」

 

 

――情のない残忍な二匹の蛇

 

――本当は実力なんてなくて金でもつぎ込んだのではないか

 

――どこかの死神の手柄を横取りしたのではないか

 

 

裏で言われたい放題をしているギンと碧。そんな奴見つけたら俺はちゃんとした真実を教えてやっとる。が、こんな悪い噂程中々消えないのだ。

 

 

「金でもつぎ込んだ、なんてアホらし。そもそもアイツら流魂街出身やのにどうやってつぎ込むねん。金なんか持っとらんわ。それにつぎ込まれてもこっちは腐るほど持っとる。そんなに要らんわ」

 

「えぇーボクとしては研究費とか諸々かかっちゃうんで欲しいッスけどね」

 

 

「って言うかその腐るほど持ってるお金ボクにもわけてくれません?」なんて言う喜助の頭を俺はおもいっきり叩いた。

 

 

「えーと確か市丸サンと碧サンでしたっけ?」

 

「ん?それがなんや?」

 

 

突然あの餓鬼達の名前を出してきた喜助は「あの二人って容姿とても似ているんでしょう?見分けつくんですか?」と聞いてきた。

 

 

「これが意外に結構つくもんやで。なんちゅうか…碧とギンには上下関係みたいなもんができとってな」

 

「上下関係?」

 

「無意識やろな。なんか碧がいっつも下手に出てる感じや」

 

 

そないなところを見てると、なんだか危なっかしく思うんや。碧がいつかギンの盾になって死んでしまいそうで、目が離せん。

 

 

「あ、平子サン」

 

「なんや?」

 

「隊首羽織に…涎、ついてますよ」

 

 

喜助が指差したところを見ると確かに涎だと思われるシミが2つほどついていた。俺はそれを見て叫ぶ。

 

 

「……あのくそ餓鬼共ォォオオ!!」

 

 

明日、隊首会あるのにどうしてくれるんや!!

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

「…こっちにはおらん」

 

「こっちも」

 

 

ボクとギンはロン毛こと平子隊長を探していた。藍染は虚討伐とかなんとかで五番隊を留守にしており、平子隊長のサボりを監視する人がいなくなってしまった。

 

それに藍染からの言い付けで『平子隊長の監視と見張り頼むよ。すぐに帰ってくるから』と言われてしまった。しかしあんなお転婆ロン毛をずっと見張ることはできず少し目を離したすきに消えてしまっている。今慌ててギンと探している状況だ。

 

 

「どないしよ。これ絶対ボクら怒られてまうで」

 

「…マジどこ行ったんだあのくそロン毛」

 

「口、悪ぅなってもうてるって」

 

「ついうっかり」

 

 

ギンに口の悪さを指摘されやめる。そもそももういい歳した大人なんだからサボるなよ。子供に探させてどうするんだ。隊長として失格じゃね?なんて怒りを持ちながらも探すこと数十分。十二番隊の周りをウロウロしているとひよ里さんにあった。

 

……ひよ里さん、死神やってたんだ…。なんか意外。前ひよ里さんは死神が嫌いだと言っていた。そんなひよ里さんが黒装束を身に纏っているところを見るとなんだか新鮮に思う。

 

 

「こないなところで何しとんのや」

 

 

「確かシンジのところに新しく入ってきた奴やろ?」と聞かれボクらは頷く。

 

 

「市丸ギン言います。どうぞこれから宜しゅうお願いしますわ」

 

「市丸碧です。よろしくお願いします」

 

 

名前を言って一礼するとひよ里さんは一言。

 

 

「なんやお前ら礼儀正しい奴らやな!!ウチそう言うの嫌いじゃないで!!」

 

 

「猿柿ひよ里や。シンジのことで困ったことあったら遠慮なくウチに言い。成敗してやるわ!」と笑って言ってくれた。ボクとギンは顔を見合わせる。そして頷いた。

 

 

「ん?なんや?なにかあったんか?」

 

「今、隊長何処に居るか知っとりますか?サボって消えはったんですよ」

 

「お陰でボクらほとんど瀞霊廷歩き回ってしまって…」

 

「アイツ…!!」

 

 

 

ひよ里さんはワナワナと肩を震わせると「ついて来ぃ。ウチが案内してやるわ」と言って歩き始めた。

 

 

「居場所分かるんですか?」

 

「瀞霊廷探し回って居らんかったのやろ?」

 

「後は十二番隊の周りだけやで。探しとらんの」

 

「だったらここにしかおらんわ。アイツ…友達おらんからな」

 

 

ひよ里さんはズカズカと隊舎に入ると真っ直ぐ隊首室を目指した。隊首室のドアの目の前で足を止めたかと思うと――ドアをおもいっきり蹴飛ばした。

 

 

「おいコラシンジ!!なに部下に迷惑かけとんねん!!アホか!!死ね!!」

 

「あら、ひよ里サン。お帰りなさい」

 

 

クリーム色をした髪の男の人の横にはボクらの隊長平子真子が座っていた。ひよ里さんは隊長の胸ぐら掴むとグワングワンと前後に揺らし言う。

 

 

「お前も隊長なんやろ!!仕事ぐらいサボらずにやれ!だから部下に呆れられるんやろ!!」

 

「はあ!?呆れられとらんわ!俺だってな少し休息が必要やねん!ずっと働き蟻のように働いてられるか!!」

 

「なにが休息やねん!そんなマトモな言葉で取り繕うとしても無駄やハゲ!!」

 

「ハゲとらんわ!チビ!!」

 

 

マシンガンのように悪口の言い合いをしていくひよ里さんと隊長を遠目で見ているとクリーム色が話しかけてきた。

 

 

「どうも。十二番隊の隊長を勤めさせてもらってる浦原喜助ッス。宜しくしてもらえるとありがたいッスね」

 

「「……胡散臭」」

 

「…酷い!」

 

 

思っていたことが思わず声に出てしまった。どうやらそれはギンも同じのようで声が重なる。ボクらは顔を見合せると笑った。

 

 

「ぷぷー!!喜助!お前嫌われとるな!!」

 

 

笑っている隊長にボクは「安心してください、隊長。ボクらもそんな隊長好きじゃないですから」と言った。すると隊長は「なんやて!!どう言う意味や!!」と言ってきたので「そのまんまの意味ですけど?」と返しておく。すると横から「ちゃっかりボク巻き込まんといてよ」とギンが言ったがボクは聞こえていないフリをした。

 

 

「お前、入隊してまもないコイツらにそんなこと言われるなんてもう信用がた落ちやんけ」

 

 

呆れた目で呟くひよ里さん。ひよ里さんの言葉を聞いてギンが口を開いた。

 

 

「ボクはそんなこと言っとらんで」

 

「…ギン……!!」

 

「ま、好きか嫌いかで言われたら嫌いやけど」

 

 

上げて落としたギンはかなり性格が悪いと思う。そんなギンを見てボクらのような胡散臭い笑みを更に深くしているこの浦原って言う人は更に性格が悪い。

 

 

「嘘や嘘。本当はそないなこと思っとらん。だからそんなに泣かんで。ええ年頃なんやから」

 

「な、泣いとらんわ!!アホ!!」

 

 

「帰るで!!」と大声を出して先に行ってしまった隊長を見て慌ててボクらはひよ里さんと浦原(呼び捨て)に一礼をし、追いかける。

 

そんな姿を見て浦原がボソリと言った。

 

 

「…なんだか、親子みたいッスねぇ」

 

「あれがか?」

 

 

ひよ里の疑問に浦原は「ええ」と言った。

 

 

「なんだかんだ平子サンも好かれているようですし、ボクらは研究を進めようとしましょう」

 

「ウチ、手伝わんからな」

 

 

ひよ里の言葉に浦原は土下座をして頼み込みひよ里から冷たい目で見られるのは数分後の話。

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

瀞霊廷と流魂街は違う。その為、ボクとギンに慣れないことが沢山あった。例えば――。

 

 

「なんやお前ら。ほんまにもう食べへんのか?」

 

「うん。お腹いっぱい」

 

「ボクもや」

 

 

食事の量、とか。ボクもギンもかなり草食な方なので食べるという概念がそんなにない。昔乱菊に食べなさすぎると怒られたこともあった。

 

流魂街にいるときは生きるのに必死で食事の調達なんか自給自足だったからそんなに多く食べれない。そんな流魂街とは違い瀞霊廷では沢山ご飯が出てきた。その為、ご飯なんか半分も食べきれずダウンしてしまう。

 

残すのももったいないので平子隊長にあげようとするのだが中々平子隊長は受け取ろうとしない。嘘じゃなくて本当にお腹いっぱいなのに。

 

 

「食べな背大きくならんで」

 

 

ボク達の前に置かれていた丼を食べながら平子隊長は言った。ボク達、食が細いからこんなに小柄なのかな?

 

多分こんなところは父ちゃんに似たんだと思うけど。父ちゃんいつも母ちゃんに「あんた身長と体重の比率がおかしいのよ!!」なんて言われて怒られていたこともあったし。……うーん、やっぱり父ちゃん似か。

 

 

「よくそんなに食べれるよね」

 

「よく太らんなぁ」

 

「俺はお前らとは違って働いとるからな」

 

「「それ、あんたが言えん」」

 

 

平子隊長はよく食べるけど太ってもいないし細過ぎてもいないちょうどいいぐらいの感じの人だ。身長もそこそこ高い方だし少し羨ましい。ちなみに父ちゃんはもっと高かった。

 

 

「お前ら流魂街時代なに食いよったんや」

 

「よく食べてたのは……」

 

「干し柿やね。あれは美味しい」

 

「それ、腹に溜まるか?」

 

 

「意外に溜まるんや、これが」というギンの言葉にボクは頷く。平子隊長は怪訝そうな目でこっちを見てきている。嘘じゃないって、本当だって。

 

結論から言うと平子隊長は約二人前を食べた。…よく食べるなぁ、この人。

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

「平子真子よ。その隊首羽織についておるシミはなんじゃ」

 

 

とある隊首会。総隊長に聞かれ俺は冷や汗を流す。総隊長は隊首羽織を何故か大事にしとるからシミとかがついとると五月蝿いんや。

 

 

「わあ、ホントだ。2つほどついてるねぇ。…涎かい?」

 

 

「ボクもよく枕にするんだ」と言う京楽に「アホか」と言う。

 

 

「うちの餓鬼共が布団がわりにしょった。お陰でこの様や」

 

「ん?平子結婚なんてしていたか?猿柿との間にできた子供か?」

 

「ちゃうわ!!て言うかなんで相手がひよ里やねん!…新しく入ってきた奴や。二人おってな、これがとんだじゃじゃ馬で……」

 

「ほう、会ってみたいな」

 

 

浮竹がにこりと笑う。アイツ餓鬼好きやからな。全く餓鬼のどこがええんか…。

 

 

「ぺいっ!!」

 

 

この後すっごく総隊長に怒られた。勿論、隊首羽織を枕として使ってるなんてカミングアウトをした京楽と共に。

 

 

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