我々の求めたメカゴジラ   作:ごくごく普通の怪人

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中盤です(早い)
あと1話で終わるかと。
あっという間ですね(そりゃ3話だからそうだろうな)
メカゴジラホントに好き。もうダメ。



起動

メカゴジラは起動した。

あと僕がするべきことは......そうだ。

メカゴジラを、ゴジラと戦わせることだ。

......だがまあ、よく考えてみてほしい。

ゴジラは本当に、無差別に生物を襲っているのだろうか?

そうなら、あそこまで徹底的に人間達を襲ったりするだろうか...?

僕は、1つの結論に至ったんだ。

 

「もしかしたら、ゴジラは敵と認識したもの全てを焼き付くそうとしているんじゃないのか」

 

ってね。

まさに破壊の化身。神の権化。

考え方は悪くない、と思った。

ん?何が言いたいのかって?

ああ、大事なことを言い忘れていたね。

メカゴジラは、あれだけの脅威だ。

それを......ゴジラが、易易と見逃すと思うかい?

つまり、要点を掻い摘んで言うと────

 

「ゴジラは自分からメカゴジラを倒しに来る」

 

そう、僕は結論を出したわけだ。

だがまずは修復をしなければね。

いくらメカゴジラとはいえ、その力を過信するつもりは無かった。

何があったとしても大丈夫なように、万全の状態で挑みたかった。

 

まずはさっきも見かけた、背部ブレードの修復。

あと八割しか残っていない制御ブロックを、2割復活させること。これはナノメタルの応用でなんとかなる。

ちなみにここは既にメカゴジラのAIの仕事なので、僕に出番はない。

だから、僕は外の空気を吸うことにしたんだ。ずっと画面と向かっていたからね。疲れを癒そうとしたわけだ。

プラントの外の眺めはそう悪くなかった。

......あれが見えなければ。

 

僕の見間違いでなければ、それは確かにゴジラだった。

しかも、こっちを向いていた。

僕の視力は2.0だ。点のように小さかったけど、それでもそれはゴジラだった。

僕は急いで中に戻った。

ゴジラが刻一刻と迫る一方で、メカゴジラの修復は悠々と、ゆっくり進んでいる。

......このまま見過ごせると思うかい?

 

当然のごとく僕はナノメタルの増殖制限を解除した。何もかも、取り込む。そして、驚くようなスピードで修復し、それは尾を立て始める。

 

「メカゴジラが、起動する.........」

 

それは本当の意味での起動だった。

そうさ。

電源を入れただけで、メカゴジラを動かさない......なんてのは起動なんかじゃない。

メカゴジラとしての役目を果たしちゃいないからね。

そうして起動したメカゴジラは、崩れた天井の隙間からゴジラの姿を見つけたのかもしれない。突然、ナノメタルの散布を始めたんだ。

そのナノメタルの粒子はプラントを覆う繭のように広がり、ゴジラが青く光っているのが辛うじて見えた。

 

「熱線、か」

 

僕はもうダメなのかもしれない、なんて間抜けなことは一切思えなかった。

メカゴジラが散布していたのはなんだったかな?

直後、大きな振動が辺りに満ちた。

 

あまりの振動に目こそ瞑ってしまったが、僕がそのまま目を開けない...なんてことは無かった。

僕も、メカゴジラも。

このプラントでさえ、無傷だったんだ。

 

そう。

これこそが、ナノメタルの力。

これこそが、メカゴジラの、スペック。

......だが侮るなかれ。

この程度じゃないさ。

メカゴジラの力は、ね。

 

熱線を跳ね返したメカゴジラは、気がつけば収束中性子砲の発射シークエンスに入っていた。

頭部は機械とは思えないほどに複雑に変形し、メカゴジラのお馴染みの口が大きな砲口に変わっていた。

 

ゴジラはジリジリと迫ってくる。

 

しかし、メカゴジラに焦った様子は......いや、機械なんだからなくて当然なんだが、伺えなかった。

それどころか、この静寂を楽しむように、ゆっくりとエネルギーを溜め込んでいた。

干渉体ナノメタルは既に無くなっていて、メカゴジラを守る盾は、半壊したプラントの壁...位だった。

 

再び、ゴジラが光る。

蒼く燃え上がるような電磁波を顔の前に収束させ─────、

 

轟音を上げながらメカゴジラが放ったビームと熱線が正面衝突した。

 

単純な質量勝負。

ゴジラの熱線は確か100ギガワットを超えていたはず。

それだけの力に、果たしてメカゴジラが勝てるのか?

 

...答えは、イエスだ。

メカゴジラの収束中性子ビームは、なんとあの熱線と同等の、いやそれ以上の出力を誇っていた。

あの威力なら、200ギガワットは軽く超えていたのではないだろうか。

凛とした、悠々たるメカゴジラの余裕の後ろ姿。

蒼い光線と、紅い光線が交錯し、紅が蒼を染め上げていく。

 

やがて光はゴジラに差し掛かり......、ビームをもろに喰らう形になった。

ゴジラはどうなったかって?

はっ、そんなの残ってたに決まっているだろ?

奴の防御力と再生能力はその程度の甘ったるいものじゃないからね。

 

ゴジラはいかなる攻撃を受けようと、進行を止めることはしなかった。

 

一方でメカゴジラもプラントから出ようとはせず、弱く脆い壁を盾にして戦っていた。

 

......何故、外に出ないのだろう?

 

僕は考えた。

もしかして、電力供給がこのプラントからしかできないのか?

......いや、それは無いな。

対ゴジラ決戦兵器ともあろうメカゴジラがそんな貧弱な電力供給システムでは困るはずだ。

だとすれば、なんのために...?

この問いに対する答えは、中々出なかった。

 

僕が熟考している間にもゴジラはプラントに迫り、メカゴジラは応戦する。

 

距離が縮まっていくにつれて、ゴジラの熱線の威力は高まっていくように感じた。

 

このままでは、メカゴジラが負けてしまう。

 

危機感を抱いた僕は、コントロールルームのパソコンからメカゴジラに接続し、ナノメタルの応用を試みた。

もちろん、アブソリュート・ゼロを使うために、だ。

最終的には搭載が見送りにされたらしい機能だったが、ガイガンの戦いといい、あれは実にゴジラに有効的だったよ。

映画でも何度も見た。

アブソリュート・ゼロがゴジラに炸裂する......。

もうそれを考えただけで、体がゾクゾクした。ワクワクした。

 

だから、コンピューターからの接続を試みたのだが...。

メカゴジラは、何故かそれを受けつけなかった。

僕の提案は良くなかったのだろうか。

アブソリュート・ゼロは、ゴジラに効かないとでも言うのか。

 

ゴジラとメカゴジラの距離が2kmに差し掛かろうという時、僕はメカゴジラの背中を見上げた。

 

メカゴジラは、なんとこちらに振り向いて。

 

感情の起伏を一切として感じさせないはずの目の光が、「君を守る、絶対に」と言っているような気がしたんだ。

 

機械なのに、AIなのにそんなことを考えるはずがない。

みんなはそう考えるだろう。

...僕もそうだ。

機械はどこまでも機械で、造った主であるビルサルドの奴らと同じで効率を最優先化し、精神に対する影響など一切として考えない。

人の心に対する考え方は一切ない。

そんな、乾いた体を持つはずのメカゴジラだった。

 

分からない。

 

「メカゴジラ...。お前は、一体何を......?」

 

僕が迷いを思わず口にした瞬間、ズシン、と重く地面が揺れた。




メカゴジラぁ......。
どうして、どうしてあんなにカッコイイメカゴジラを起動させただけだったのか、信じられませんね。いまでも。
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