ソードアート・オンライン・フェイトアンコール 作:にゃはっふー
それはしばらくまた攻略が進む中、キリトとアスナからある報告があると聞き、俺たちは集まった。いつものメンバーで議題は新しく攻略組に入ろうとする者たちらしい。
前の失敗も踏まえて、かなり吟味して選んでいるのだが、アスナはそれに難しい顔をする。
「少し怪しい奴ら、なんだよな………」
キリトが言うには装備のわりに動きが素人らしい。だが装備を見る限り、それを装備する能力値があるはず。
ともかく素人が玄人の武装をしていると、キリトの目からはそう見えているらしい。
「イカサマなトレードや、お金での取引ってことは」
「まあそれもあるな。装備の中に能力値を上げるものもあるし、その可能性が高い」
「それでも気を付けないといけないと言うことか」
セイバーがそう言うと、キリトはああと頷く。
リズが《血盟騎士団》に申し込むような連中だから、アスナは気を付けた方がいいと言う話を聞きながら、そのプレイヤーの話を聞き、少しばかり考える。
「はいはい、そう言う暗い話はそこまでにして」
その後は攻略のパーティーを行う。ここ最近進むボス攻略戦の中、だいぶ進んでいて、サーヴァントも出てこない。
俺の出番はない中、料理をもぐもぐ食べている。
「メイト、その料理おいしい?」
「ああ。食うか」
「いただくわ」
「メイト、これもおいしいよ。メイトも食べる?」
「ああ」
「奏者よ、これもなかなかだぞ」
シノン、フィリア、セイバーに囲まれながら料理を食べていた。料理はユウキも手を貸して、みんながみんな楽しんでいる。
そんな中、クラインがあるアイテム。カラオケボックスのような機能のアイテムが出て来て、なぜと言う感想の中、宴会用でわいわいと楽しむ。
「よし、余も歌うぞっ。最新の歌は知っておる」
「ああ」
その時、なぜこの世界にそんなものがあるのか僅かに違和感を感じる中、クラインがアイテムを使おうとするが、何の反応を示さない。
僅かに違和感を感じながら、少しだけ近づく。
「クライン見せてくれ」
「お、おう、ワリぃな」
そう言い、クラインたちに隠れながら、僅かにコードキャストを使用する。その瞬間、起動し出すカラオケボックス。
「おお、点いた。悪いなメイト」
「いや……」
「うむっ、それじゃ、余の美声をいまここで」
「ああ」
ある違和感を感じながら、考え込む。
この世界にこのようなアイテムは存在しない。この世界、その本来の設定ではこのようなアイテムある方が問題なのだ。
世界観を壊す。知識の中にある銃器などが出回っているようなもの。
(どういうことだ)
カーディナルが新たにデータをインストールしたのだろうか? それでも違和感がぬぐえない。
元々このゲームで採用されていないドリンク、酒のようなものまで出回り出すのはエラーなど、問題になる事が多くて理解できるが、それでもこれはおかしい。
この世界は現在カーディナルと共にムーンセルによって管理されているはず。それを考えればこのようなミスはあり得ないのだ。
そんな中、クラインの歌が終わり、自信満々のセイバーがマイクを受け取った。
そしてしばらく考え込んでいると、
「ん?」
「ん? みんなどうしたのだ? 疲れたのか?」
全員がぐったりと倒れていて、俺はすぐに、
「疲れているんだろう。寝かせないとな」
「うむっ、分かったぞ」
そう言って、のちにセイバーに歌を歌わせないでくれと言われるのだが、いまは関係ないことだろう。
◇◆◇◆◇
それはシノンとセイバーで、とあるクエストをしていた。
内容は弓に関するもので、キリトがクラインから話を聞き、もしかしたらと相談されたことから始まる。
キリトは残念ながら他に用があり、俺がこうして出向くのだが正解で、シノンの弓のクエストが進み、その練習でフィールドで探索していた。
「だいぶ進んだわね」
「ああ」
「うむ。余も絶好調、向かうところ敵は無しよ」
「油断はできない。ん」
その時、俺の索敵スキルに誰かがいることを見つけた。
ソロプレイヤーなのだろう、反応は一つだけだ。だがここは最前線近く、念のため様子を見に行こうと話をして、みんなでそこに向かうと、
「ううっ」
苦しむストレアがいてその瞬間、エネミーの立ち位置を把握して割って入る。
セイバーの一閃で薙ぎ払い、すぐにポリゴンへと変わるエネミーを無視してストレアの下に。
いまだ苦しむ彼女、バットステータスなどではないが苦しんでいた。
「ストレア」
「みんなが……みんなが」
うわごとのように呟きながら、ともかくいまは仕方ない。
セイバーに守りを頼んで、俺はストレアを抱きかかえて移動する。まずは全員で安全地帯へ避難することにした。
◇◆◇◆◇
「メイト、シノン、セイバーごめんね。迷惑かけちゃって」
「いや、困った時はなんとやらだ」
「その通り。しかしストレアよ、敵の攻撃を受けたわけでもあるまい。寝不足か?」
「ふふ、寝不足か~」
だが実際は違うようだ。時々、酷い頭痛が起きるらしい。原因は分からず、酷い時は動けないほど頭が痛いらしい。
「ああ分かる、分かるぞ。あれは急に来るからな」
「セイバーがそう言うのなら、危険だからソロ活動をひかえてたらどうだ? 俺たちを誘うこともできるだろ?」
「あれれ~心配してくれるの?」
「ああ、心配だ」
俺が素直に言うとストレアは苦笑した。そして静かに首を振る。
「メイトたちには言って無かったっけ。探し物があるんだ」
「探しものとな?」
「うん。それは『世界を壊すかもしれない、なにか』なの」
それを言われ、一瞬俺は自分が過った。俺はこの世界においてバグとエラー対策で作り出されたが、それでも異質なのは確かだ。
なにより、俺の旅路の先は………
「ああ違う違うっ、メイトのことを疑ってないからね」
彼女は考え込む俺にそう言い、いまはいいかと納得する。
「そうか。けど、それはいいとして、一人は危険だ」
「ありがと、けど大丈夫。アタシ強いから♪」
そう言うが、しばらく休ませてから、結局別れてしまう。
なにやら少しばかり、妙なことになりつつある。
「どうしたのメイト」
「いや」
少し早めに確認とかしてみるか。俺の権限でコンソールを調べてみようと思いながら、この日はその後何事もなく過ぎていった。
◇◆◇◆◇
しばらく別のことを調べたりしていると、キリトたちが騒いでいる。
「どうした」
「ああ少しな」
「『犯罪防止コード』についてね」
話を聞くと、例のプレイヤー関係者が女性プレイヤーに絡んでいた。だが犯罪を阻止するはずのコードが発動しなかった。
ので念のためちゃんと機能するか、キリトがシノンの肩を振れることで、コードが機能するか確認しているところ。
「そうだ、メイトも少ししてくれる?」
「俺が? 分かった」
そう言って、俺はフィリアの腕、素肌の出ているところを触れた。
「ひゃっわっ!?」
「?」
「あんた時々、キリトのようなことをするわね」
「い、いきなりすぎるよぉ………」
驚くフィリアは頬が赤いが、俺が触れたことで犯罪防止コードはしっかりと出ている。フィリアが開いたウインドウを操作すれば、俺は転移されて牢屋に行く仕組みだ。
「NPCであるメイトですらちゃんと機能するんだよね」
「それじゃ、彼らはどうして」
「セイバー」
「ん? どうした奏者」
「シリカに好きに抱き着いていいぞ」
その瞬間、セイバーは嬉しそうにシリカに抱き着き頬すりをし始める。
「きゃあああああ」
「すまないシリカっ、けど奏者がどーーーーしてもと言うから仕方ないッ。仕方ないのだシリカっ!」
「どうだシリカ」
「出てます出てますっ! 出てますからさわら、ひゃあ」
シリカから悲鳴が上がりすぐにチョップをかます。
セイバーのように同性でも過剰な触れあいはしっかり働く。ピナを頭に止めながら俺は首をひねった。
◇◆◇◆◇
「色々問題ばかりが浮上するな」
「ふむ、余たちの出番が無いってところも少々気になるな」
サーヴァント、彼らが現れないことはいいことではあるが、それはそれで嵐の前の静けさとしか思えない。
そうしていると占い師の前で、なぜか妙な雰囲気の一団を見つけた。
「どうしたみんな」
「あっ、新しい人が来たよ」
そんなことをストレアが言い、ユウキに詳しい内容を聞くと、
「相性占いでベストカップルにはレアアイテムが渡されて」
「皆がキリトとした結果、クラインとしたら一番のアイテムが手に入ったと」
その時、セイバーはうむうむと腕を組み頷く。
「キリトよ、余は問題ないとだけ言っておくぞ」
「何の話だセイバーっ」
「お、俺は普通だっ! 可愛い女の子がいいに決まってる。め、メイト。お前さんもやってみてくれよ!」
「俺と?」
「セイバーさんと」
アスナが強く言う。結局これはランダムであり、自分はあまりいい物でなかった理由をはっきりしたいらしい。
アスナ、クライン、キリトガールズ、キリトからするように言われて、占い師に相性占いをしたところ、
「S級食材がもらえた」
「………」
言葉を無くすアスナとキリトガールズ。
「あんたたち、やっぱり」
「そういう」
「違う違う違ーーーーうっ!」
「メイトそこは違うアイテムだっつうの!」
クレームを引き受けたくないのだが、もらったアイテムは後でみんなで食べようか。そう考えていると服の裾を掴まれていた。
「念のためにわたしともしてみてください」
それはユイであり、両手を広げていた。
「分かった」
「あっ、試しにお姫様だっこしてみてください」
「なぜ」
「これが対象者のドキドキした感情か、イチャイチャしていることで判定されているかもしれないからです」
前者はともかく、後者はよく分からない。
ともかくユイをお姫様だっこをして話しかけてみた。そしたら、
「わあ、S級食材ですっ♪」
「………なんだと」
「えっと、三回続けて一等って出ないよね………」
「ということは」
キリトとクラインはベストパートナーで、俺はセイバーとユイとベストパートナー。
その事実が重く伸し掛かる中、とりあえずユイを下ろす。
「じゃあ、俺はこれで」
そう言って逃げようとしたがリーファとアスナが肩を掴む。クラインが必死の形相で、
「おいメイト、このままお前さんがいなくなったら確認できねえんだよっ!」
「お願い、ランダムっ、ただのランダム」
「お願いしますメイトさんっ!」
リズとシリカがそう言って、試しに全員でやることになる。みんな必死だった。
別に恋人同士のキリトとアスナよりも良いアイテムを手に入れたからと言って、クラインがそう言う意味で良好なのか分からない。戦闘や攻略と言った意味で良好な関係なのかもしれない。
そう言うことを言える雰囲気で無いため、全員で試し、アスナ以外全員と試し終えた。クラインは二度と男となんかできるかと断る中、
「わあ、ボクとも相性ばっちり♪ S級食材だ♪♪」
「他は良くて結晶アイテムで、他は普通か店で買える物ね」
「やっぱりランダム………」
「まだ分からないよ。メイトがセイバーやユイとユウキとベストカップルなだけかも」
ストレアの言葉にざわめくメンバー。キリトガールズは青ざめていた。
俺は静かにそれはそれで問題なのだが、両親が疑いの目でこちらを見る。
「ともかく、次はわたしが行きます」
残ったアスナが気合いを入れて俺と手を繋ぐ。
「これでラストだな。将来のことを占ってくれ」
そう言うと占い師はムムムっ難しい顔をして驚愕した。
「こ、これはっ!? お二人はまさに運命に導かれたお相手。わたくしがとやかく言う必要はありません」
「ん?」
「へっ?」
「そんなあなたたちにはこれを。その先も光に満ち溢れることを願っております」
そう言って指輪型のアクセサリーをもらえた。
「あれれ? アスナとメイトってベストカップルなんだね」
「そ、そんな~。どうしてキリト君とじゃないの~」
「なにげに凄いレアアイテムだぞこれ」
「本当です、全能力値が上がるアイテムです。低くてもかなり数値が上がりますっ」
「うわわん、なにげに良いアイテムだよ~」
アスナはキリト相手じゃないため、かなり複雑そうに指輪アイテム装備を検討し出す。
しかしまあ、
「ここまで複雑な扱いされるってのも、どうかと思うが」
「このクエストと言うかイベント。人間関係を面白おかしくするな」
「ま、まあな。他のプレイヤーには気を付けるように言わないと」
「うわーーーん」
「キリトよ、なにかをプレゼントするときは気持ちでも良いから、指輪あいてむを渡すのだぞ」
「はいそうします」
そんな騒動の中、攻略は進んでいくのだった。
キリトガールズ、正妻アスナ、リズベット、シリカ、リーファ。
メイトガールズ? ユウキ? セイバー、シノン、フィリア。
ミニイベントと共に進めていきます。攻略戦は順調に進み、上に近づいています。終わりまで行くぞ。
それではお読みいただきありがとうございます。