ソードアート・オンライン・フェイトアンコール 作:にゃはっふー
「………」
「………」
「ふ、ふふ、ふ~♪」
いま俺たちはかなり微妙な空気の中、ここ《ホロウ・エリア》を探索している。
彼女『フィリア』は一か月もここを探索し、生き残るので精いっぱいなところ、俺の手に浮かんだ謎の紋章がある場所へ向かうことになった。
だが問題なのは彼女と一通り会話を終えてからだ。
「俺は『キリト』、君はいったい何者なんだい?」
「………」
彼は首をかしげながら、彼はなにを言おうか考え込んでいた。
「どうした」
「オレンジとかレッドとか、カーソルはどういうことだ」
「えっ」
この世界、VRMMOゲームであるソードアート・オンライン。
この仮想世界に閉じ込められたプレイヤーたちは、100層なるこの世界をクリアしなければ現実世界へログアウトすることはできない。
そしてHPゲージ。それがゼロ、ゲームオーバーになれば俺たちプレイヤーが付けている《ナーヴギア》により、脳を破壊されて死んでしまう。
そう言った当たり前なことを、彼は知らなかった。
彼女との会話を聞いていて、なにもかもかはともかく、そう言った知識が抜けている。
「君は、記憶喪失なのかっ!?」
「なんと
赤い彼女は驚きながら、彼はそれに微かに反応する。
「また?
「うむっ」
それに、彼は彼女のことについて知っているように呟く。
「変な『サーヴァント』と〝契約〟した」
「安心するがよいっ、余と契約したからにはそなたに勝利を約束するぞ!」
「待て待て、待ってくれっ。情報を整理しようっ」
「………どういうこと」
フィリアが険しい顔で彼らを見ていた。かなり警戒しているが、こういったケースを俺は知っている。
この世界は世界初VRシステム。粒子物理学によって作り出されたフルダイブシステムによって作り出されたゲームの世界。
だがそのシステムの基礎を作り、かつこのゲームを作り出した『茅場晶彦』によって一万人のプレイヤーはログアウト不可になり、囚われてしまう。
唯一のログアウト方法であるゲームクリア以外このゲームから抜け出す術は無く、俺たちは仮想世界からの脱出のため、ゲームクリアを目指していると説明。
オレンジはグリーンカーソルプレイヤーを攻撃した場合、犯罪者、オレンジカーソルになる。
レッドは人を殺したプレイヤーのことを説明しながら、彼はそうかとしか言わない。
「君は本当に知らないのか」
「ああ」
彼は記憶喪失、いや記憶が無いことを〝気にも留めていない〟。
いま聞いた情報も頭にとどめておく程度のこととしか考えていない。彼女とは少し反応が違う。
「だけどこのゲームは途中から、75層から少し変わり出した」
プレイヤーが持ってたアイテムは文字化けして使えず、まるで一からスタートするようにゲームが再開し、外のプレイヤーが紛れ込むようになった。
「ちょっと待て、外からのとは、どういうことだ?」
深紅の剣の彼女はそう言い、俺は説明する。
このゲームが正式に稼働日は2022年11月6日。
だがそれからもう2年以上経ち、外の世界では安全性を確保したVRゲームが出ている。
そのプレイヤーがこの世界、ソードアート・オンラインに紛れ込んだケースがあるのだ。
「君もたぶんそうだと思う。別のゲームの、そうでなきゃ」
「?」
俺は彼女、突然現れた彼女を見る。
おそらく彼だけは別ゲームシステムで彼女を呼んだのだろう。彼女は他のプレイヤーではないとゲームシステムが表明していた。NPCと成っているが、見た目プレイヤーと変わりなく見えた。
「君は、ああ、右手をこうしてくれ」
そう言って彼にメニュー画面を開いてもらう。彼はそれに反応せず、簡単にメニューを開き見せてくれた。やはり彼女とは少し違うな。
「メイト? そのままか」
彼の名前はそのままメイト。仲間か相棒って意味だろうか? 日本語でつづられているから分からないが、
「君の覚えていることはあるか」
「………〝上〟に行くことだ」
「うえ? 100層ってこと?」
「〝上〟に行くことだが?」
フィリアの言葉に彼は答えながら、上に行くことが目的だと言う。
これ以上は彼に教えることはないか。次は………
「君の覚えていることは」
「………彼女がセイバーであることは分かる」
「うむっ♪ 余はセイバークラスで召喚されたサーヴァントぞっ」
「セイバー? サーヴァント?」
彼が話す内容はサーヴァントは英雄、英傑を使い魔として召喚された者たちのことを言う。
クラスは七つ。剣士、弓兵、槍兵、騎乗兵、魔術師、暗殺者、狂戦士。
そのどれかに英霊の一面をサーヴァントとして呼ぶ。
そして上へ上がる。
「………ま、そういうことよ」
その時彼女、セイバーは少しだけ目を背けた。
なにかを知っているようだが、ここはあえて聞くのをやめておこう。
いまはここから脱出しなければいけない。
そして俺たちはフィリアの案内でどうにか脱出の糸口を見つけ、彼女は事情があるのか戻るのを拒み、三人だけで《アークソフィア》へと帰還する。
◇◆◇◆◇
「色々大変だ」
「そのようだな。まあ、気になることばかりではあるがな」
あの後俺はキリトの仲間たちと知り合った。
キリトの奥さん『アスナ』と娘の『ユイ』。
竜使いの『シリカ』に、自分と同じ別のゲームから来た妖精であり、キリトの妹『リーファ』。
鍛冶師の『リズベット』、商人の『エギル』。それに《風林火山》のギルドリーダー『クライン』。
同じように記憶を失った少女『シノン』。
「覚えることがいっぱいだ」
「皆可愛らしい初々しい少女たちだったな♪」
セイバーはそう言い、俺ができることを色々伝えた。
俺ができることは『強化』などの『コードキャスト』。
それを見たリーファはALOみたいとか言っていたが………
「どうでもいいか」
「いいのか?」
「〝上〟に行ければいいさ」
そう〝上〟へ行く。目的は変わらない。
だが、キリトから自分の仲間以外で活動するのは控えてほしいと言われた。
「混乱するかららしいがセイバー、お前は強いか」
「うむ、強いぞっ」
「ならいいか」
「うむっ」
そんな会話をし、できることを確認していた。
「〝真名〟は教えてくれるか」
「………それはまだ良いだろう」
「俺はまだマスターとして認められないか」
「………すまぬ」
それでも構わない。それでも〝上〟に行ければいい。
それさえできればいい。だがどうすればいいか。
意味なんて無いのにな。
「とりあえず、キリトが言うには自分と大差ないレベルらしいから、アスナたちにいろいろ相談するか」
キリトには自分のステータス画面を見せている。
本人も驚いていた。なにに驚いていたのかは知らないが、俺はレベルがキリトほどであり、アタッカーとして機能するらしい。
「本来は余がマスターをカバーするのだが」
「仕方ないさ、このゲームのシステムじゃサーヴァントはいない。別のルールで動いているようなものだ」
別のルール。それに少しばかり考え込む。
「マスター?」
「………なんでもない」
こうしてSAO攻略のため、行動することになる。
ただ〝上〟を目指す。その為に………
◇◆◇◆◇
「キリト君、彼、メイト君について相談って?」
エギルの店で全員定位置に座り、静かにパーティーメンバーで相談が始まる。
「おお、彼奴だけSAOだけじゃなく、別のゲームシステムのことか?」
クラインの問いかけにキリトは静かに頷く。
詳しく調べてみたが、まずは色々あった報告として《ホロウ・エリア》。これはキリトが同行しなければ他のメンバーではいけないらしい。しかも一人だけ。
このことで隠しエリアのことは、他のプレイヤーに知らせることはしない方がいいということになるが、
「セイバー、彼女のことだけど、まだ詳しく説明を受けていないんだ」
「サーヴァント、マスター。そう言ったシステムはこのゲームには存在しません」
そう言うユイはこの世界の《メンタルヘルス・カウンセリングプログラム》というもので、この世界の一部。
この世界を管理する《カーディナルシステム》とも繋がりはあり、いまはそのほとんどの権限など無くなってはいるが、それでも分かることは多くある。
「英雄の一面をコピーし、そのクラスに適したステータスで呼び、自分と共に戦う………。そんなVRゲームあったっけ?」
リーファはそう首をかしげ、キリトも分からない。
装備などはドロップ品で固まっていて、そして、
「彼は俺と同じ《二刀流》スキル持ちなんだ」
「《二刀流》って、それって《ユニークスキル》じゃないのっ!?」
SAOメンバーが驚く中、リーファ、シノンだけが分からない顔で様子を見る。
「二人には説明してないけど、俺が持つ《二刀流》スキルはどうやらシステム上、一人しか所持できないスキルらしいんだ」
「それって」
「ならなんでお兄ちゃんと同じスキルを」
それにキリトも分からないとしか言えず、他にも分からないことばかりでここに来て多くの問題が出て来た。
そんな中、シリカが自分の竜『ピナ』を撫でながら静かに尋ねた。
「セイバーさんはどれほどの強さなんですか?」
シリカの問いかけに、キリトは困惑しながら言う。
「それが数値じゃなく、アルファベットで表記されてるんだ」
「数値じゃなくってって、キリト君、セイバーさんのステータスも見たの?」
キリトがすでにメイトのステータス画面など見たことは伝えている。
だがセイバーは、
「それはほんとに偶然でね。彼のメニューを見せてもらっているとスクロールして見えたんだ。真名ってところだけ空欄だったけど」
「しんめい? 本当の名前、ですか?」
「それも気になるけど、ステータスは」
キリトは見たのは真名、クラス、宝具、スキル、ステータスと言った順であり、宝具と真名だけ空欄であった。
スキルは《皇帝特権EX》、《頭痛持ちB》、《対魔力C》など分からないもの。
ステータスにも魔力があったりと訳が分からない。
「幸運と敏捷はAなのは覚えてる」
「どういうことなんだろう?」
レベル制でないにしても、彼女は傷ついたスカル・キーパーをほぼ一撃で倒していた。弱いはずがない。
だから、
「念のため誰か、彼らについてくれると助かる。《ホロウ・エリア》に彼も行けるか実験するのは後回し」
「うん、いまはこっちの世界に慣れてくれないと」
「それでいいと思う」
そう話し合いが終わり、彼らもまた攻略が始まる。
(ただセイバーはなにか隠している気がする。けど、NPCが隠し事なんてできるはずもない………。やはり気のせいだろう)
そう考え至り、キリトたちは今後に話し合う。
恐らく分かる人には分かる、彼のユニーク所持の理由。先の予想なので胸にとどめておいてください。
これからメイトくんとセイバーの攻略が始まるのです。
それでは、お読みいただきありがとうございます。