ソードアート・オンライン・フェイトアンコール 作:にゃはっふー
彼と、彼が呼び出した存在セイバー。
彼らを新たに迎え、キリトたちの攻略が始まった。
フィールドで俺はキリトたちに迷惑をかけないよう、二本の剣で戦うことをやめている。
どうやら《二刀流》はキリトしかないスキルらしく、俺が使えるのはおかしいらしい。
そしていまはシリカとピナ、リーファと組み、飛行するエネミー相手に狩りをしている。
「ピナっ」
ピナがシリカの指示でブレス攻撃をしようとしたとき、
「コードキャスト」
俺はすぐにコードキャスト、広範囲攻撃の強化を操作してピナに
放たれたブレスは広範囲に広がって、すぐさま自身にも使用する。使うのは敏捷値を上げる身体強化を選ぶ。
「セイバー」
「うむっ」
すぐに取り残したエネミーを狩るセイバー、リーファは驚きながらその光景を見た。
「凄い……ALOの魔法みたい」
全てのエネミーを倒して、俺のコードキャストを見たリーファを見る。
彼女は別のゲームからこのゲームに囚われたプレイヤーであり、別のゲームでは妖精アバターであるようだ。
「このゲームに来てからあたしは魔法とか使えなくなったのに、メイト君は変わらないんだね」
「そうなのか」
「うん、けどメイト君の詠唱とか早すぎないかな?」
「そうなんですか?」
「ALOの魔法はかなり複雑だけど、ほとんどソードスキルみたいに使ってるし、やっぱりすごいよメイト君」
シリカとリーファがそんな話の中、俺は自分のメニューを開いて、コードキャストの種類を確認した。
多くのコードキャストを所持する俺はより厳選し、強化、改善などやることは多くある。
それを覗き込む二人は急に目まいを起こす。
「め、滅茶苦茶数式とかが、これって」
「コードキャストの中身だよ」
そう言って色々といじる。
高速化、簡易化など、種類によって変えたりしないといけない。
より戦うために。
そして〝上〟へとたどり着くためにも。
「記憶の方はそれ以外にはなにもないんですよね」
「ああ。けど」
俺は空を見る。この天上、鋼鉄の城《アインクラッド》の階層を見る。
「〝上〟に行くには問題ない」
「あっはは……、なんだか時々キリト君みたいだよね」
「? 俺がキリトと?」
「大切なことなのに自分のことになると優先順位が下なのっ。記憶を取り戻す方が一番大切ですっ」
リーファが少し説教気味にそう言うが、俺からすればやはりどうでもいいことだ。
俺は〝上〟に行く。それ以外に優先することは無い。
「けれど、メイトさんのコードキャストのことは、やっぱり内緒ですね」
「うん、結構危ないよね」
二人が言うには回復、攻撃援護、防御においてこの力は強すぎるらしい。
悪目立ちすると言う話を聞きながら、俺たちは町に帰る。
「?」
その時、視線を感じた。
「どうした奏者よ」
いままで黙っていたセイバーが、足を止めた俺に話しかけてきた。
周りには誰もいないし、エネミーの影もない。
索敵スキルにも反応は………無いな。
「いや、気のせいだよセイバー」
「そなたは少し頑張りすぎだ。少し休むのも手だぞ」
「だけど町の中を見て回るより、外にいた方が」
「セイバーさんの言う通りですよ、少しは休んだらどうですか」
「そうですね、二人に町の方を案内したいですし」
言葉を遮られ、セイバーはそれがいいと嬉しそうに二人と話す。
正直セイバーはシリカやリーファ、正直に言えばキリトの周りの女性プレイヤーのことを、
「世が世なら妾にしたいぞっ」
そう目を輝かせて言うくらいに懐いているのだ。セイバーのこの話は話していないが、話さない方がいい気がする。
そんな会話の中、町へと戻った。
◇◆◇◆◇
「たまには他のプレイヤーと交流するべきだ」
ベットに腰掛け、コードキャストの強化をしている時、セイバーが俺の顔を覗き込みながらそう告げた。
いまは部屋の中、セイバーとは相部屋である。クラインが羨ましいとか言っていた。サーヴァントと一緒にいるのはマスターとして当たり前なのだが。
「それじゃ、また別のメンバーとフィールドに」
「そーれーよーりーもっ、なにか他にあるではないか!?」
「ピナのエサ集め?」
「それも良い、シリカが喜ぶからな♪ 余、好みの愛い者ぞっ」
「そうか」
「美少年も好きだが、美少女はもっと好きだからな♪」
そして俺は作業に戻ろうとしたとき、嬉しそうにしていたセイバーがはっと驚き、こちらへと振り返る。
「って待てーい奏者よ、なに話を終わらしておるっ。まさかこうも余を欺くなど、此度のマスターはやりおる」
「ありがとう」
「うむっ、それは良いぞ。だがな、余が言いたいのはそうじゃない。他のメンバーにもプレゼントなり交流なりするべきぞ」
交流と言われても………
「一緒に戦っている」
「だがな、世の中はそれだけが絆を深めることではない。その者のために時間を割き、共に過ごすことも大事だ」
「………そうか。だがどうすればいい」
「むっ、いざそう聞かれると返答に困るな」
ムムムっと考え込むセイバーを見ながら、俺はどうすればいいのだろう。
確かにセイバーの言う通りだろう。
この辺りを拠点として活動する際、かなり彼らにはフォローされている。セイバー自体が目立つ存在だから助かっている。
だが目立つことを避けると言うなら、できることは限られてしまう。
「こういうときはどうすればいいのか………」
「なら、聞いてみようか」
そう言い、俺はセイバーと共に部屋を出て、エギルに相談することにした。
◇◆◇◆◇
「ずいぶん難しい相談だな」
「すまない」
「いやいい」
そう言いながら苦笑するエギル。
店を一人で経営しつつ彼には色々と世話になる。キリト曰くぼったくりと言うが、まあどうでもいい。
「お前さん、少し昔のキリトに似てるからな。相談する辺り前の彼奴よりマシだが」
「キリトの昔か」
「ああ。目的しか見えてない、危ない時期だったな」
そう思い出しながら下あごをさすり、しばらく考え込む。
「まずはそうだな、だいぶお前さんらが店や町に居ても不思議がられねえからな。買い物したり、店でなんか話をしたりすればいい」
「そんなものか」
「そんなもんだよ。それか、なにかレアアイテムをプレゼントってのもありだな。まあお前さんの周りなら、心がこもってればいいだろうな」
「おおっ、それは名案だぞエギルっ。奏者よ、日ごろ世話になっている皆に贈り物をしよう」
「そうだな、それじゃフィールドに」
「だーかーらーっ、エギルが言っておったろ。町で買い物するのだ」
そう言われながら、町に繰り出すことになる。
なにかいい物をと言うが、なにを買えばいいか分からないが、
「いいのだ奏者よ、心がこもった品物ならなんだって良い。贈り物とはそういうものぞ」
「そうか」
そう言いながら、とりあえず食べ物をメインに買うことにした。
食材アイテムで簡単な料理でもすればいい。レシピはエギルの店で調べればいい、簡単な物ならあったはず。
こうして俺たちは解放された地域の町を歩くことにした。
◇◆◇◆◇
「お、ユイか」
「あっ、メイトさん、セイバーさん。こんにちはです」
「ユイ」
とてとてと近づく少女はキリトとアスナの娘。セイバーと同じNPCとして活動している。
彼女に散歩と話を聞きながらこちらも買い物、せっかくだからなにかいい物が無いか探していることを話す。
「食べ物ですか? パパが喜びそうです」
「皆が喜べば良いが、奏者、なにか良い物はあるだろうか?」
「この辺りの店は一通り見たけど、普通のドロップ品アイテムばかりだね」
そう言いながら、俺は周りを見渡しながら妙なアイテムもある。
「あっ、それは」
それは瓶の中に飲み物が入っているものである。これは、
「お酒だね。ワインみたいだから、セイバーかクラインたちくらいだ」
「セイバーさん、お酒を飲むんですか?」
「うむ、たしなむ程度にはな」
そう言いながらユイは少し首をかしげた。
曰く、こういった嗜好品はSAO内では採用されていないはずだと。
そう言いながらも、お酒は料理にも使うからではと思いながら俺は静かに手に取りつつ、
「
そう唐突に振り返り、話しかけた。
「へ?」
「むっ、やはり誰か尾けていたか」
セイバーは僅かに警戒するが、手で止めて静かに聞く。
「敵意が無いけど、エギルの店から感じてた」
そう呟くと、静かに誰かが出て来る。
女性プレイヤーで紫の髪の綺麗な女の人だ。
「いや~バレちゃったか」
「『ストレア』さん」
ユイがそう呟き、その女性はキリトの知り合いで、彼の索敵にも見つからないほどの潜伏スキルを持つらしい。
キリトがあの75層で茅場晶彦と決闘した人物として注目している。そう言う理由で時折キリトの周りで姿を現す。
「キリトの周りは可愛らしいのも、綺麗な者の知り合いが多いのだな」
「はい、パパはモテモテなんです。けど、ママが一番なんですよ」
「そうかそうか♪ ユイはいい子だな♪♪」
そう言いユイを抱きしめ、スリスリするセイバー。
くすぐったいとユイは微笑む。微笑ましい光景なのだが、セイバーに軽くチョップをして止めておく。
「奏者のいじわる~」
「セイバーの場合はしゃれじゃないからな」
「?」
ともかく、せっかく出会ったことで町の穴場の店を終えてもらい、そこの食材アイテムを買う。
みんな喜んでくれると良いが………
◇◆◇◆◇
俺は《ホロウ・エリア》へとたどり着く。
「メイト? セイバーさんも」
「フィリア、こんにちは」
「今日はどうしたの? 探索?」
それに首を振り、ストレージからアイテムを取り出す。
レア度は少しあるが、体力関係のアクセサリーだ。
セイバーからはおいしい食べ物。
「これって」
「プレゼント。みんなに渡すために選んだんだ」
「そう、なんだ……。ありがとう、わざわざ持って来てくれて」
「問題ないぞ♪」
「ああ、受け取ってくれるか」
「ええ」
そう言い微笑むフィリア。フィリアへのプレゼントは問題は無かった。
◇◆◇◆◇
というわけで、キリトたちがフィールド探索から帰ってきたごろに、ちょうどよくできるように設定した料理。
「ただいま~、って、なんかうまそうなにおいがするな」
「おおっ、来たか。待っていたぞっ」
「セイバーさん、これは」
「うむっ、奏者が簡単な物だが、食材あいてむで料理をしておる」
それにキリトとクラインがおおっと食いつき、アスナたちも驚く。
「ありがとうございます、お腹ぺこぺこで」
「いったいなにを作ったのかしら?」
「簡単な焼き物とスープ、付け合わせにパン。あとはただレア度の高い食材料理」
「レア度の高い料理? そんなものも用意したの?」
シノンが訪ねると俺は火加減を見ながら答えた。
「ああ、おいしそうだったから。俺も食べたくて用意した」
「余たちも知らないうちに買っておってな。余も知らないのだ」
「へえ、どんな料理なんだ?」
「簡単な物はシカ系のエネミー肉を、調味料で焼いただけ。スープも簡単なのだ」
そう言って出された料理に、みんなおおっと笑顔である。
「うまっそうじゃねえか。メイト、それじゃレア度の高いのは」
「これだ」
そう言って焼き蛙の丸焼きを人数分出した。
「待ってーーーいーーーーっ」
「どうしたセイバー」
「なんだその拳より大きなカエルはっ、余と買い物している最中それらしいのは無かったぞっ」
「串に刺して焼くだけで、うまそうだぞ」
「おいしそうじゃありませんっ」
アスナが叫び、だがキリトは、
「俺は少しチャレンジを」
「キリト君っ」
「けど、これS級食材のカエル肉っ。俺、前々から気にはなってたんだ」
「うまいぞ」
「ってもう食べてるううううう」
そんな話をしながら、キリトから攻略の話を聞く。
結局料理は別々にされた。キリトだけはこっち派になったことから、今回の件も話ながら苦笑された。
「まあみんな嬉しそうだし、こういうのもいいんじゃないか?」
「そうか」
そう頷きながら、攻略がだいぶ進んでいる。
その話を聞き、俺は天上を見た。
「また〝上〟に近づく」
「ああ、この調子で頑張るぜ」
「ああ」
いつか〝上〟に。
そう………
この感情の赴くままに………
仲良く過ごしています。コードキャストはたぶん一見すると訳が分からないもので作り出されてます。
コードキャスト、セイバーにユニークスキル。これだけ持たせれば問題ない。
それでは、お読みいただきありがとうございます。