「ちょっと待って何でいきなりそうなるわけ?」
うちの子にならない?
突然そんなことを言われてもすぐに答えなんて出るわけがない
話の流れ的にもどうしてそうなったんだ
「ほら、君は私のクローンでしょ?」
「それはあのおねーさんから聞いたはずだけど?」
「うんそうだね。だからさ、私が引き取ろうかなって」
「そうなるとユーノ・スクライアも該当するけど」
「それもユーノ君と話したけどそれでも私が引き取ることにしたんだ」
ちゃんと話し合った結果がこれか
「それにしても突然過ぎないかな?」
「早い方が君のためにもなるかなって」
「君は、私が親じゃ…嫌かな?」
「……1日だ、1日考えさせてくれ」
────────────
確かにあれはいきなり過ぎたかもしれないと思う
そのせいであの子を混乱させてしまった
「フェイトちゃん、ちょっと焦りすぎたかな?」
「いきなりじゃなくても、考えるための時間をもらったと思うよ」
あの子を一時的に施設に預けた後私はフェイトちゃんと話していた
「答えを聞けるのは明日になるね」
「あの子は一体どんな選択をするのか、楽しみだね」
────────────────
翌日
僕と高町なのはは同じ部屋にいた
朝迎えが来たのが先で今は本局にある一室
「1日経ったけど考えはまとまった?」
「その前に…僕はあなたとユーノ・スクライアの遺伝子が使われたクローンだ」
「そうだね」
考えはだいたい分かった、だからこそ確認しておかなければならない
「保護されてから今まで多少はあなたのことを聞いたりしてきた」
「うん」
「あなたは僕が不気味だとか思わないの?」
「全然思わないよ」
「それは…なんで」
「確かに君は私とユーノ君の遺伝子で生まれたクローンだよ」
「だけどね、私はそれを聞いて、君の様子を見て、たくさん考えて君を保護しようと思った」
「知ってる」
でなければそんな事言い出したりはしないはずだ
「君は、親の愛を知らないから」
「親の…愛?」
「うん、私君くらいの時お父さんが大怪我して入院してたんだ」
「お母さんは喫茶店で忙しくてお兄ちゃんとお姉ちゃんもお手伝いで忙しくて、ずっと1人で」
「私自身そういった経験をしたっていうのもあるかもしれないけど」
「私は…君を放っておけない」
「……」
そんな経験してたんだ…そんなふうには見えないけど
「君の答えを…聞かせてくれないかな?」
「養子縁組の話…昨日1日よく考えた」
「うん」
この人は僕にここままで向き合ってくれていた、だからこそ答えをはっきりと言わなければならない
「僕は…クローン技術で造られた人間だ。あなたはそんな人間の手でも…握ってくれるの?」
はっきり言って…僕はまだ…不安だ
「もちろん、君がクローンでもそうじゃなくても私は何度だって握ってあげる」
その言葉を聞いて不安が和らいだ気がした
「あ…あれ…なんで」
涙が流れているのが分かる
悲しいわけでもないのに…なんで…
手で涙を拭っている時優しく抱きしめられる
「大丈夫だよ、何があっても私が守ってあげる」
もう、限界だった
「あのっ…養子の話…宜しくお願いします…」
泣きながらで、途切れ途切れだったけど…言えた
「うん、今日から君は…私の家族だよ…」
あれからしばらくして泣き止んだが抱きしめられた状態で大泣きしていたせいで制服が濡れてしまっていた
「ごめんなさい…」
「大丈夫だよ洗えばいいんだし」
「君には…名前がなかったよね」
「うん…」
そう、僕には名前が無い
今まで周りからは君くらいしか呼ばれて無い
「だからね…名前をあげる」
「名前…」
「そう」
「今日からあなたの名前は円」
「高町円(たかまち まどか)だよ」
「まどか…」
「そうこれから色んなことを経験してたくさんの人と出会ってつながりを広げていってほしい」
「そんな願いを込めて君にこの名前を送ります…受け取ってくれる?」
「…!はいっ!」
「うん!いい返事!それじゃ行こっか円」
「…うん!」
決して長い時間を過ごしてきたわけじゃない
色んなことをしてきた訳でもない
知識なんてなくて 最低限のことしかわからなかった
まるで人形みたいな生活の中で一つの出会いがあった
クローンと執務官
始まりはそのふたりで
クローンはオリジナルと出会い
触れ合い、絆を紡いだ
それは、そんな1人の少年の物語
その日 少年は、本当の自分を得た
その日 僕は僕になった
ここまで読んでくれた皆様
そして今までこの作品を読んでくれた皆様
ありがとうございました!
この話をもちまして「僕が僕になるまで」
の本編を完結とさせていただきます
最終話で1500文字縛りをぶっ壊して終わらせました
これからこの作品は
漫画版StrikerSやvivid時系列のお話や
この話の後の後日談な話を投稿しようかなと思っています
それではまた私が書いた小説でお会いできたら嬉しいです
本当にありがとうございました!