「あのさぁ、妹よ」
「何?姉よ」
「気分次第で活動するってさ、それ幽霊部員と何が違うの?」
「……」
のびるは激怒した。必ずあの邪知暴虐の教師を除かねばならぬと決意した。
しかし特に困ったことはなかったので、除くのは後にしてやろうと思い直した。
「絶対自由!」
「ハイハイ」
………………
「今日のゲームはポピュラスです!一人用でやります!」
『俺得キター』『やるやん』『のびちゃんが名作枠なんて……』
『のびちゃんをクソゲーマー扱いするのはやめろw』
「今日も真心と思い上がりの実況でお送りします!」
『www』『のびちゃんの激寒ギャグ嫌いじゃないよ』
『真心はあるんだなw』『思い上がったり上がらなかったりしろ』
今日のアバターは、白い翼のある天使みたいな女神の姿だ。
このゲームは空からの視点で進行するため、
空を飛べるイメージのアバターが用意されている。
中にはUFOに乗った宇宙人やら彗星に乗ったハレー彗星ちゃんなんてのもあったが、
俺は女神様のテンプレイメージのような翼のある女神になることにした。
白い翼と古代ギリシャみたいな服に合わせて、髪と瞳の色は輝く薄い緑にしている。
メガネが色々ぶち壊しているが、これは俺の気分的に外せないから仕方ない。
『のびちゃんが天使過ぎて俺の毛細血管がやばい』
『すっかりメガネ……女神様ですな!』『然り然り』
さっそくゲームをスタートさせてみる。
身体に感じる風と太陽の光、そして眼下に広がる大きな大陸。
青い服を着た人間たちが俺の方を見て止まっている。
そういや最初はポーズ状態で始まるんだったか?
「はい、この人間たちが私の信者さんですね。このままでは生きていけないので、
私が面倒を見てあげることにします。全く人間たちはしょうがないですねー」
『もうイキってるw』『イキりメガネwww』『神気取りかwww』
『期待に答えていくwww』『女神だからしゃーないw』
「山を崩すのは非効率なので、海を持ち上げて平地にしてあげます」
『おお、土地が増えた』『地上げ(物理)』『土地ころがしの魔法!』
まず造成作業に取り掛かる。近くの海面を3段階上昇させ、1段階下げる。
出現した小島を広げてちょっと高めの平地を作り、大陸と繋げてポーズを解除した。
人間たちが動き出す。
『おー』『動くぞ、こいつ!』『ドックンドックン』
『鼓動音鳴ってるw』『このランドマーク的なものは何なの?』
「このシンボルを触るとリーダーになります。シンボルとか聖地とか言ってますけど」
『聖地巡礼』『アニメ化しないと!』『触ったからお前リーダーなw』
しばらくは整地作業だ。
ひたすら海を埋め立てて、ちょっと高めに土盛りして、人間を誘導する。
「聖地を整地……」
『ん?』『ん?』『今何かすごい寒気が』『で、でたー激寒ギャグwww』
土地造成の作業により、人間たちの建てた家が木や藁から石の家、大きな城砦へと進化する。
「この作業感がたまらんのですよ……」
『わかる』『わかりすぎて困る』
城砦の脇をちょっと上げ下げして人の移動を促し、
城砦の数が増え、勢力が十分広がったら即戦争……ではなく、もうしばらく勢力拡大に費やす。
奇跡を起こすゴッドパワー(仮称)を貯める時間と、リーダーを合体強化する人口を稼ぐためだ。
ちょくちょく敵陣に底なし沼の奇跡を起こして、妨害も忘れない。
「なんかイモムシとかかたつむりとか出てくるらしいけど、私見たことないんですよね」
『俺も』『そんなのいるの?』『俺イモムシ見たことある』
『沼作って邪魔なだけなんだよな……』
『沼を作る女神……沼を作る虫……あっ(察し)』『それ以上いけない』
そうこうしているうちに強化も終わり、ゴッドパワー(仮称)も溜まった。
確か原作ゲームだと奇跡とか土地の上げ下げに制限がある面もあったような気がするが、
このリメイクにはそういうのは無いようだな。それとも最初のこの面だけか?
最終戦争(ハルマゲドン)っていう奇跡もあるんだけど、使わなきゃいけないわけでもないし、
最初のこのステージは使わなくても簡単に勝てる。
だが俺は使う!そこに最終戦争ボタンがあるなら!
「ハルマゲドーン!」
『きたあああああ』『やったああああ』『待ってたwww』『ですよねーw』
『のびるもーそういうとこめっちゃ好きw』『ヒャッハー!!行くぜお前ら!』
全ての家も城砦も消滅し、人々が敵の最後の一人を打ち滅ぼすまで止まれない最終戦争。
「もうすることないんで、ちょっとお話ししますね」
『止まるんじゃねえぞ……』『ヒャッハー!』『アポカリプス・ナウ!』
『皆元気だなぁ……』『お話を聞いたり聞かなかったりしろ』
「このゲームは500だか1000ステージくらいあって、
スコアか何かで面数を飛ばして進行します。
中には大江戸とか宇宙人とか3匹の子豚のステージもあるらしいです」
『そーなのかー』『大江戸は知らんかった』『特殊ステージ難易度高いんだよね……』
「あとゴッドパワー(仮称)の名称はサイコパワーだった気がしますけど、それだと正直……」
『サイコッパーワー!?』『ベガかな?』『それは世界的格ゲーでラスボスしますね……』
『本物のラスボスじゃないですかやだー!』『そんなのと被ったらしゃーない』
「あ、勝った」
最終戦争(ハルマゲドン)は使うのはいいけど、最後の一人を倒すまでって条件だから、
ラストは別にイベントも無く通常のバトルで唐突に終了しちゃうんだよね。
『え?勝った?』『Won?だから勝ったんじゃない?』『リアルな最終戦争で草』
『最後の一人だからね、最終戦も通常戦闘だよね』『当時の洋ゲー感』
『おめ』『対戦はやるのー?』
「あの、これ対戦やるとガチで泥沼になるんで……実況ではやらないと思います、ハイ」
『泥沼……(察し)』『沼の奇跡って強いの?』『強いから対人だと泥沼(ガチ)』
「時間もちょうどいいんで……今日はここで終わります。
今日もご視聴、ありがとうございました!」
やってて楽しい作業は楽しいのに書ける所が無かった(小並感)