TS転生未来レトロゲーム実況配信のびる   作:おかひじき

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指導という名目で以下略


ロードファイター〈+カルドセプト指導〉

 

その日、俺は実況配信前にゲーム部の信号機3人への指導戦をすることになった。

 

苺蔓は以前と同じ装いで勝気そうな佇まい。

 

緑の蔓茘枝(ツルレイシ)は緑の葉っぱをこれでもかと重ねたような緑の妖精服。

髪の色も緑だが髪の毛で目が隠れ、おどおどした様子だ。

メカクレとは分かっているな。

 

黄色の万寿果(パパイヤ)は全身黄色の魔法少女のようなフリフリ服。

それはいいのだが、俺と似た丸いメガネをかけており、

なぜか気色悪いニヤニヤ笑いを浮かべている。

メガネのイメージが悪くなるからそのニヤニヤ笑い止めろ!

 

「の、のびるさんですか?わ、私が万寿果……パパイヤです。ふひっ……」

 

このメガネ、意外と積極的に話しかけてくるくせにオタクっぽいぞ!コミュ障だな!

 

「フ……フフ、私がのびるです!より……よろしくお願いします!」

 

「なんかパパイヤに似てる……」

 

何だと!?俺のどこがこいつに似てるって証拠だよ!?

 

挨拶を済ませた俺は早速、カルドセプト4人対戦を開始する。

 

苺蔓は防具が増えて重いクリーチャーを減らしたようだな。

あとはバランスがどうなってるか……。

 

ツルレイシ……ゴーヤでいいか。ゴーヤは地属性か。

クリーチャーが事故り気味だな。

配置制限を越えられずに制限クリーチャーが手札で腐っている。

 

パパイヤは風属性だが無属性が多い。モスマンが複数入ってるな。

ジーニーやシムルグで守るつもりのようだ。

 

結果だが……当然のごとく俺が勝った。

特に苺蔓のブックは前回とは見違えたように改善していたが、

戦いの年季が違う俺のブラフ込みの戦術に対応できるはずも無かった。

 

「移動侵略が少ない、行けるならやった方が」

「制限クリーチャーと制限なしのバランスが……」

「アイテムを使うか使わないかの駆け引きが……」

 

やばい、SEKKYOUとか前世ではうぜえとしか思わなかったが、これ楽しいぞ!

俺の助言をこの3人は素直に聞いて改善してくれるんだ。楽しくないわけがない!

アドバイザー最高!俺アドバイザー様になる!

 

げ、ゲーム部に入ってはいない。入ってはいないからセーフ。セーフだな、うん。

 

 

………………

 

 

 

「今日のゲームはロードファイターです!折角なので主観モードに挑戦します!」

 

『マジで!?』『いや、きついっしょ』『主観って運転だぞ、大丈夫か?』

 

このゲームを主観モードでやるのを楽しみにしてたんだ。

多少年齢的に不自然だろうが、やらないという選択肢はない!

ないのだが……?

 

「足が届かない……」

 

『www』『草』『そらそうよ』

『大人用だからなw』『実質年齢制限やぞ』

 

自動車の免許持ってない子供はお呼びじゃないよ、という暗黙の了解らしい。

 

まあダイブでその気になってリアルで事故るなんてありそうな話だから、

仕方ないと言えば仕方ないんだが。俺は(前世で)マニュアル免許持ってるのに!

 

「無理やりゲーム改造したりアバターをいじる気もないので、これは諦めて、

仮想コントローラー操作の俯瞰モニターにしておいてあげます。命拾いしたな!」

 

『草』『泣かないで』『泣いたり笑ったりしろ』

『まあ動作トレース入るから、主観もそんなに変わるわけじゃないさ』

 

ゲーム操作を仮想コントローラーとモニターに切り替える。

原作に忠実と言われればそうかもしれない。

 

今回のアバターは緑と白のレーシングスーツ、

当然前開きのチャックがついているやつだ。

大きめのヘルメットの中で輝くメガネは外せない

 

『のびちゃんかっこいい!』『こだわりのメガネ』『速い(確信)』

『やっぱ……前開きレーシングスーツは……最高やな!』

 

 

ファンファーレと共にスタートを切る。

ステージ1は住宅と木と緑らしきものが立ち並ぶ背景の一般道。

 

「あーいいっすねー」

 

貫禄の無音の中、効果音だけの走行が心に染み渡る。

 

「主人公の車は赤で、ぶっちぎりに速いです。ギアチェンジがあるんですが、

慣れればずっと最高速で、ミスらない限り変える必要はなくなります」

 

『はやーい!』『地味に時速400キロ出してて草』『他の車は何なの?』

 

「茶色というか黄色というかこれはモブの車です。ただの障害物」

 

『モブw』『動かないもんなぁ……』

『通り過ぎるだけの人生……恥ずかしくないの?』

 

「そしてこれが燃料の補給車。時間制限が燃料の残量なので、これは重要なのです」

 

白・オレンジっぽい車にだけは、接触して燃料を補給できる。出来ないと終わる。

 

『悲しいなぁ……』『これは養分ですね……』『養分として生きていく』

 

「さらにこのファイター要素です。赤い車と青い車が体当たり攻撃を仕掛けてきます。

なにしろロードファイターですから!」

 

『いきなり不穏で草』『ようやくファイター要素が』

『まあ後の何でもありの作品と比べると地味なんだけどな』

 

青い車は2種類のグラフィックがあるが、正直何が違うのかは分からない。

 

「あとは……ノーミスで進むと出てくるコナミマンとか」

 

モニター画面の左側を、下から上へスーパーマンのような何かが通り抜けていく。

 

「得点ボーナスですね。アーケードだと飛行機とか列車とかもあるらしいですけど」

 

『おおらかな時代』『何でもスコアアタックの時代だったんだなって』

 

ゲームは進む。ステージ1もラスト近くなった時、

2キャラ分のグラフィックを使って若干大きなトラックが出現する。

 

「他の車は当たってもリカバリー出来ますが、トラックは一撃死なんで注意が必要です」

 

『だよな』『然り然り』『他の車の方がおかしいんだけどな、これw』

『他の車には当たっても無事な時点でなw』

『トラック怖い、転生しちゃーう』『転生トラックじゃねえよw』

 

見事ステージ1のチェックポイントを通過し、ステージ2へ。

ステージ2は、海か川か知らんが水の上にかかる橋だ。

 

「このステージ2はステージ1とそれほど変わらないので、

このゲームの特徴である衝突からのリカバリー動作をお見せしますね」

 

モブ車にわざと衝突すると、自機はモブ車の逆方向へスリップを始める。

そのスリップする方向へ向かってハンドルを切り(方向キー入力)、

その直後に元方向へ立て直し(逆方向キー入力)すると、

スリップしたはずの車が立ち直り、速度を維持して前に進むことが出来る。

 

『スィー』『www』『地味におかしいw』

『こんなん出来たら事故なんてないわw』

 

「私なら出来る、なぜならロードファイターだからだ!」

 

『お、おう』『せやな』『のびちゃんまた調子に乗ってる……』

『アメリカ大統領か何か?』『ロードファイターってすごい(小並感)』

 

ステージ2もあっさりクリア。前世ではアホみたいにやり込んだからな。

ダイブ主観操作なら分からんが、同じ操作系統の仮想コントローラー式でミスる要素はない。

 

『これ上手いのか?』『かなり上手いと思うよ』

『意図的に以外は衝突すらしてないしなぁ』

 

そしてステージ3、おそらく最難関であるだろう、

車2台しか通れない狭い道が延々続く海岸の道路だ。

 

「これ確かアーケード版だと広い道もあったステージなんですけどね」

 

容量か何かの都合か?何にせよファミコン版限定で狭い道オンリーの、

リカバリー動作の関係上ロードファイター最難関のステージと言っていいだろう。

 

「こんな狭い道で、順・逆キー入力なんてしたくないので、当たらないように祈ります」

 

『祈りコマンド使用』『いのれ』『のびちゃんが祈ると……何が始まるんです?』

 

その後、2度ばかり衝突したものの、瞬時のキー入力でリカバリーすることが出来た。

 

『奇跡』『やはり女神……』『もーまたのびちゃん老練な動きするー』

 

せまっ苦しいステージ3も楽々クリア。今日は特に調子がいいな。

 

ラストステージのステージ4は、オレンジ色に染まったステージ。紅葉と枯れ草かな?

道が結構広くなる変わりに若干カーブが入る。

だがまあ、ステージ3をクリアしたなら苦労するほどじゃない。

 

全ステージ、10分かからずにクリアできた。

 

『おめええええ!』『888』『8888』『さすのび!』

『これでクリア?』『初期の名作って感じがする』

『BGMがないのがまたいいよな』『いい……』

 

ふふふ、視聴者の草どもめ。クリアしたと思って安心しきっているな。

だが、レトロゲームはこれだけでは終わらない!

 

「見せてやるぜ、その先をよぉ!」

 

『ループきたあああああ』『まさかの周回w』『知ってたwww』

『とんでもねぇ、待ってたんだ!』『やった地獄の無限ループだ!』

『のびちゃんのご褒美タイム来たーーーー!!』

『クソゲーみたいな反応やめろwww』

 

その後、俺の挑戦は4周目で終わった。

4周目ステージ4で敵の車に衝突、運悪くカーブと重なり避け切れないのコンボ。

何度か重なり、ついに燃料が無くなってゲームオーバーだ。

 

ハードラックとダンスっちまったんだよ……。

 

 




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