TS転生未来レトロゲーム実況配信のびる   作:おかひじき

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もやし王国……?


フェアリーランドストーリー(ケーキは死の香り)

 

「魔法使いになりたかった!」

 

『お、おう』『せやな』『急にどうしたの?』

 

「魔女でも賢者でも魔道士でも天地雷鳴士でもいいですけど、魔法で戦いたい!」

 

『スレイヤーズかな?』『まじかるどろぴーだろ?』『ドラクエ7発売いつだっけ?』

 

「その私の原点!今日はフェアリーランドストーリーをやって行こうと思います!」

 

『始めて聞いたな』『し、知らんぞ』

『知ってるけどよく見つけてきたな、元機種の問題で見つけにくいぞ、このゲーム』

 

知ってた。これ1985年の最初のアーケード版から、途中パソコン版移植が出ただけで、

家庭用で遊べたのは2005年のPS2版、

2006年のPSP版タイトーメモリーズに収録されてからで、

今世での発掘が古くから行われているファミコン~PS1までをスルーしちゃってるんだよな。

 

これはメモリーズ等の集合ゲームメインの発掘者集団が、

最新発掘の部類に入るPSP版メモリーズ発掘からの業者内個別試験公開(有料)していたのを、

ちょっと前に姉にねだって買ってもらったものである。

配信収入が無ければ無理だった……。

 

ちなみに前世の俺はPSP版のメモリーズを買ってやりまくった。

そのわりには下手なんだが……。奇襲多いからなぁ、このゲーム。

俺の奇襲に弱いという弱点に刺さりまくる。

 

「出来ればファミコンのゲームとしてやりたかったですよねぇ……。

幼少期にアーケード版を見て以来、ファミコンの箱と透明なビニールの中から、

これを取り出す日をどれだけ待ち望んだか。結局その日は来ませんでしたが」

 

『お、おう?』『アケ版とメモリーズ版はちょっと違うんだっけ?』

『箱買いとはこれまた豪気ですな!』

 

フェアリーランドストーリーを起動すると、

俺のアバターは赤く大きな魔女帽子とローブに切り替わった。

手には先が星型になったステッキとほうきを持っている。

 

このゲームの主人公、アルファルファ王国第三王女のトレミーである。

 

ただし髪の毛と目の色は深緑で、当然メガネもかけている。

俺自身のアバターの着替えバージョンになっていることが分かる。

 

「これ私はいいですけど、他の人がやる場合もデフォルトはこの服になるんですか?」

 

『なるぞ(絶望)』『男子学生で赤い魔女帽にローブはいやーきついっす』

『えっ?デフォルト設定の自己アバターじゃなくて、トレミーアバターでやらないのか?』

『えっ何……それは』『それはない』『自分が魔女っ子は無理がありますね……』

『ま、まあデフォルト設定じゃ無くてアバター調整入れればどうにでもなるから』

 

何だか間接的に今の俺に駄目出しされたような気分になるが、まあいい。

とりあえずスタートしてバトルフィールドに乗り込むぞ!

 

……このゲーム、トレミーが毎ステージごとに空飛ぶほうきで乗り込む演出が入るんだった。

ほうきに乗ると自動的に動いて、ステージに置き去りにされる。

 

「ほうきに乗って戦えば、高速で空中移動して敵をやっつけられていいと思うんですがそれは」

 

『そうだけどさw』『それなんて東方?』『コットンじゃないのか?』

『ガンバードでは?』『式神の城かな?』

 

総ツッコミ乙。

いやまあゲーム違うことになるから仕方ないんだけどさ。

 

 

1面は敵がオークだけしかおらず、ステージ構成も単純。

単純な階層構造になっている青いブロックの床をジャンプで飛び回って、

敵を倒していくステージだ。

 

「えーと……お菓子になっちゃえ!」

 

何か呪文でも言おうとしたが、いいのが思い浮かばなかった。

このゲーム、見た目はファンシーなのに攻撃手段はえげつなく、主人公のトレミーの攻撃手段は、

「敵を一時的にチョコレートのかかったケーキにする魔法」である。

 

一部の敵を除いて一撃で敵をチョコレートのかかったケーキに変えられるので、

いかに速く打つか、適切なタイミングと場所で撃つか、

変えたケーキを落としたり壁に使ったり押したりして活用するかが基本戦略になる。

 

俺はあっさりと敵を誘導し、魔法で変えた大きなケーキを上から落として、

誘導した敵を圧死させた。そう、魔法で変えたケーキは大きいのだ。

落としたら魔物も人もひとたまりもないくらいに。

 

『ひぇっ……』『何でこれが全年齢なんですか!?(迫真)』

『見た目はファンシーだけど、エフェクト音が増えててえげつないですね……』

『ドズッ……(ケーキで魔物が押し潰される鈍い音)』

『見た目さえかわいくすればええやろw』『かわいいな……よし通れ!(ザル規制)』

 

いやまあ考えてみたら残虐超人もドン引きの事してるけど、

デフォルメの度合いが大きいからそれほどの感覚はないんだけどな。

 

 

2面、3面も敵はオークだけ。3面は木の床になってはいるが、

階層の構造が変わっただけなのでクリアはあっさり。

 

『オークのくせに……失望しました』『このオークは偽者だな(オークソムリエ)』

『架空モンスターに偽者って何だよw』『お前らオークに何を求めてるんだw』

 

 

4面は青ブロックに戻るが、新しい敵のウィザードが登場する。

こいつの放つ弧状の魔法に当ると、トレミーがフェアリーの状態異常になってしまう。

動きは遅く、身体が小さいので攻撃の射程は短く、もう一度これに当るとミスである。

魔法を撃ったこいつを倒せば、元に戻れる。

 

そしてこのゲームのシステムとして、

ステージの敵が最後の一匹になったら時間で消滅してしまうというものがある。

これは詰み防止や稼ぎ制限になっているのだが、

フェアリーになった状態で、なおかつ魔法を撃ったウィザードが消滅すると、

フェアリー持ち越しで元に戻れない。無理ゲーの開幕になってしまう。

 

「まあ、撃たれる前に撃てば何の問題もないんですけど」

 

その言葉通り、これまたあっさりクリア。

倒す事を優先し、魔法連打でケーキを消滅させる技も初めて使った。

 

 

5面は青ブロックの床になったが、あまり変わりなかったのですぐに撃破。

 

6面はよくあるトカゲ怪獣のような、緑のサラマンダーが初登場。

こいつは主人公と視線が重なると火の玉を吐いてくるので要注意だ。

弾速が速い上に当たると一撃なので注意しなければならない。

これもやられる前にやれ、だな。

 

 

そして7面、サラマンダーとオークのステージをクリアーすると、

原作ゲームでは幕間のようなドット絵アニメーションが入る。

英語だが、「フェアリーランドにようこそ!」と書かれている青空を、

ドラゴンの「ロドミー」に乗った主人公が横切っていく。

ただそれだけの演出なのだが、ダイブリメイクでそこがどうなったかと言うと?

 

「乗れって?」

 

翼がなく、首がものすごく長いわりに身体はずんぐりむっくりした、

ファンシーと言うよりはすっとぼけたデザインのドラゴンが、

俺の目の前で地面に首をベターッとつけて、俺が乗り込むのを待っている。

 

『何だこのドラゴン!?(戸惑い)』『ぶっさwww』『翼ないのに空飛べるの?』

 

ええい、ままよ!とばかりに俺が乗り込むと、

ロドミーはのったりのったりと身を起こしてそのまま浮き上がり、

ゆっくりゆっくり青空を移動した。

 

とても たのしかた です。(小並感)

 

 

何事も無かったかのように、8面が始まる。

ウィザードとオークしかいないが、この当たりからステージの形が複雑になってくる。

どこに入れるのか、どこを敵が通れないのか、全て把握するのは難しい。

 

「ん?」

 

ダイブで立体的となったフィールドに悪戦苦闘していると、

何かアイテムが出現している事に気づいた。

このゲーム、どうやら主人公の歩数か何かによってアイテムを出現させているらしく、

アイテム狙いならとにかく歩き回る必要がある。

 

しかし永久パターン防止キャラもいるので、その見極めが難しい。俺はやらない。

とっさに複雑な状況判断をすると頭がおかしくなって死ぬ。

 

「これは……ムーンティアラか!」

 

このゲームは一定時間が経つか、ムーンティアラを取るとお月様が出現する。

敵は全てケーキに変わり、それを破壊するとスコアアイテムのコインがもらえる。

なぜお月様が出ると敵を倒せるのか?

 

『んんww古典ファンとしては、セーラームーンを連想しますぞ!』

『それなw』『ムーンティアラだからしゃーない』

 

トレミーの方が先に姫でムーンティアラだったんですよ!

でもまあこっちはスターティアラもあるし巻物や魔法書を使って戦えるのでセーフ。

何がセーフなのかはよく分からない。

 

 

9面ではゴーレムが初登場。ケーキからの復活が早い所に注意。

 

10面、11面とクリアして12面。青いローブに空洞の「レイス」が登場。

こいつは魔法を回避する性能があるのがきつい。

 

「えい!くそっ!こんなに厄介とは!」

 

『がんばえー』『のびちゃんメガネずれてない?』『き、消えるのはずるい!』

 

レイスに夢中になった瞬間、ゴーレムのジャンプに接触してしまう。

 

「あっ……」

 

『あっ……』『南無……』『次ののびちゃんは上手くやってくれるでしょう……』

 

あー、くそっ!このゲーム単純な1画面アクションなのに、

妙にパズルみたいな戦略性があるんだよな。

そのせいで俺は引きこまれるのに、アクション部分の難易度が結構高くて苦労するというか。

なんというか、俺専用の捕獲器なんじゃないかってくらい周囲が見えなくなってしまう。

 

ちなみに主人公はミスると泡に入って昇天して行く。呪いの館か何か?

 

 

やられる前にやれ戦法でクリアし、13面。

ここでは茶色のクレリックが登場する。放置すると分身を作るが、

やられる前にやるなら問題ない。

 

『のびちゃんの本気』『先手必勝!』『スコアとかどうでもいいんだよ!(恐怖心)』

 

14面はオークとゴーレムしかいないが、地形が嫌らしい。

中央上のゴーレムに乗って渡る必要がある。

敵の頭に乗るというかれいなテクニックを披露する時が来たようだな!

 

……ようだな?

アクションを披露するの?

俺が?

このゲーム魔法使い姫が主人公だからか、

ゲーム的基本動作アシストはあってもアクションサポートはないのに?

 

「おりゃっ!はっ!とう!」

 

中央のゴーレムの上に乗り、見事に落ちてゴーレムの餌食に。

 

「ハイッ!メイッ!ニャッ!」

 

今度は乗る事すら出来ず、振り返って魔法を撃つ事も無く後ろからゴーレムに接触。

 

「まずい、もう残機がない……」

 

ここで、魔法連打で敵を消す事を優先した事が裏目に出た。

これをやるとスコアが伸びず、スコアによる1UPが少なくなってしまう。

生き残り優先だから仕方ないといえば仕方ないのだが。

 

「やってやる!やってやるぞ!」

 

どこぞのスパロボモブエリート兵のような叫びを上げながら、俺はラストチャンスに挑んだ。

結果は……成功!

ここさえ越えられればあとは敵を一匹消すだけの簡単な仕事。

中央のゴーレムはラスト1匹のシステムで消えてもらおう。

 

「くぅ~疲れましたwステージ終了ですw」

 

『お疲れ様ですw』『やりますねぇ!』『のびちゃん頑張った!』

 

 

この14面クリア時にも、ドラゴンの演出が入る。

今度は夕焼けか朝焼けか知らんが、オレンジ色の大空をゆったりと横切っていく。

 

「何だか楽しくなってきました」

 

慣れとは恐ろしいものだな。

 

 

そして次の15面。ここにはヤツがいる。

人も魔物も無関係に飲み込んでしまうウォーム。

ワームではなくウォームであり、見た目は巨大な緑のイモムシ。

間違ってはいないが、ちょっとイメージには合ってないな。

 

上手くゴーレムとサラマンダーを誘い、イモムシに捕食させる。

何と1体7000点の稼ぎだ。これはやるっきゃない!

 

「あっ……」

 

『あ……』『ひえっ……』『全年齢とは何だったのか……』

 

立ち位置を間違い、俺がイモムシに捕食されてしまった。

感覚はないが、長い舌が絡まって、穴の中に引きずり込まれて……。

 

 

 

「ゲームオーバーです!」

 

『www』『やるな!』『のびちゃん大丈夫?』

 

「ええまあ、見た目と状況、両方があれじゃなきゃ大丈夫です。

しかし今回は上手く出来ませんでしたね」

 

もう少し行けると思ってたんだけどなぁ。

アクションサポートの有無と、俺自身の身体能力が出てしまったか。

 

「ええと、とりあえず大丈夫だけど疲れはしたので、今日はここで終わりにします。

ご来場とご視聴、ありがとうございました!実況は今日も全部、のびるでお送りいたしました!」

 

 




このゲーム、レベルという概念があるらしい……
まさかRPG!?
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