TS転生未来レトロゲーム実況配信のびる   作:おかひじき

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うろおぼえダメ、絶対


タッチ〈セイントの世界〉

ファミコンにしては綺麗と言えるオープニングの一枚絵からスタートする。

 

「はーいタッチやりまーす」

 

『きたああああ』『これがあの伝説の……』『グラフィックはいいじゃん』

 

「今日はタッチをやるんですが……最初に言っておきます」

 

『はい』『はい……』『何ぞ?』

 

「考えるな、感じるんだ!」

 

『はい?』『はい……』『あっ……(察し)』

 

「説明してたら進めませんので、苦手ですけどやりながら気まぐれに答えます……」

 

『はい……』『はい……』『何かを察した視聴者たちwww』

 

「じゃあ行きます……よーいスタート!」

 

自機は、たつや・かずや・みなみの3人。

ファミコン版ではたつや・かずやを切り替えてプレイする形だったが、

ダイブ版リメイクではみなみも選べる。主人公として選んで動かせるだけで、

アイテムも持てないし攻撃できるようになったわけでもないが。

たつやとかずやを(プレーヤーとして)動かす、司令塔的な設定になるらしい。

基本的にダイブ型ゲームでは身体適応的に版権主人公の扱いが難しいのだが、

このゲームは容姿をプレイヤーのアバターに合わせて名前と設定だけ原作どおりの仕様のようだ。

 

……ダイブ型リメイクとして女の子に配慮しつつ、ゲーム性を変えない見事なリメイクだ!

俺はせっかくだからこの赤い服のみなみを選ぶぜ!

みなみ操作を選び、ついに俺はタッチの世界に降り立った!

 

「MINAMIKAZE……」

 

『南風……』『みなみかぜ……?』『3人はどういう集まりなんだっけ?』

『三邪神?』『ヴェンディリオン三人衆かな?』『なんかいるぞ』

 

何もせずに数秒たたずんでいると、

白い犬が3人の自機に接近し、ファンファーレのようなものが流れる。

 

「はい。この白いのが犬です。子犬です。10匹いるので集めるのが目的です」

 

『はい』『ハイ……』『あっハイ』

 

「とりあえずお外は危ないのでこの家の中に入ります……そしてこのセイントから

野球ボールをもらいます……」

 

『セイント……?』『聖闘士!?』『犬の聖闘士!?』『犬人間?』

 

「セイントが何なのかは……これがわからない……さあ、野球ボールをもらったので、

これで敵と戦えるぞ!」

 

『!?』『まさかのバトル野球www』『おい、野球しろよ』『何の聖闘士だよwww』

 

「最初の敵は人形……ですかねぇ」

 

ダイブ型リメイクで立体化して、余計に唐突感が増している。なぜ人形が……。

 

『原作にもいた』『いないぞ』『基本こういうゲームは世界全てが敵だぞ』

『これはタッチですか?』

 

たつやとかずやは2人同時に攻撃するしボールも投げる!双子だから当然だな!

(おめめぐるぐる)

 

「巨大な野球ボールで人形を処理しつつ移動し、缶切り?らしきものを買います。

そしてこの家のセイントに……」

 

『渡した?』『よく分からん……』『SHOP WAO?』『ワオ?』

 

「ショップワオを探して……探して……あれ……どこだっけ……』

 

『敵が変わった』『何この……何?丸?』『飛行機の模型か?なぜ襲ってくる……』

 

「これは近かったはず……あった、良かった」

 

SHOP WAOでリュックを2つ買い、アイテム所持数を増やす。

 

「えーと次は……次は何だっけ?お便りとか……森だったかな?ちょっと分からない……」

 

しまったな、このゲームは前世では延々やってて大好きなゲームだったけど、

正直子供のころはクリアしたことなかったんだ。

アホみたいに脈絡のない敵たちを倒すのに夢中で、それだけを楽しんでた。

大人になって動画や生放送でクリアした人を見て、

その攻略法を頼りにようやく自分でもクリアした経験があるに過ぎない。

 

『しっかりして』『お?介護が必要か?』

『しかし俺らもわからん……クソゲーって以外情報がない』

『ヘリが襲ってきた!?ホント何なんだこのゲーム!?』

『おいこっちのリメイクはまだクリア報告ないぞ!大丈夫なのかこれ!?』

 

その記憶も流石に薄れている……いやマジで脈絡がなさ過ぎて記憶にとどめるのが難しいんだ、

ホントに。

その上このゲームの情報はあんのじょう時の彼方に消え去ったらしく、

ネット上の検索においても「すごいクソゲー」という2次情報しか残されていない。

 

「どすこいがうざい……ええと、どっちかな。こっちかな……

おたよりお待ちしてます?こっち先か……」

 

しかし探索でフェイクの鍵集まりすぎたな、このゲーム捨てるの面倒なのに。

 

『頑張って』『どすこいwww』

『ところで上の数字は何なの、経験値?なんか増えたり減ったりしてるけど』

 

「あ、上の数字ですか?これはお金とHPが一緒になったものと思ってもらえれば。

金は命より重い、どころか命そのものである!」

 

『マジかwww』『高い買い物すると瀕死になるのかw』

『たつやの命は30、かずやの命は260……』

『敵を倒せば金が増える……命も増える!普通だな!』

 

「あった、葉書、これを買って、近くの郵便局に出す……出す!英語だけど

郵便局って書いてあって助かった……

さっきのおたよりのとこ行って、赤い鍵をもらいます」

 

攻撃も出来ない、アイテムも持てないというお荷物状態なのはファミコン版と

変わっていないが……

みなみを操作キャラにしていることで相当楽になってるな。

これならクリア行けるかも?

 

『次はどこ行くの?』『もう何があっても驚かんぞ』『おなかいっぱい……』

 

「次は確か、鍵は……そうそう、薬屋の中が異空間ワープになってるので、

そこで使います」

 

『は?』『は?』『異空間?』『ちょっとよくわからない……』

 

薬屋もドラッグストアって書いてあったはず……ああ、あった。

 

「よし、行くぞ!」

 

薬屋を抜けると、石畳と石造りの建物、そして飛び交うコウモリが俺たちを出迎えた。

 

『ちょっと待って、世界観が……』

『さっきまでは洋風和風混じってたけど住宅地だったよな?ここは……』

『ダンジョンじゃねーか!』『これがタッチか……』

 

ダイブ形式で危険度が増したコウモリをかわしつつ移動し、ベルを入手。

アイテムの「人形」を買って手に入れた。

 

『スケルトンwww』『雷神www』『よくわからん煙が……』

『俺たちは何を見ているんだ?』

 

「はい、ここで人形を使います。みんなも心の準備を」

 

『はい』『何ぞ?』『これ以上何があるんだ……』

 

いまだダンジョンではあるが、特徴のない扉を潜るとそこには。

微妙に低音の迫力あるBGMと共に、唐突な決戦の谷っぽい地形に鎮座した

巨大な人形がいた。

 

『ボス来たああああ!』『ボスいるのかよ!!』『雑魚人形ばら撒いてきたぞ!?』

『こまった、ちょっと勝てない……』

 

「人形は人形でしか倒せません。ので人形を投げつけて倒します」

 

『よわ!』『よっわwww』『からくりサーカスかな?』『 れざあ・ましおう! 』

『名作を汚すな』『それは今更感が……』

 

唐突に現れる2匹目の犬をゲットして、次の目標に移る……。

 

 

 

………………

 

 

 

その後も色々あった。

 

南の倉庫街ではバケツを使って動く水溜りをくみ上げる作業を行い。子犬を救出。

 

学校ではコップを投げてロボットと戦い、森ではでかい木をマッチで燃やした。

 

鏡で洞窟の子犬を救出したこともあったが、どうやったのかは理解できない。

 

アパートに岩男(文字通り)がいればハンマーで叩き壊し、

神社にカニがいれば柿で倒した。普通だな!

神社で必要なドルマークの小判(意味不明)を取るのはマジで死んだ!

あんなの分かるわけないだろ!いいかげんにしろ!

 

最後は(ようやく)原作に出てきた犬のパンチ……によく似たグラサンの巨大犬を

指輪で(?)倒して子犬を救出。

これで終わり……ではなく、こっそりもらっておいたオーブのようなもので

大聖堂の扉を空け、

何のイベントもないいつものボス部屋で何事もなく10匹目の子犬を救出して終わり。

 

そう、終わりである。

 

「終わったああああ」

 

救出後、スタート地点にワープした我々は南風に入り、エンディングを迎えた!

もう細かいことにはこだわらない、便利でいい!いいのだ!

 

『やったあああああ』『終わったああああ』『マジで乙』

『5時間30分の死闘……お疲れ様です……』

『いやあ初見でこれクリアってだけで相当ですよ』『それな』

『これはマイスターの才能あるのでは?』

『貴重な休日が……』『ドルマークの小判(イミフ)の時はマジで終わったかと思った』

『フィールド無駄に広すぎるんだよ……』

 

実は初見ではないんだけどね……うろおぼえだったせいで相当時間がかかってしまった。

ドルマークの小判は冗談抜きでフィールド総当りで攻撃モーションする羽目になった。

反省点だな……。

 

『あっ』『あっ……』『これは放送事故では?』『やりますねぇ!』

 

ん……何だ?長時間の作業プレイで疲労度が高いので、

既に主観プレイモードを切って標準アバターに戻してるから

配信状況が見えないのだが……ダイブ内ツールで……

 

「な……なんじゃこりゃああああ!!!」

 

モニタリングツールに表示されたのは、たつやとかずやに挟まれた俺の一枚絵。

しかし……その背景が完全にハートマークだった!

 

「あ、ええと、これはな、ちゃうねん。違うの。タッチのエンディング絵で」

 

忘れてたあああ!そうだよこのゲームのエンディングって

「みなみがこの画面で貢献度に応じてたつやとかずやにチューする」ってアレじゃん!

ダイブ型の配慮はされていて、動きなし、

たたずんでいるだけの純粋なファンサービスという感じにはなっているが……。

 

『あら^~』『のびるちゃんはタッチがお好き(意味深)』『これは乙女』『ネ闇深』

 

は、恥ずかしすぎる!最後の最後までこの俺を追い詰めるというのか!タッチ!

 

「き、今日は終わり!終わりです!解散!もう見ちゃだめ!見ちゃだめだから!」

 

このあとダイブ室を出て、

家のパソコンでこの画像がしっかりとネタにされている様子を確認し、悶絶した。

 

 




タッチ……野球さえしていれば……
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