ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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一年生 二月第四週目 その2

「私なんてストーキングしても面白くないと思うんですが………。心当たり何かないですし……。」

 

身体をきゅっと小さくして下を向き、長い前髪で表情が見えない彼女はストーカー被害にあっている裾野だ。

昨日、屋上での短い会議のあとも俺ら三人はそれぞれが怪しい人物について聴き込みをしていた。

しかし誰も有力な情報を得ること無く途方にくれた俺らはとりあえず、昼休みに教室に呼び出し裾野から直接話を聞き出すことにした。

 

「今日や昨日も誰かにストーキングされてる感じあるのか?」

 

「ええ……後ろから誰かついてきている気配を感じます……。」

 

「なるほど~。」

 

相模も小田もそして俺も考え込む。

 

「何かされたらと思うと……怖くて怖くて……」

 

「そうか……じゃあとりあえずこれ。」

 

小田はそういうとポケットから鈴を取り出した。

 

「ついてきていると思ったらこれをリンリン鳴らしてくれ。俺らはすぐ近くに待機しているからさ。」

 

「防犯ブザーとかの方がいいんじゃないか?」

 

「それだと明確に敵意が出る。逆上されて攻撃を食らうかも知れない?あと単純に音でどこにいるかわかりやすい。」

 

「なるほど。」

 

何か野性的だなぁ。

小田は裾野に飾り気のない鈴を手渡した。

 

「自然に鳴らしやすくて歩く度に鳴る……そんな所あるかな相模?」

 

「俺?うーん、スマホ、とか?」

 

「なるほど、スマホだとポケットにしまっておくから歩く度に鳴るし、鳴らしたいときはスマホ触る振りをすればいいのね。」

 

妙に饒舌で裾野は相模の返答に返してきた。

そういえば、バレンタインの時も相模に渡してたんだっけ?

もしかしたら、相模は知らず知らずの内に攻略ルートを通っていたのかも知れない。

 

 

 

 

授業終わりのチャイムが鳴る。

 

俺らは裾野のストーカー探しのために鞄を背負い足早に教室を出ようとすると、相模の元にリカちゃんが駆け寄ってきた。

「最近兄ちゃんと帰れてないね。」

 

「悪いな、これが終わったらまた帰ろうな?」

 

「うん!頑張ってね!」

 

 

 

 

「はぁー、お熱いこった。」

 

「何言ってるんだよ。最近セリカもお前に構って貰えないから目に見えて寂しそうだぜ?なぁ?」

 

リカちゃんと同じように小田に駆け寄ってきたセリカの姿が見えたのでそんなことを言ってみた。

 

「いきなり何変なこと言ってんのよ!こいつなんてどうでもいいんだから!」

 

「へ!?ひでえ!?」

 

小田はショックを受け、いつかのようにしゃがみこんだ。

正直小田がセリカの恋に気付いているのかどうかは分からない。

ラノベ主人公とは恋愛に関しての反応は主に、鈍感系だ。

だが、がっつり系や気付いているけど関係が変わるの怖い系等意外とバリエーションがあり侮れない人種なのである。

 

「また、私酷いことを……。」

 

「セリカ様……あぁ可哀想なセリカ様……。」

 

小田と同じようにしゃがみこんだセリカを、花園は熱い抱擁で慰めていた。

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