ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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二年生 春休み その2

ポップコーンとコーラを小脇に抱え席に座っていると周りが暗くなる。

それと同時にビーっとブザー音が鳴る。今時こんな映画館ある?

 

そのブザー音にびっくりしたのか二人が跳ねる。

 

「頼む、恥ずかしいからやめてくれ。」

 

「す、すまん。何せこんなところに来るのは初めてでな。」

 

「アヤノさん謝る必要ないですわ。この男も跳ねていましたから。」

 

あれ?バレてた?

 

 

 

 

 

 

『おい、嘘だろ…あれは……サメの行進だ!!』

 

 

「い、いやぁ……」

サメの行進の後に血の海が出来てる場面で思わず花園は目を覆う。

 

「花園殿!かっこいいぞ!鮫が空飛んでかっこいいぞ!」

 

「花園目瞑ってるなよ、ここおもしれえぞ!…ぶははは!主人公チェーンソーで突撃したよ!しかも無双してるし!!」

 

「何でこんな映像で笑えるんですの!?」

 

「いやあいつら見ろよ。」

 

俺が指差す方……つまりあの二人を花園は見る。

 

 

 

「ぎゃはは!何で町中で水着ギャルいるんだよ!!喰われたし!」

 

「ジェシー!そこよ!そのサメをおじいさんのチェーンソーで殲滅するのよ!」

 

 

 

 

「な?」

 

「あれ!?これ怖がってるの私だけですの!?」

 

 

 

 

 

 

 

上映が終わり現実の世界に戻される。

どんな映画でもエンディングを見ると泣きそうになるのは俺だけだろうか?

 

 

 

「もうサメ映画は懲り懲りですの……。」

 

劇場から出るなり青い顔をしてフラフラしながら花園が呟く。

 

「いやーあそこでまさかサメの行列にミサイルランチャー撃ち込むとは思わなかったな。」

 

「鮫が集合して大きな鮫になるのは素晴らしい発想だな。」

 

「もういいですの……」

 

どうやら俺らと花園の映画の感想は真逆のようだ。

 

「でも、あいつらも俺らと同じ感想らしいぞ。」

 

俺が指差す先……、つまりあの二人が仲良さそうに先程の映画の話で盛り上がる。

 

「この世界の感性が私だけ置いてどこか行ったんですの!?」

 

花園は叫ぶ。アヤノはすかさず防音結界の印を結ぶ。

別の感性の世界に投げ出されるより数倍マシだと思うんだがなぁ……。

 

 

奴等のデート、俺らの尾行はまだ続く。

 

「昼飯に回転寿司選んだか……。俺らも入るぞ!」

 

「お寿司が回ってるんですの!!」

 

「一度は生で聞いてみたいセリフだな。」

 

「原殿!食べた皿をここに入れるとガチャガチャが出来るぞ!?もうこんなにも景品が…」

 

「てめえ何枚入れてんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

「む、ゲームセンターに入ったようだな。」

 

「じゃ、俺合法的にメダルパチンコとスロットやって来るからお前ら適当に張り込みしつつ遊べや。」

 

「待ってくださいまし。そんな不良がやるようなもの……。」

 

「馬鹿大人の唯一の楽しみなんだよ。……やっぱメダルは設定甘いな。もう魚群だ。」

 

「原殿!私は  タイムだぞ!!」

 

「何?いい感じに聞こえない!!」

 

「だから  タイム!!」

 

「だから聞こえねえよ!!」

 

「水のように?」

 

「あーわかったわかった。何タイムか分かったけど忍が忍のスロット回してるんじゃねえよ。」

 

「あわわわ、原さんの100枚のメダルが1レースで消えましたの……。これが賭け事なのですね……。」

 

「人のメダルを馬鹿が馬で使って溶かしてんじゃねえよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ショッピングモール入ったな。ウインドウショッピングか?」

 

「このお店お洋服が可愛いですわね。ここからここまで包んで下さいまし。」

 

「すげえここからここまでの本物見ちゃったよ。明日から自慢しよう。」

 

「誰にするのだ………」

 

 

「ここからここまで下さい。」

 

「古本屋の108円棚で張り合って虚しくないのか……。」

 

「私、原さんの前でお金使う行為するのやめますわ。」

 

「配慮するのやめて!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れ

この世界の夕方は幻想的だ。

分かりやすく何もかもが赤に染まり、見方を変えればロマンチックにも爽やかにも恐怖にも見ることができる。

だが今は確実にロマンチックな夕焼けだ。

ここは高台にある公園。小田とセリカがベンチに座りながら話をしている。

 

 

「今日はありがとうね。」

 

「セリカちゃんと一日遊べて楽しかったよ!!」

 

「ば、バカ!」

 

 

 

 

 

 

「あの野郎本当に腹立たしいですの!」

 

「次どこ行くか?」

 

「そうだなぁ……先程の鮫映画をもう一度……」

 

「あんたらは何しにきたんですの!?」

 

ベンチから後方数十メートル。

有料の望遠鏡等があるこの公園でも一番の高台で花園が今日一番のツッコミを入れた。

 

「もうあいつらどうでもよくね?勝手にキスしてろよ」

 

「確かに。私はお前らと遊ぶ方が楽しいな。」

 

「はぁー。」

 

花園がため息をつきながら頭を抱えながら数歩歩くと、クルリと俺らの方を向き、まるで子供に教えるように一つずつ丁寧に説明をしていった。

 

「大体今日私は一日一人で、あの野郎がセリカ様に変なことをしないのかこっそり見守ってたんです。」

 

「ストーキングだな?」

 

「見守ってたんです。そこに原さんが『ラブコメを見たい』と着いてきたんです。ここまでわかりました?」

 

「はーい」

 

「その後、二人は映画館へ。それを追ってきた私達は二人の観る映画を知るために原さんが呼び出したアヤノさんの力を借りて映画の内容を確認することができた。ここまで大丈夫ですか?」

 

「うむ!」

 

「つまり、我々はあの二人を尾行するために集まったようなものなんです!」

 

「お前はそれでいいのか?」

 

「え?」

 

「お前は、あの二人を追いかけるだけの休日でいいのか?俺は嫌だね。」

 

「いや、だから嫌も何もせめて二人を監視する為に集まったんだからもう少し……」

 

「お前の俺らへの友情はそんなものなのかよ!アヤノ!言ってやれ!」

 

俺が花園の目の前から体を少しずらすとアヤノが、まるでそこが定位置かのように元俺がいた場所に立つ。

 

「私は今日、花園殿とこいつと一緒に遊べて楽しかった。ここまで楽しいのは久しぶりだった!しかし、花園殿はどうやら我々が邪魔だった様だな……。」

 

「ち……違…」

 

「いいのだ!貴女は迷惑だろうが私は貴女を友達だと思っている……。その友達の邪魔だけはしたくない……。だから私はもう貴女の邪魔にならぬようにこれからは今まで通り他人に…」

 

「違いますの!!」

 

アヤノの悲痛な声を掻き消すように花園が声をあげる。

 

「違いますの!!今日私も尾行しながらでもお二人と遊ぶことができて楽しかった!!……アヤノさん!これからもよろしかったら私とお友達のままでいてください!!」

 

「花園殿……」

 

「アヤノさん!!」

 

二人はがしりと抱きしめあう。

これは、オタク達が軽々しくいう百合何かじゃない。熱い友情だ。今日一日一緒にいただけだが二人は確実に親友だ!!俺は思わず声をあげる。

 

「二人とも素晴らしい友情だ!特に花園!よく愛と友情を天秤にかけ友情を選んだ!!」

 

「ええ!私にはこんなにも素晴らしい友人がいると気づいたんです!」

 

「なるほど!...とりあえず今日の一部始終を全部言ってるの聞いてましたよね?」

 

「そうね……。今日一日中私達の事ストーキングしてたんですって、レイ?」

 

「へ?」

 

花園は恐る恐る後ろを振り向くとなんという事でしょう、先程まで数十メートル先にいたセリカと小田がいるじゃないですか。

 

「レイ……いや花園さん?お話もう少し聞かせていただけるかしら?」

 

「と、とりあえず、逃げますわ…」

 

「アヤノ。絶対に離すんじゃないわよ。」

 

「サー。セリカ様。」

 

「アヤノさん?嘘ですよね私達親友ですよね?ちょ……」

 

「すまぬ花園殿。女の友情は薄氷より薄い。」

 

「そ、そんなぁあああ!!」

 

花園はセリカにどこかへ連れ去られてく。

さらば一日限りの親友よ。

 

「そういえば原も俺らの事つけてたんだよね?」

今までスマホを触っていた小田がにこにこしながら俺に質問を投げかけてきた。

 

「まあ途中まで真面目に監視してたけど途中から飽きちゃったな。」

 

「ふーん。はいこれ。」

 

小田が今まで触っていたスマホを俺に投げる。

 

「おっとと、あれ?これ俺のスマホ?あれ?ポケットの中に無い?何でお前がもってんの?」

 

「すまぬ。お前との友情は、アン⚫ンマンのグミの上についてるビニールみたいなのより薄い。」

 

「アヤノちゃんに取ってきて貰ったんだ。所で、ライン見てみな。」

 

特に申し訳なさそうでもないアヤノと笑顔で青筋たててる小田の言葉で胸騒ぎがした。慌ててラインを開くと、知らない履歴が二件ある。

一件は、実はゲーセンでプリクラを撮りたいと駄々をこねたアヤノに付き合い撮った三人のプリクラをアヤノが俺に送ってくれていた。

 

そしてもう一件は、カナデにそのプリクラと「女二人と遊んできたぜ!!」と中々の糞ラインを送っていた。

 

「何て事おおおおおお!!」

 

「お前も勿論罰を受けないとな。」

 

崩れ落ちる俺。嘲笑う小田。まさに昔話のような教訓めいた何かがそこにあった。

 

ピーロン

『私も誘って欲しかったな……なんて。』

 

「ちなみにカナデちゃん、とあるルートだと属性が一匹狼から清純に変わってるんだけど、知らなくていいか。」

 

「何だこの返し。あそこまでやった後にこれは罪悪感が半端じゃねえええ!」

 

俺が慌てて何てライン返そうか頭を悩ませてると小田がポツリと何かを言った。が……それどころじゃねえ!

 

 

 

 

 

「せっかくいいムードだったのに邪魔すんなよ。」

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