ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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一年生 一月第四週目  その1

一年生の一月末____

 

冬休み気分が抜けすっかりいつも通りの日常を送っていた。そんなある日の通学時間………

 

「昨日夜遅くまで部屋の明かり着いてたけど徹夜したの?」

 

「この間買ったゲームが神でなー。気付いたら朝だったぜ。」

 

あくびを白い息に変換し、隣を歩く同い年の幼馴染みリカの質問に答えた。

 

「またエッチなゲーム?サイテー」

 

「サイテーとはなんだ。エロゲーにも種類があり俺がやっているのはエロではなくストーリー重視のだな……」

 

「はいはい。それは何度も聞いたよ兄ちゃん」

 

俺とこいつでは同級生ながら一年近く生まれた日が離れている。俺が4月でリカは翌年の3月だ。

 

小さい頃から家が隣同士で、親同士も仲良く本当の兄妹のように育ってきた俺らはお互いに「リカ」「兄ちゃん」と呼び会う仲だ。

 

「兄ちゃんも、黙ってたらカッコいいのに………」

 

「?何か言ったか?」

 

「何でもない。それより早く行かないと遅刻しちゃうよ。」

 

そう言ってリカは走り始める。

 

やれやれ。いきなり走ると危ないぞ。俺はそんなリカのあとを追って走り出した……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱアイツ腹立たねえか?」

 

「誰が?」

 

「このゲームの主人公。相模だよ!!」

 

仲良く走っていく相模とリカの後ろを同じクラスの小田と原が眺めながら話している。

 

「でもお前、あいつになりきってゲームとして何度もクリアして来たんだろ?あの、幼馴染みちゃんも攻略したんだろ?」

 

「したさ!!でもいざこの世界に来てあんな恵まれた環境にいる奴を見ると腹が立つ!!」

 

「俺からしたら、ちゃんと説明されて転生されたラノベ気質のお前も充分恵まれてるけどな。」

 

「テンセイ?ラノベキシツ?ナニイッテンノ?」

 

原はやれやれと頭を抱える。

 

 

 

 

 

 

 

この小田という男はラノベの世界からギャルゲーの世界に転生してきた男だ。

 

女神に雲海から落とされ、気付いたら冬休み明けの「私立来栖学園2-C」に転校生として紹介されていた。

 

 

そして、原という男は現実の世界からラノベの世界に転生してきた男だ。

 

自室で気を失い、気付いたら小田が転生してから三日後に同じクラスに転校生として紹介されていた。

 

原は転生の事等知らず、夢だと思いその場はおよそ自身の本当の名ではない「原」と名乗り指定された席についた。

 

その席のひとつ前にいた小田を見ると、不思議と現在の自分の置かれてる「転生」という立場を理解し、悲しいかな現実の人間として他の人がいる目の前で、発狂をすることも出来ず、理解を咀嚼するのに時間にすると4日かかった。

 

平日は知らない街を歩き、知らないアパートの一室に一人帰り死んだように眠った。

休日は、一人知らないパソコンやスマートフォンで同じような人間がいないかひたすら情報を集め、夢ならば覚めてくれと何度も頬を引っ張った。

 

 

そして泣き出してしまいそうになったときに、小田が自室を訪ねたのだ。

 

「お前転生者だろ?」

 

「わかるのか!?」

 

「あぁ、だってお前このゲームやってる時に登場しなかったもんな。それにすげえクラスで狼狽えてたもんな。わかるさ。俺もさ転生してきたんだ。お前の三日前に」

 

「ゲーム?俺はお前が主人公の冒頭しか書かれてないライトノベルに転生したんだぞ!!」

 

「シュジンコウ?ライトノベル?ナニイッテンノ?」

 

 

 

原の発言はライトノベルから来た小田には許容量を越えてるらしく理解をしようともしない。いや、させて貰えないのだろう。

 

「とりあえずさ。お互いにこんなかわいいヒロインが沢山いる学園に転生出来たんだ。楽しもうぜ!!」

 

「はは。」

 

もうバカらしくなっていた。諦めのようなものが着いてきていた。

 

もう何をやってもダメだと感じ取った。

 

人間諦めが着くと前向きな事はすぐ考え付く。

 

元々仕事を転勤で、とんでもない田舎に飛ばされる事が確定し落ち込みながら引っ越しの準備をしている時の事故だった。

 

どうせ知り合いもいない所に飛んできたのは同じだ。

 

なら、学生として生活出来る分、こちらの方が何倍もいい。

現実の感性の欠如が発動していた。

 

「そうだな、くよくよしてても仕方ない。俺も楽しんじゃうかあ!!」

 

現実では変人になってしまうから出来なかった、漫画やライトノベルのキャラのように振る舞う。

そんな夢のような事をやってみようと原は決意した……。

 

 

 

 

「聞いてるか!?原!?」

 

「あぁ、ごめん。何だっけ?」

 

「だから、何で家の隣にかわいい幼馴染みが当たり前のようにいるんだよ!?ちっくしょー!!俺は生前もそんなイベント無かったのによお!!」

 

原は、気温ではない小田の発言の寒さに鳥肌を立たせながらなだめた。

 

「別に自分の彼女が寝取られてたりしてないからいいだろ?応援してやれよ……」

 

「いやそうだけどお前さ……。寝取られとか生々しい事言うなよ……」

 

「あれ?また間違えた?」

 

どうにも、現実的な感性は完全に消えてないようだ。

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