ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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二年生 四月第三週目  その1

「暇だ……暇すぎる……」

 

生徒会業務補佐活動部が結成して一週間。

会長に割り振られた、生徒会室の隣にある部室の扉には「悩み事、我々にご相談を!」と書かれた紙を貼っている。だが、人が来ない。チラシも作成し学校中に貼っている。だが、人が来ない。全校朝礼で生徒会長が告知をしてくれた。だが、人が来ない。

 

部室も小田と原のアイデアにより、教室の半分を生徒会の仕事ができるように机椅子パソコン等を人数分揃え、もう半分を相談部屋のようにソファーを置いた。

 

お茶やお菓子もちゃんと揃えた。

なのに人が来ない。

「何で誰も来ないんだよー」

 

「何もないってことが誰も悩んでないってことだし、一番いいんじゃないかな?」

 

部長として一番上座の席に座る俺の横の席、つまり副部長席に座るリカが微笑みながら俺の発言を訂正する。

 

「でも流石に何か来てもいいだろ!なあ!?」

 

「うるせえ!!」

 

相談室の方から怒鳴り声が飛び込む。

原の声だ。

 

「今アヤノがどの程度のものまで上に乗れるか検証してるんだから黙ってろ!」

 

「何やってんだよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ったく、相模は一々うるせえな。

アヤノは流石忍びキャラらしく細いところでも「サッ」と上に乗る事ができる。

その限界を知ろうというこの企画。

 

この企画中だけでも俺の腕、アサヒの肩、小田の頭、花園の金の延べ棒(縦置き)と乗ってきた。

 

「もっと細いの持ってこい。誰も私を止められない。」

 

「アヤノノリノリだね。じゃあこの缶の上ならどうだ!」

 

「ふっ、造作もない。」

 

「すごい!!潰さず乗った!」

 

セリカの缶が突破された……だと?

 

「すげえ!どこまでアヤノちゃん行けるんだよ!」

 

「僕も鍛えたらあんな風になれるかな!?」

 

「いくら積んだらその芸当身に付けれるんですの!?」

 

オーディエンスも沸き上がる。

 

「もう勝手にしろよ……」

 

「あはは……」

 

へなへなと机に突っ伏す相模と苦笑いするリカちゃん。

ノリが悪いんだから……

 

まさにその時だった。

ガラガラガラと教室のドアが開いた。

 

皆一様にドアの方を見るとそこには……

「残念私でしたー。」

 

「桐谷か……」

 

「露骨に残念がるなんて相模サイテー」

 

「俺はカナデちゃんが来てくれて嬉しいよ」

 

「ほんと?でも、小田は私の事下の名前で呼ばないで。」

 

「ひでえ!?何でだよ!?」

 

「うーん。……キモいから?」

 

「ちくしょおおおおおおおお!!」

 

 

ガラガラガラ

また扉が開く。

みんな一斉に扉の方を見ると息を切らした男子生徒が立っていた。

「ちょっとやべーから助けてくれよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるなぁあああ!!」

 

廊下で、でっぷりとした体型に男にしては妙に長いテカテカした髪、眼鏡に分厚い唇とこういう世界ではありがちなオールドタイプのオタクだ。

そのオタクが椅子を振り回している……。

 

「彼は何であんな暴れてるんですの?」

 

「クラスの女の子に上から目線で告白してキモいって言われたかららしいぜ。」

 

「なんじゃそりゃ」

 

小田の反応は最もだ。

しかしオタクは自尊心と劣等感と妄想癖の塊だ。

自分が余裕だと思った異性からキモいとなじられ、周りから笑われてると感じ、逆恨み……というか通り魔的発想で暴れているんだろう。

こんな奴学生の時にクラスにいたわ。

何でこんなところだけリアルなんだよ。

 

ただ俺はもうこちら側の人間。

試したいことは試すし、こいつらの気持ちは考えない。

 

「俺にいかせてくれ。」

 

「何か策はあるのか?」

 

「任せろ部長。」

 

奴を中心に見物客等が円になっている中俺は一歩前に出る。

 

「何だお前!!俺が本気出すとどうなるのか分かってるのか?」

 

普通にリアルな痛々しさがあるな。

こちらの世界の痛々しさには馴れたが現実的な痛々しさは馴れないな。

しかし俺はその痛々しさに更なる痛々しさで答える。

集え!俺のこの人生のゲームプレイ経験!今俺のこの熱!自棄になってる奴を止めるためのファーストコンタクト!

 

「やあオタク君!僕は原だ!」

 

「誰がオタクだ!!」

 

しまった、名前を聞くのを忘れていた。

奴が投げた椅子が顔面におもいっきり辺り意識が吹っ飛ぶ直前に、そんな初歩中の初歩を忘れていたのを思い出した。

 

 

「ししょーー!!!」

 

「今だ!アヤノ!確保!」

 

「もうしている。」

 

「……アヤノがあれできるなら原別に前でなくても良かったんじゃ……?」

 

「セリカちゃん……それは言わないであげて。あいつ、あのゲームハマってたからやりたかったんだな……。」

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