「……来たぞ。ってなんだこりゃ。」
『生徒会業務補佐活動部』と書かれた部室の扉を開けるとだだっ広い草原が広がっていた。
「おう悪いな!……彼は?」
身の丈ほどある大剣を軽々と持つ前髪が顔にかかり目元が伺えない男子生徒が爽やかな笑顔で聞いてくる。
「……聞きたい事はたくさんあるが一度置いておこう。お前が人手が欲しいというからクラスメイトを連れてきた。」
「おうそうか。境は?」
「あいつは今日図書委員だ。」
「おー大将!来たな!」
後ろを振り向くと青い髪の活発そうな男子生徒が片手剣と盾を構えた勇者スタイルで右手を掲げていた。
「……小田もなにやってるんだ?」
「高井戸先輩の作ったメカでさ、AR空間を産み出して体感RPGゲームが出来るんだって。それのデータ取り手伝ってくれってさ。」
AR……拡張現実。
どうやらどこかからその作ったメカでこの教室にRPGゲーム世界風な情報を投影しているらしい。
「ところで、こんな格好で悪いね。俺は生徒会業務補佐活動部部長の相模だよろしく。」
「俺は副部長の小田だ。他にも部員がいるんだけど何人かは別の依頼の方に行ってて今いないんだわ。」
前髪と青髪が俺に向けて話しかけてくる。
こいつらは俺の噂を知らないのか?それとも知らないふりしてるのか?
どちらにしろその爽やかな笑顔は俺には眩しすぎる。こういうのを別の人種というのだろう。
「う、上田ノブシゲです。よろしくお願いします。」
「おう、よろしく。……同い年だよね?」
「は、はい。」
「じゃあタメ口で頼むよ。何かアレだから。」
小田が胸の前に手を合わせる。
といわれても、こちとら同級生とここ数年まともに会話なんかしたことが無いからどうやって会話するのかも忘れてるんだ。
「わ、わかったよ。」
情けない返事が出た。
その時がらがらと音が鳴ると草原の一部分が裂け二人美少女が入ってきた。
「あ、紹介するよ副部長のリカちゃんと我が部最強戦力のアヤノちゃんね。二人とも、古河が連れてきた助っ人の上田ね。」
「わざわざ手伝いに来てくれてありがとう!私が副部長の……」
「リカー。お茶入れてー。」
「もう、兄ちゃん。……よろしくね!」
リカと呼ばれているこの女子生徒はどうやら相模の妹のようだ。
……にしては顔も髪色も似ていない。
「私は伊賀アヤノ……。よろしく。」
「あ、はい。」
いかにも忍びの様なマフラーで口を覆った和風美女……と言ったところか。
「はいどーん!」
またがらがらと草原の一部分が裂ける。
「みんなどうだい!?私の最高傑作は!?」
そこには白衣を着た眼鏡をかけた女子生徒が満面の笑みで立っていた。