「こちらこのメカ作った高井戸先輩。この二人は手伝いに来てくれた、古河と上田です。」
「如何にも、私がこの傑作を作り出した高井戸だ。よろしく二人とも。」
「……よろしくお願いします。」
「よ、よろしくお願いします。」
相模の紹介によりテンション高い高井戸と手伝い二人組が挨拶を交わす。
「じゃあ私も忙しい身でね。こいつもちゃんと動いてる様だしちょっと別のところに行くね。」
「あ、わかりました。もうしばらくしたらバックアップ取っときます。」
バイビー、と古い挨拶を済ませるとそそくさと教室から高井戸が出ていく。
「さてと、じゃあみんなデータ取りやろうか。一人ずつそこに立ってくれ。」
「じゃあまずは私から。」
伊賀が手をあげると指定された地点に歩いていき、魔方陣が投影されている上に立つと伊賀の全身が光輝く。
光が消えると伊賀はさっきまで着ていた制服から如何にもくノ一と言った風貌になっていた。
「ま、アヤノちゃん忍になると思ってたよ。」
「だな。ちなみにこの機械はどういう算出のしかたかわからないけど、その人にあったジョブにしてくれるらしいぜ。」
相模が手伝い二人組に補足する。
伊賀は腰についていたクナイを手でくるくる不服そうに回している。
「あれ?どうしたの?」
「いつもとあまり変わらなくてつまらん。ついでに何故この服はこんなにも布面積が少ないのだ?」
確かに肩も胸の谷間も腰回りも太股と露出している。
上田は思わず目を背ける。
「高井戸先輩のくノ一への認識がそうだったんでしょ。それに制服の上にその服を投影しているから実は健全だよ。」
なるほど。投影なら目を反らす必要もないな。
しかし投影とは思えないほど精巧な作りだ。
服の布感もしっかりあり肌の感じも素晴らしい出来だ。
高井戸先輩はやはり天才らしい。上田は感心し、穴が開くほどその技術の素晴らしさを見ていた。
「いつまで見ているんだお前は。」
顔を赤らめた伊賀がぼそりと呟いた。
「上田君やらし~。」
小田も便乗しケラケラ笑いながら茶化す。
「ち、ちが……」
「二人とも、あんまり上田を困らせんなよ。」
相模がやれやれと二人を止めにはいる。
「え?」
「新鮮な反応ありがとう。ここの男達はそんな反応してくれないからな。」
先ほどの赤面はどこへやら、伊賀は普通の顔してサムズアップをした。
どうやら上田は伊賀にからかわれたようだ。
「……次は俺だな。」
古河が魔方陣の上に立ち光に包まれる。
光が収まるとそこには神官の様な服装になった古河がいた。
「あ、これ任侠ヘルパーみたいな?」
「……小田はたまにすごい腹立つ事を言う。」
「じゃあ私も。」
リカが魔方陣の上に立ち光に包まれる。
光が収まるとそこには魔法使いの様な服装になったリカがいた。
「どう兄ちゃん?いい感じでしょ?」
「え?俺の方がカッコいいでしょ!」
「絶対そういう意味じゃないと思うが……。」
「じゃあ最後は上田頼む。」
「わ、わかった。」
相模の呼び掛けに応じ上田は魔方陣の上に立つ。
そうすると目を開けていられないほどの光に包まれる。
輝きが終わり目を開く。
「お、俺どうなってる?」
「………侍……というより武将か?」
「これは忍びとして上田に支えなければいけないな。」
しばらく皆がそれぞれ服装が自分の体に追い付くか確認を取り、装備がしっかりと作動するかを確認するとバックアップデータとしてメモリに保存し今回の活動が終了した。
「さてと、二人とも今日はありがとう。俺らはこれ高井戸先輩に渡してから別動隊がいるグラウンド行くわ。」
「上田君もいつでも遊びに来いよ!」
「う、うん。ありがとう!」
今日は楽しかった。途中からつまらない事をグツグツ考えずありのままに楽しんだ。
テンションが上がった上田は自分でも気づかず、いつの間にか鼻唄を歌いながら廊下を歩いていた。
「……それって魔法少女ユメのオープニング?」
ふとかけられた言葉に上田は振り向く。
そこには、制服を着崩した上田が考えるところの如何にもなギャルが立っていた。
「え、えっと…。」
「あぁごめんね。知ってる曲だから思わず声かけちゃった。上田これ内緒ね。アニメ見てるって知られたらヤバイし。」
「い、いいけど。あれ?俺の名前……。」
「知ってて当たり前でしょ?同じクラスなんだから。……もしかして私の事知らない?」
「ご、ごめん。」
「えぇ~ショック~。……まぁいいや、私は竹林。よろしくね!」
彼が籠っていた世界が破られるのはもう少し先の話だ。