ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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一年生 一月第四週目  その3

「あぁ、そうだった。甲斐セリカちゃんね。」

 

「あんた同じクラスなのに何回も名前間違えてるけど覚える気あるのかしら……」

 

そう言うとセリカちゃんは肩をすくめわざとらしくため息をついた。

 

「ところでお昼に来たって事は、相模に御用かな?」

 

小田はにやけながらチラリと相模を見ながらセリカに耳打ちをした。

 

「そ、そうなの。だから、ね?」

 

「了解」

 

にししと笑いながら小田は俺に廊下に出ようとジェスチャーを送ってきた。

 

こいつ、どんだけ二次元表現使えばいいんだよ。

 

 

 

 

「なんだよ?」

 

「俺はゲームでこのゲームのキャラ達を何度も攻略してきたからわかるんだよ。今はズバリ料理下手イベントだな。」

 

「なんだそりゃ。」

 

「セリカちゃんは、確かにお前がいうようにツンデレキャラだ。」

 

『あんたの為じゃなくてスキルアップの為なんだからね!!』

 

教室から微かにツンデレ常套句が聞こえてくる。

 

「な?」

 

「なんかツンデレにしては意識高い発言してるけど。アイツら普通は、人に毒撒き散らしてその後自分の気持ち押し売りする最低な奴らじゃないの?」

 

「何て事言うんだよ!?」

 

俺がアニメとかラノベとか読んでる時に感じた事をそのまま伝えただけだが、やはりラノベ世界のこいつにはキュンと来るのだろう。

 

「……でツンデレと俺が外に出されたの何か関係あるのかよ。」

 

「まぁ、あの子はもうひとつ属性があるんだよ。それが料理下手だ。」

 

『ぐはっ!?』

 

『おい相模が紫色の顔して倒れたぞ!?』

 

『あれ!?何で!?』

 

『兄ちゃーーーん!!』

 

「セリカ攻略には必ず自身の体力が持ってかれる料理下手イベントがランダムで発生する。前回はお前が来た当日起きたんだが………覚えてないか?」

 

「いや、それどころじゃなくない?」

 

妙にこなれた小田をほっておき、俺は慌てて教室に入った。

 

「大丈夫か相模!?うわ!前間違ってクリックして見ちゃった人の死体みたいな顔色してる!」

 

「だから生々しい事言うなよ。」

 

「とりあえず病院………いや学園物なら万能な保健室だ!!小田!連れてくの手伝え!」

 

俺が小田に呼び掛けると小田は穏やかなトーンで俺を落ち着かせるように喋りかけてきた。

 

「原も大袈裟だな~。大丈夫だって。いつも(ゲームで)見てて思ってたけどこんななる訳ないじゃん。」

 

「は?……顔紫色だけど?。」

 

「大体相模も失礼だよね。またこれ美少女が作ってくれた料理を食べて倒れるなんて……ね?」

 

こいつ、俺の言葉聞こえてねえのか?

小田がセリカちゃんにウィンクで答えを求めると、セリカちゃんは腕を組み右上斜め45度方面に顔をあげ、八重歯を見せる角度にした。あ、これ見たことあるビジュアルだ!

 

「そ、そうよね!毒とか入れてないのにこんな風になるわけないわよね!大袈裟なのよ!!」

 

「いや、演技で顔紫色にはなんねえだろ!!」

 

「まぁまぁ、……一つ食べてみても?」

 

「いいわよ。多少味は悪いかも知れないけどここまでならないわよ。」

 

そう言われると、小田はセリカが持ってきていた子供が果物入れるような小さな弁当箱の中に入っている何種類かのおかずからタコさんウインナーを摘まんで口に放り投げた。

……こいつ保険入れたな。

 

 

「ほら、普通に食べれる………ぐはっ!?」

 

小田が口から泡を吹きながら白目を向き卒倒した。

 

「コントやってんじゃねえんだぞ!?」

 

「えぇ………」

 

流石に二人も殺した(しかも一人は味付けの必要がないウインナーで)兵器を作り出したセリカはドン引いて自分の手を見つめている。

 

「ちくしょう……ちょっとモブでもいいからマジで誰か手を……。」

 

「ふー。今日は学食名物コロッケパンを買ってきたぞ!!これで僕も漢に………。ってあれ?原君どうしたの?」

 

「男の娘か!ちょうどよかった!手伝ってくれ!」

 

「男の娘!?僕男だよ!!」

 

「ああ悪かった、八王子!こいつら保健室連れてくの手伝ってくれ!」

 

そう言われると、女性的な顔に明るい茶色い髪を長く伸ばし後ろで一本に縛り華奢な体をした八王子アサヒは、満足げに「まかせて!」と胸を張った。

 

結局八王子は途中でバテて俺が二人を抱えて保険室まで連れて行った………。だからモブ手伝えよ。手伝わねえからてめえらモブなんだからな。

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