ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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高校二年生 夏
二年生 七月第二週目 その1


「やあ諸君!久しぶりだな!」

 

部室のドアが手荒に開かれると、久々に聞いた自信に満ち溢れた声に思わず顔を向ける。

 

「あ、会長。お久しぶりです。」

 

「いやぁ、久しいなぁ相模くん。ところで、君達先週のテストどうだったんだい?」

 

そう。

先週。つまり6月最後の週に期末テストがあった。

そして学園物名物のテストの点数上位陣の順位張りだしもあり、続々とテストの返却も行われた。

この部活で点数上位陣に入り込んだのは三人いた。

相模が告げる。

 

「リカとアサヒと原が上位陣でしたね。」

 

「三人もいたのか!ほー。君達優秀だな。」

 

「ありがとうございます。」

 

俺は会釈した。

そう、意外や意外。リカちゃんが3位、俺が12位、アサヒが38位だった。

俺も今まで数回行ったテストでも徐々に順位を上げてきてる。

リカちゃんはノートをきちんと取り家でもしっかり予習復習する真面目ちゃんタイプだ。

そして、アサヒは授業だけで事足りるストロングタイプの天才らしい。

 

 

「それで私から直々に依頼なのだが、ある部活の部員ほぼ全員赤点らしい。そこに行って彼らにこの私が作った対策ドリルをやらせてきてくれないか?」

 

「このドリルを……ですか?」

 

「そう。来週に赤点者は再テストがあり、それでも赤点だった場合は夏休みのほとんどを補習に費やされてしまう。それはあまりにも可哀想だろう?」

 

「そんなの自分等の勝手なのでは?それに他にも補習候補はいるのにその部活の人間だけに手を差し伸べるのはおかしいんじゃないですか?」

 

俺が府に落ちず生徒会長に問いただす。

 

「話は最後まで聞くものだよ原くん?何もその候補者多数の部活は一つだけではなく三つある。」

 

「はあ。」

 

「つまりここにいる部員を三等分して、各部活に赴きしっかりこのドリルをやらせてくれないかい?」

 

「じゃあ……。」

 

「待ちたまえ原くん。君の言いたい事はわかる。その部活に入っていない生徒に関してどうするか。それに補習になった場合の責任だろ?」

 

「そうですけど……。」

 

人の思考読めるとか、この人やっぱりカリスマ性があるレベル越えてきてるよ……。

 

「前者は対象生徒を集めて我々生徒会で勉強を教える。君達に今回赴いてもらう部活は一癖も二癖もある生徒がいるから手が回せないんだ。だからまず、勉強に向き合わせて欲しい。そして、後者の質問だが君達は補習者を出したところで責任は取らなくていい。君達の事は信用しているからサボらせるなんて事はしないと思っている。そんな君らがやらせてダメなのだから、本人に問題があるのだろう。………これでいいかい?」

 

「ありがとうございます。」

 

やはりこの人はスケールがデカイ理想の持ち主だ。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで翌日、生徒会長がアポイントを取ったので成績上位の俺を主軸に小田とアヤノの三人は割り振られた部活の部室に向かっている。

……結局自分の思い込みじゃねえか、と思うが元の世界でもよく上司に変な理由で仕事回されたなと懐かしくなる。

 

 

「さてと、問題の部活はプラモデル部か……。小田、なんか情報ある?」

 

「一応プラモデル部に所属しているヒロインはいたけど、成績が低いとかの設定はなかった筈だぞ。」

 

「なるほどな……。」

 

 

 

プラモデル部と書かれたプレートに、上から『フリーデンIII』と紙が貼られたドアが目立つ部室の前に来たが、中からとてつもなくシンナーの臭いがする。20世紀の校舎裏かここは。

中からテレビの音も聞こえる。

 

「これはやばそうだな……。」

 

「俺の知ってる部室と全然違う……。」

 

「こんなシンナー臭わせてるなんて、マッチ擦っただけで大爆発だな……。」

 

俺も小田もアヤノも各々が今回の仕事のヤバさを実感した。

 

「副部長として行くしかねえよな……。」

 

「お願いします。」

 

「頼んだ。」

 

一呼吸置いて小田がガラリとドアを開ける。

「失礼しまーす!今日アポイント取ってた生徒会業務補佐活動部です!」

 

小田に続き俺らもシンナーの臭いがキツイ部室に入っていく。

俺は既にそこが魔境だと気付きながらも………。

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