ゲームの世界に転生のライトノベルの世界に転生   作:ビョン

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夏休み合宿2日目 その1

合宿一日目の昼。

 

「あの白いの何なんだよ。」

 

俺の質問に小田は悲しそうに答える。

 

「あの子は夏休みに特定のヒロインとどこか田舎に行くイベント時限定のヒロイン、ユウ。生前は山奥で一人迷子になり孤独のまま死んじゃったんだ。お盆に合わせて家に帰ろうとしたけど迷ってるところで主人公とヒロインと遭遇。短い間仲良くしてそのイベント最終日に今生の別れをする泣きイベントさ。」

 

目尻に溜まった涙を拭い鼻声になりながら小田は説明してくれた。

どんだけ泣けるシナリオ何だよ。

とりあえず今の話で気になる部分かあった。

 

「へー。じゃああの幽霊と会わないヒロインもいるのか。」

 

「そうだね。各ヒロインによって夏休み都会派と田舎派で別れている。うちの部で言うと桐谷ちゃんとかセリカちゃんは都会派。リカちゃん、花園ちゃん、アヤノは田舎派だったな。」

 

なるほど……。

それから続けて話を聞くと、二年の夏になるとその時点で基準に達してて尚且つ一番好感度が高いヒロインと夏休み共に過ごすことが出来るらしい。

都会派とは、そのキャラに関係するイベントが夏休み中に一気に起こるらしい。

そして、田舎派は先程のユウとの不思議な邂逅と忘れられない夏を過ごすイベントが起きるらしい。

 

「今回は花園ルートの別荘に来てるから、このタイミングでユウが出てきたようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

「さて、どうしたものか……。」

昨日の夜の事を思い出す。

まさか、相模じゃなく俺がユウと出会うとは思わなかった。そして、カナデといる時に出会うとは更に思わなかった。

ゲームの中なら、物語上出会うはずのないカナデとユウ。

この二人が出会った時、カナデからユウはどう見えるのかわからなかった。例えば、心霊写真で見るような身の毛もよだつような恐怖に見えるかもしれない。

そんな、例えばを考えてしまい思わずユウの存在を知っているように話してしまった。

あそこでカナデがユウの寂しさに気付かなかったら、俺は何を聞かれていたのだろう。

 

コンコン

誰かがドアをノックする。

ドアを開けると案の定カナデが立っていた。

 

「昨日の夜の事……だよな?」

 

 

 

 

 

俺はある程度見える人という事、カナデが寝た後に幽霊から名前と死因を教えてもらえた、等ちょっと強引すぎる説明をした。

 

「つまりあの子はユウって名前で、山に一人残され衰弱死した女の子の霊って事でいいの?」

 

「そうだよ。それにあまりこの事は周りには言わないでくれ。他の奴らから見たらどうなるかわからない。」

 

「わかったよ。じゃあまたあとでね。」

 

そう言い残してカナデは部屋を出る。

ふー。

疑われたと思ったが意外にもあっさりと信じてもらえ拍子抜けした。

さて、とりあえず朝釣りの準備でもしようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナデは自室に戻ると、ベッドに倒れ込んだ。

 

 

朝、何となく早起きをして昨日の夜の事を思い出していた。

顔に靄がかかった様に思い出せないが、とても悲しくなるような少女に泣きついてしまったのは覚えている。

それを原に見られていた。

 

あまりにも恥ずかしく、そしてあまりにも不思議な体験だった。

 

ある程度恥ずかさも収まり、起き上がるとポケットに何かが入っているのに気づく。

それは、昨日の夜ギターを弾くときに録音をしていた録音機だ。

いつの間にか電源も切れてしまっている。

そう言えば昨日のあの現象が起きたとき確か、録音を切った記憶がない。

 

もしかしたら、昨日の会話も録音されているかもしれない。

そしたら、あの現象が何だったのか自分の中で一度咀嚼が出来る。

そう思いデータをパソコンに抽出しイヤホンで聴いてみることにした。

何も聞こえない。

いや、正確に言うと自分と原の声しか聞こえない。

 

自分の泣き声が収まり、いくつか一人での会話が続くと寝息が聞こえだした。

 

そうすると、原の独り言が聞こえた。

『明日も俺たちここにいるから自分で言いに来いよ。』

 

『何でそう思うんだい?』

 

『流石、俺はこの世界の人間じゃない。』

 

 

 

 

 

「この世界の人間じゃない……?」

 

どういう事なのかわからない。そのあとの言葉も耳に入らない。

頭の中でぐるぐる言葉が回って、気付いたら原の部屋へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナデはユウの事を話す原を前に、この世界の人間じゃないとはどういう事なのか聞こうか迷っていた。

この世界の人間じゃないと原が認めたらどうなるのか。

もしかしたら、バレたから自分の世界に戻ってしまうかもしれない。

この日常が続かなくなるかもしれない。それが怖い。

 

遂には原に何も聞けなかった。

 

 

 

 

 

結局、部屋に戻ってきてもあの言葉が頭の中で回っていた。

 

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