「なるほど。相模のクラスの仲良し三人組と偶々街であって暇だから相談受けてたと。」
「そうなんだよ。相模ってモテるだろ?俺らにもその叡知を分けてほしいなと思って。」
特に特徴の無い吉田、眼鏡をかけた菊川、イヤリングをつけて一生懸命チャラくしてる袋井の三人がコーヒーを啜る。
「相模は何て答えたの?」
「俺なんてモテないよ。」
「いい加減認めろよ…。」
袋井が頭を抱え始める。
「美人でいつも横にいてくれる幼なじみがいて、昼休みには先輩後輩問わず女の子とイチャイチャして、放課後は美少女が集う部活でこれまた学園中の美少女の悩み相談………。これでモテて無いわけ無いだろ。」
「そうだよ。」
菊川が泣きそうになりながら袋井の肩を持つ。
「こいつは怖い思いをして、泣きながら耳に穴を空けて、耳が目立つように髪の毛も切って高校デビューしたのに、この一年と少し女の子と話した回数は」
『たった5回!』
袋井と菊川の綺麗なハモりが店内にこだまする。
「……いや多分だけど、外見変えるだけじゃないんじゃない?」
「何でだよ原!人はまず見た目だろ!?」
「落ち着け袋井。……わかった。お前らと相模の違うところを教えてやるよ。」
まあ、俺はこの世界ではモテる側の人間だ。ジャッジ位余裕だろう。
あと、この三人。恐らくモテない男子高校生が送る何の変哲もない学園生活を送る系の漫画の主人公達だな。
こういうお馬鹿な奴等、好きだぜ。
「ところで吉田はさっきから口挟まないけど。」
「俺はそんなモテるとか興味ないかな。」
『カマトトぶってんじゃねえぞ!!』
再度、袋井と菊川の綺麗なハモりが店内にこだまする。
「じゃあ今渡した紙に、これから俺が言うシチュエーションにあった答えを書いてください。モテ男の相模と近い答えが出た人は正解で1ポイントあげます。」
「よっしゃやるぜえ!!」
「俺が一番のモテ男だ!!」
「……はぁ。」
「だから、俺はモテ男じゃないんだけどな。」
四人が俺から手渡された紙とペンを持ち、臨戦状態に入った所で出題する。
「では、第一問!『あまり知らない女の子が目の前でスッ転んでしまった。』さて、どうする?」
皆少し考えた後に、ペンを紙に走らせる。
「答え出揃いましたね。では、モテ男模範解答相模さんお願いします!」
『手を差し伸べる。』
「なるほど。これはどういう心境ですか?」
「そうですねー。やっぱり転んじゃって、足も痛いだろうし可哀想なので手を差し伸べて立たせてあげますね。足擦りむいてたりしたら、絆創膏もあげますね。あと、モテ男じゃないです。」
「やはり、手を差し伸べる心遣いが大事なのですね?では次、露骨に頭を抱えてる菊川さんオープン!」
『無視する。』
「おおっと早速不正解。ちなみにこれは何故でしょうか?」
「そうですねー。相手も転んじゃって恥ずかしいと思うので敢えて手を出さないでおこうと思ったのですが…。」
菊川が間違いだと分かりながらも赤面しながら眼鏡をかけ直す。
「なるほど…。では、次袋井さんオープン!」
『一緒になって転ぶ。』
「これはシュールな絵面ですよ?不正解ですが、何故こんな答えになったのでしょうか?」
「そうですねー。やっぱり一人で転ぶと目立つじゃないですか?だから、私も転ぶことによりちょっとでも周りの目がこっちに来るかと思いまして。」
「なるほど……。モテ男相模さん。このお二人の回答どう思いますか?」
「やはり、その子が気付かない様な気の掛け方をしてるので結果自己満足で終わるという可能性が高いですね。こういう場合、気付かれてもこちらにマイナスなイメージを女の子が持ってしまう可能性がありますね。あと、モテ男じゃないです。」
「流石モテ男さん。分析力が違いますね。では、最後吉田さんオープン!」
自信ありげにニヤリと吉田が笑うと紙をこちらに見せてきたが……
『転んでる女の子の後ろに立ち、スカートの中から見えるパンツを凝視し、パンツの中身を想像する。』
「きもちわり!」
何でこいつこんな回答恥ずかしげもなく出せるの!?
「そうですねー。やはり、見えてしまっているものを見ないのは相手にとっても見せてしまい損なのでね、そこはしっかり見ておこうかなと。で、見えてしまったものは中身を想像しなきゃ相手に失礼なんでね。」
「聞いてもないのに長々と解説し始めたきめぇ!おいこれどうなってんだよ!」
「吉田はスイッチ入るとそんなもんだよ。」
袋井が教えてくれたが、耐性あるのか普通の態度なのがまた怖い。
ちなみに菊川と相模は回答を見てガタガタ震えていた。