ステータスカンストしたチート勇者が普通の学生に再転生したら学園ハーレムも作れるんだぜ
一月ぶりのいつもの通りに学校に通学し、席につく。
朝のホームルームを迎えると、女神様から告げられた問題の人物と思われる男は転校生という設定で俺の前に現れた。
「初めまして、伊勢といいます。今日からよろしくお願いします。」
男としては甲高い声物腰柔らかく伊勢が挨拶をすると、先生に指定された一番後ろの席に腰を掛ける。
「転校生は男かよ……。つまんねえの。」
「もう美少女はたくさんいるだろ。」
小田の言葉にいつもの感じで返答をする。
異変を気付かれてはダメだ。
俺は、あの夢の中で女神を名乗る女性から聞いたことを頭の中で整理していた。
何をすればいいかまだわからないけど、とりあえずは下手に目立つようなことはせずに様子を伺うことにした。
俺が出会ってきた主人公達はみんないい奴等だった。
変に敵対するより、友好的に接していけば何やかんや解決するんじゃないの?
女神様の封印とかも勘違いだったりして。
そんな楽観的なことを考えていた。
しかし、既にこの学園は伊勢の望む世界に段々と変わっていた。
例えば、クラスメイトが変わった気がする。
駿河含めて数人ゲーム世界のヒロインがいるのはわかってはいたが、その子達が全く別のキャラ付けをされ可愛さが増した気がする。
現在クラスをぐるりと見ると、早々より伊勢に集まった所謂『伊勢の親友』枠と、今後その枠に入るであろうヒロイン等。
普通の優男優女達、普通のオタク達モブ集団と。
そして俺や今のところキャラは変わってない小田やアヤノ、あと何席か空席があって全員という状況のようだ。
「宿題全部出せたよ。マジサンキュー!」
「今度から全部一人でやれよ?」
昼休憩になり、小田といつものように机を囲んで飯を食う。
「確かに書き初めは俺が書かないと丸バレだからな………。」
「いやそれ以外もちゃんとやれよ……。」
こいつにはどうやら冬休み最終日も苦労させられそうだ。
そんな、楽しい会話をしてる時だった。
「おいおい湿気た面しかいねえなぁ!」
突然の大声に思わず声の方を見ようと首を動かすと、すぐに小田に頭を抑えられた。
「バカ!アイツらの方は見るな!絡まれるぞ!」
小声で必死に伝えてくる。
とりあえずコクりと頷く。
「どうしても見たいならバレないようにな。」
もう一度コクりと頷くとそのまま顔を伏せる……ふりをして脇の隙間から先程の方角を伺う。
如何にもな不良3人が我が物顔で教室に入ってくる。
「みんな顔背けちゃってどうしたのよ~?」
「あれ~?見たことない顔がいるな~?」
不良の一人が伊勢の方に向かっていく。
伊勢と一緒に飯を食べていた数人は一生懸命下を向く。
「初めまして!伊勢といいます!これからよろしくね!」
伊勢は雰囲気に気付いていないのか明るい声で不良の方に向く。
「へぇ~。伊勢くんねぇ~。これからよろしくね!」
不良の一人が握手の為に手を伸ばす。
それに答えるように伊勢も手を伸ばし、ガッチリと握手をした……ように見えたが不良が伊勢の手を潰そうと明らかに力を込めている。
それを伊勢は顔色ひとつ変えずにニコニコと握手していた。
「いやぁ、君力強いね!」
「はは……、そうかな?」
不良は困惑している。
「てめえ何笑ってんだよ!」
突然不良が伊勢の隣に座っていた伊勢の相棒に対してぶちギレ始めた。
本当かどうかわからないけど、恐らくあれは今のイラつきをぶつけたいだけだ。
「笑ってないって!」
胸ぐらを捕まれ半泣きの伊勢の相棒。
「嘘つけ!笑ってたろ!!!調子乗ってんじゃねえぞ!!」
不良がおもいっきり振りかぶり、殴りかかる。
相棒の頬に拳が当たるギリギリのところで伊勢が拳をキャッチする。
「笑ってなかったよ。」
「うるせえ!離せ!てめえもボコられたいのか!?」
「だから笑ってなかったって。」
「ヒーロー気取りしてんじゃねえよ!!」
もう一人が伊勢に殴りかかるともう片方の手でそれも受け止める。
すると、段々不良達の顔が青ざめていく。力を入れられて拳が潰れそうなのだ。
残りの一人は両腕が埋まってる今がチャンスだと更に殴りかかろうとしたが、何故か腰を抜かして逃げてしまった。恐らく圧に負けたのであろう。
そして、拳を離された2人は「覚えていやがれ!」とお決まりの常套句を言い残し教室から去って行った。
その瞬間、教室中が歓喜の声で溢れた。そして皆口々に伊勢を称賛する。
その称賛の声には小田やアヤノの声も勿論入っていた。