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この世にはカンピオーネなる者が存在している。
彼らは、まつろわぬ神という自然災害に手足が生えて闊歩しているような、放って置いたら世界そのものを滅ぼしてしまう厄災の塊である存在を、人の身で討滅し殺戮した存在。
【新たに誕生したカンピオーネ、牟刈座柾についての正史編纂委員会からの調査報告書より抜擢】
14年前に、極東の島国である日本より初めて生まれた四人目の新たな王。
名を
彼は正史編纂委員会と深い関わりを持つ人物である。彼の家系は、鎌倉時代より遥か昔から続く鍛冶師の家系であり、神への奉納として刀の鍛造を請け負っているためか、呪術や魔術における知識も豊富にあり、それらを使い奉納用の刀を打つこともある。それゆえか、正史編纂委員会でも上層部の者だけが彼らとパスを持つことを許されている。
彼の性格は、自己の利益にならない事は基本的に関わらないエゴイズム…利己主義だが、自身に関わりを持った大切な存在である者ならば、自己の利益など放り出してその者を救いに出る。また、その者からの願いも大方聞き入れるほどの善性を持つ。しかし、ほかのカンピオーネ同様に暴虐性や残虐性などを持つ故に、自身に反した者や利益にならない事には慈悲なく接し対応する。
ほかの魔王との交友としてはサルバトーレ・ドニや羅翠蓮と言った武術に精通する王と面識を持つ。お互いを高め合う好敵手や義姉弟といった存在となっているようだ。
かの王、牟刈座柾より掲示された権能は、火之迦具土神と武甕槌神より簒奪されし『鍛造の火』『剣雷の術』の2つのみ。
まず最初に、火之迦具土神より簒奪されし『鍛造の火』は火と神殺しの側面と鍛冶の側面の2通り存在している。火と神殺しの側面では、神をも焼く火を生み出すことができ、操作も可能。しかし、この権能は使用時己の身を焼き続けるという制約が科せられる。続いて鍛冶の側面では、先ほど説明した神をも焼く火をを使って作られた作品にあらゆる効果を付け加えるものらしい。
続いての神は武甕槌神より簒奪せし『剱雷の術』は、剣の側面と雷の側面の2つである。剣の側面では、剣術など剣に関わるあらゆる知識を得ることができ、雷の側面では雷の生成と操作が可能である。
「はぁ、なんて面倒だ。せめてもの救いとしては、新しい戦い方と権能の調整に使えるぐらいか。」
そんなことを呟く彼は、下だけの袴に射篭手を付けただけの軽装に、ひと振りの刀を帯刀していた。身長は170後半ほどあり、上半身からは鍛え抜かれた躰が見えており、武芸者のようである。
しかし、そんな彼はとても異様に見て取れた。彼の周りは人の気配すら感じさせないほど静まり返っており、こちらに向かってくる"膨大な呪力の塊"さえ無ければ星見にはもってこいの場所であっただろう
「さて、と。我が国に害を齎す外な神よ、お前がいてはオレがやりたいことをやれない。故に退場願う」
カンピオーネは、覇者である。
天上の神々を殺戮し、神を神たらしめる至高の力を奪い取るが故に
「呪力の練りは十分に行った。感覚も研ぎ澄ませた。戦場も整えた。あとは……貴様が来るだけだ、まつろわぬアテナよ」
カンピオーネは、王者である。
神より簒奪した権能を振りかざし、地上の何人からも支配されないが故に。
「さぁ、己が全力を持ってして貴様を斬り殺してくれよう。『天から振り落ちる雷よ、地を這い富を、空を切り災いを、我はその全てを授け与えん者なり』……それじゃ、いざ勝負!」
カンピオーネは、魔王である。
地上に生きる全ての人類が、彼らに抗うほどの力を所持出来ないが故に
そう、彼が異様に見て取れたのは、彼がカンピオーネであるからだ。
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