超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
この作品も通算UA15000を突破しました!
ありがとうございます!
あと、今回はちょっと今までと書き方を変えております
見にくくなってしまっていたらごめんなさい!
それでは、 正義 はじまります
「……はぁ、何やってんだろ、アタシ」
アタシは自室のベットに横になりながらため息をついた。
アタシはリーンボックスからラステイションに帰って来てからもたくさんクエストをこなしてきた。
モンスター退治、マジェコン販売組織の壊滅などを繰り返していた。
ラステイション全体のシェアもそこそこ高く保てていると思う。
アタシも女神として自信がついてきた。
……それでもアタシは不安になっていた。
ネプギアにロムやラム、ナナハもアタシとは違う。
「……皆、ちゃんと『変身』ができている」
『変身』
女神の力の象徴ともいえるだろう。
アタシは未だに『変身』に制限時間があった。
いくら努力をしようとも完璧な『変身』ができない。
「アタシは強くなったはずなのに……」
夢人に出会ってアタシはアタシらしく強くなろうと決めた。
お姉ちゃんのような完璧ではなく、できそこないのアタシでもいい。
大好きなゲイムギョウ界のために女神の力を使っていこうと決めた。
……それでも、アタシは他の女神候補生達に劣等感を感じてしまう。
できそこないのままの自分がいやだと思う。
「何が女神候補生の一番よ……アタシが一番弱いじゃない」
悔しかった。
いくら努力しても追いつけない彼女達の姿が遠く感じた。
アタシが一番になってやると決めたはずなのに……
アタシは自分で建てた目標に挫けそうになっていた。
「何が足手まといよ」
アタシはリーンボックスで夢人達に言った言葉を思い出した。
【アンタ達みたいな足手まといはいらないわ】
……アタシが一番足手まといじゃない。
【アタシ1人でもお姉ちゃん達を助けてみせるわ】
……それが無理なのはアタシが一番わかってる。
「……どうして素直になれないんだろう」
本当は夢人達と一緒にいたかった。
アタシは1人の力の限界を知っているから。
1人でいるとまたアタシはまた機械のようになってしまう。
「……夢人」
アタシは枕を抱きしめて夢人の名前をつぶやいた。
アタシをアタシらしくしてくれた夢人。
お姉ちゃんじゃないアタシを初めて認めてくれた夢人に会いたかった。
夢人に会って話せば、きっとこの不安も消えてくれると思った。
「……ユニ? 起きてるかい?」
ドアがノックされてケイの声が聞こえてきた。
……どうしたんだろう。
アタシはドアを開けた。
「なによ、何かあったの?」
「……とてもユニークなものが夢人君宛てに送られてきたんだ」
……夢人に?
どうしてラステイションの教会に夢人宛てのものが来るんだ?
アタシは眉をひそめてケイに尋ねた。
「そのユニークなものって一体何なのよ」
「果たし状だよ、差出人はブレイブ・ザ・ハード……マジェコンヌの幹部らしい」
マジェコンヌの幹部が果たし状!?
ず、随分と律儀な奴なのね。
「それがどうしてここに?」
「先に読ませてもらったけど、どうやら先方はミッドカンパニーを決闘の場に指定しているんだ」
ミッドカンパニー
確か、重工業施設の跡地だったかしら?
周りを海に囲まれているせいで金属が腐食して生産効率が上がらなかったらしい。
今では周りのダンジョンから逃げてきたモンスター達の隠れ家的なダンジョンであったはずだ。
「……いい度胸じゃない、アタシがいるラステイションを決闘の場にするだなんて」
……これはチャンスだ。
アタシが強くなったことを証明するための。
夢人達もすぐに来てくれる。
夢人がいればセプテントリゾートで戦った時のように、アタシは強いままのアタシでいられるはずだ。
そうすれば、アタシはまた女神として自信を持てる。
ネプギア達に負けない自分だけの自信が手に入る。
そうすれば、きっとこんな劣等感はなくなるはずだ。
アタシはそう信じている。
* * *
「やあ、よく来てくれたね」
ラステイションの教会に来た夢人達をケイはほほ笑みながら出迎えた。
「早速で悪いんだけど、これが例の果たし状だよ」
ケイはそう言って、夢人に果たし状を手渡した。
「はい……えっと、【勇者、ミッドカンパニーにて尋常に勝負されたし……マジェコンヌ幹部ブレイブ・ザ・ハード】って、結構シンプルだな」
夢人は果たし状の内容を読んで苦笑しながら言った。
「油断しちゃだめよ。相手はマジェコンヌの幹部……マジックやこの間のトリックの様な相手なのよ」
「そうですよ。気を引き締めていきましょう、夢人さん」
「……ああ」
アイエフとネプギアの言葉を聞いた夢人は果たし状を握る手の力を強めた。
「……まったく、アンタ達は心配性ね」
「ユニちゃん?」
ユニは夢人にほほ笑みながら言う。
「このアタシがついているのよ? 誰が相手だろうと負けるわけないわ」
「むーっ! なによ、その言い方! まるでわたし達が足手まといだとでも言うの!」
「わたし達も戦える(きりっ)」
ユニの言葉にラムとロムは眉をひそめながら言った。
「アンタ達だけじゃ不安だし、ここはアタシに任せておきなさい」
「……ユニ、相手はマジェコンヌの幹部なんだぞ」
ユニは夢人の言葉を聞いても笑みを崩さずに言った。
「それがどうしたってのよ。夢人もアタシの強さは知ってるでしょ? アンタが信じるアタシを信じなさいよ、ってね」
「……ユニ」
ユニは笑顔のまま教会から出ていった。
夢人達はそんなユニの後姿を不安そうに見つめた。
* * *
夢人達はミッドカンパニーに向かった。
そして、そこには一体の巨人が待っていた。
「……アイツがブレイブ・ザ・ハード?」
夢人は冷や汗をかきながら巨人を指さして言う。
「絶対に違うよな? アイツのフォルムどう考えても正義の味方だろ? そんな奴が敵とかぶっちゃけありえないっしょ?」
「……お兄さん、現実を見ましょうよ」
「そうよ、どう考えてもアイツしかいないじゃない」
アイエフとフェルは呆れた目で夢人を見ながら言った。
「ないないない! 絶対にない! アイツが敵だったら、俺今度からずっとドラマ仕様の厨二スタイルでいてやるよ!」
「……それはやめてほしいわ」
夢人達がバカな会話をしていると、ユニが不満そうに言った。
「まったく、いつまでバカなこと言ってんのよ……敵は目の前なのよ? 気を引き締めなさいよ」
「わ、悪い、ちょっと取り乱した」
夢人はその場で一度深呼吸すると、両頬を強く叩いて気合いを入れる。
「よし! いくぞ!」
「……戯言は終わったか?」
巨人はそれを見てようやく声をかけた。
「よく来たな勇者、それに女神候補生達よ、俺はブレイブ・ザ・ハード…お前達の敵だ」
ブレイブは手に持っている剣を構えて夢人達に言う。
「これ以上、女神の力を増大させるわけにはいかない……勇者よ、ここで死んでもらうぞ!」
夢人はブレイブの言葉を聞いて、真剣な表情でB.H.C.の瓶から最後の1粒を取り出して手に持った。
「はいそうですか、って殺されてたまるかよ!」
「それが勇者の力を引き出すクスリか……面白い、受けて立とう!」
夢人はB.H.C.を飲み込んで俯いた。
「……夢人さん」
「今はアイツに任せるわよ、いつでもフォローできるようにしときなさい」
夢人は俯いたまま右手を腹の前に置き、左手を左肩の辺りに構えた。
やがて、頭を振りながら両手の指を激しく動かし始める。
「ジャンジャカジャカジャンジャンジャカジャカ……」
口からは頭の振りに合わせて奇妙な言葉を発していた。
「……これってあれだよね」
「……そうですの、身近に似たようなことをする人がいるですの」
「えっ!? ボク!?」
ネプギア達は5pb.の方を見ながら言った。
「……今回はミュージシャンってことなのかな」
フェルは呆れながら、エアギターを続けている夢人を見る。
「ジャンジャカジャンジャカジャンジャンジャン……」
夢人は周りの視線を気にせずにエアギターを掻きならし続ける。
「ふざけているなら、こちらからいくぞ!」
ブレイブは夢人の奇行に耐えきれずに、剣を夢人に振り下ろす。
「ふん!」
夢人はエアギターをするのをやめてブレイブの剣を両手で白羽取りする。
「なにっ!?」
「……テメエ」
夢人は両手で剣を押さえながらブレイブを睨んで言う。
「俺の音楽の邪魔をするんじゃねえええええええ!!」
「ぬおっ!?」
夢人はブレイブの剣を受け止めたまま、ブレイブを持ち上げて投げ飛ばした。
「うそっ!? すごいじゃん! 今回の黒歴史!」
日本一は目を輝かせて言う。
「もしかして5pb.も同じことを……」
「できない!? できないからね!?」
5pb.は首を激しく振りながら涙目になってがすとに言う。
「でも、これなら!」
「ええ! このままやっちゃいなさい!」
「……あれ? おかしくないですか?」
ブレイブを投げ飛ばした夢人に異変が起こった。
夢人は顔を青くして冷や汗を流していた。
「……切れちゃった」
「えっ?」
夢人は呆然とつぶやく。
「B.H.C.の効果、切れちゃったんですけど」
「え、えーっ!?」
「まだ5分経ってない」
ネプギア達は慌ててがすとを見る。
「が、がすとにも何が起こっているのだか……そうですの! もう1回使うですの!」
がすとはそう言って、B.H.C.を取りだして夢人に向かって投げた。
「わ、わかった」
夢人はB.H.C.を受け取って飲み込んだ。
「……変わんない」
夢人は震えながら自分の両手を見つめた。
「もう、俺は戦えない?」
「……フン、どうした? もうお終いか?」
ブレイブは立ち上がり、ゆっくりと夢人に近づきながら言った。
「所詮、女神などという人々に偽りの平穏しかもたらさない者たちに味方する輩だ……この程度だったか」
「夢人!?」
「夢人さん!?」
ネプギアとユニが素早く『変身』して夢人をかばうようにブレイブの前に立つ。
「しっかりしなさいよ、夢人!」
「夢人さん! 下がっていてください!」
「……俺は」
夢人は2人の言葉を聞いて悔しそうに拳を握りながら俯く。
「あくまで立ちはだかるのか……その行いがゲイムギョウ界を滅ぼすとしても」
ブレイブはネプギア達に剣を向けながら言う。
「ゲイムギョウ界を滅ぼす?」
「それはアンタ達じゃない! アンタ達がゲイムギョウ界をめちゃくちゃにしているのよ!」
「……何も知らないようだな、哀れな小娘共よ」
ブレイブは剣を握る拳に力を入れて言う。
「ゲイムギョウ界は我らマジェコンヌによって平和になるのだ……貴様ら女神どもこそがゲイムギョウ界を破滅させる悪魔なのだ!」
「どういう意味?」
「そうよ! わたし達のどこが悪魔なのよ!」
『変身』したロムとラムもネプギア達の横に並んで立ちながら言う。
「貴様らは女神こそがゲイムギョウ界を平和にすると考えているようだが、それは間違いだ!」
「どういう意味ですか!? 女神さん達はゲイムギョウ界のために一生懸命頑張ってるですよ!」
「そうよ! アンタこそいい加減なことを言うんじゃないわよ!」
ブレイブはアイエフ達に視線を向けながら言う。
「貴様らは間違った考えを持っているようだな……女神が本当にこのゲイムギョウ界を守っていると本気で思っているのか?」
「どういう意味よ! 女神様達はゲイムギョウ界を守るためにアンタ等に捕まってるんじゃない!」
「そうですの! それを助けるためにがすと達はマジェコンヌと戦っているですの!」
「皆の平穏を奪っておいてどうしてそんなことが言えるの!」
「マジェコンヌがいるからボク達が皆を守っているんだ!」
「……どうやら説明する必要がありそうだな」
ブレイブは夢人達を見ながら言う。
「なぜ俺が女神どもを悪魔だと言うのか……それは女神がこのゲイムギョウ界を守れていないからだ!」
「なに言ってんのよ!」
ユニはX.M.B.をブレイブに構えて睨みながら言う。
「アタシ達女神がゲイムギョウ界を守れていない? 寝言は寝て言いなさい!」
「ならば、貴様らに問おう」
ブレイブはユニを真っ直ぐ見つめて尋ねる。
「なぜ人々はマジェコンを求める」
「えっ?」
「なぜ人々は我らを悪だと思っていながら、我らの支配につながるマジェコンを求めているのだ?」
「そ、それは……」
ユニは目を見開いて震えながら言う。
「あ、アンタ達が、女神を……」
「女神を我らが倒したからか? ……ならば、それこそがゲイムギョウ界の意思なのだ!」
「ゲイムギョウ界の……意思?」
ネプギア達女神候補生達は震えながらブレイブを見上げた。
「そうだ! ゲイムギョウ界が選んだのだ! 我らマジェコンヌこそがゲイムギョウ界を守護する者だと!」
「ふざけたこと言ってんじゃないわよ!」
「そうです! 悪いことする人たちがゲイムギョウ界を守るだなんてありえないです!」
アイエフ達はブレイブを睨みながら言う。
「まだわからんのか! 貴様らが言う女神どもがゲイムギョウ界を破滅へ導く悪魔だと言うことに!」
「あんまりいい加減なこと言うと、本気で相手するよ!」
「がすとも久しぶりにカチンときたですの!」
「女神様達は悪魔なんかじゃない!」
ブレイブはフェルを指さして言う。
「ならば! そこの魔物使いの少年はどうだ! 少年の家族は女神を信じる者たちのせいで殺されたのだぞ!」
「っ!?」
フェルは体を震わせてブレイブを見上げた。
「他にもある! 貴様らは女神がすべてを守っていると思っているようだが、実際は違う! 女神の支配によって職を失ったものがいる、女神の支配によって家族を奪われたものがいる、女神の支配によって涙を流しているものたちがいるのだ!」
「う、ウソ!? そんなのウソよ!?」
ユニは首を激しく振りながら涙目でブレイブに叫ぶ。
「女神がいるおかげでゲイムギョウ界が平和なのよ!? そんなことあるわけがないわ!?」
ユニはX.M.B.をブレイブに構えるが、銃身は震えて照準が定まっていなかった。
「まだ自らの罪を認めぬか……ならば!」
ブレイブは剣を両手で握りしめて上段に構えて言う。
「我が魂《ブレイブソード》で、貴様らに引導を渡してくれよう」
「う、うわああああああああ!?」
ユニは涙を流しながらX.M.B.をブレイブに向かって放つ。
しかし、ブレイブは向かってくる攻撃をブレイブソードの腹で受け止めた。
「フン、所詮は偽りの守護神の攻撃……俺には効かん!」
ブレイブは一度ブレイブソードを横に振るっただけで、ユニの攻撃をすべてかき消した。
「……そ、そんな」
ユニがその光景を呆然と見つめていると、『変身』が解けて膝をついてしまった。
「貴様は確かラステイションの女神候補生だったな」
「ひっ!?」
ユニはブレイブの声を聞いて涙目になって震え始めた。
「貴様の姉が統治しているこの国、ラステイションは確かにすばらしい国だな……だがな!」
「いや!? 聞きたくない!? いや!?」
ユニは両手で両耳をふさいで首を振りながら泣き叫ぶ。
「所詮それは強者が弱者を食い物にしている現状に成り立っている平和なのだ! 貴様らの正義感という自己満足によって今でも人々は苦しんでいるのだ!」
「いやああああああああ!?」
ユニは周りの目も気にせずにその場で体を抱きしめて泣きだした。
「……間違いなの……女神が……お姉ちゃんが……」
ユニは涙をこぼしながら俯いてつぶやく。
「己の罪を自覚できたのならば、おとなしく斬られてもらおうか」
ブレイブはユニの頭にブレイブソードの切っ先をつきつけて言う。
ユニはそれでも動かずに俯いたまま震えていた。
そんなユニの様子を見てもネプギア達は動けずにいた。
全員が青い顔をして震えていたのだ。
「……悪魔……私達が……」
「……破滅をもたらす……」
「……女神が……悪なの……」
ブレイブはそれを横目でつまらなそうに見ながらブレイブソードを振り上げて言う。
「斬り捨て御免!!」
ブレイブは勢いよくユニに向かってブレイブソードを振り下ろした。
「ユニ!!」
ネプギア達が動けないでいた中、夢人はユニを抱きしめてブレイブソードを避けた。
「っ!? うわああああ!?」
「きゃああああっ!?」
しかし、ブレイブソードが地面に叩きつけられた衝撃によって夢人とユニは近くにあった窓から外へと投げ出されてしまった。
「……逃したか、まあいい」
ブレイブは夢人達が吹き飛んで行った方向を見て、ネプギア達に背を向けて言う。
「貴様らも覚えておけ、女神による平和など所詮はまやかし! 本当にゲイムギョウ界を思うのであれば、我らマジェコンヌに来るのだ!」
ブレイブはそれだけ言うと、ミッドカンパニーから立ち去った。
ネプギア達はブレイブが立ち去ってからも動けずにいたが、やがてネプギアが『変身』を解いて夢人達が飛ばされていった窓に近づく。
窓の外は断崖絶壁で打ち寄せる波が大きなしぶきを造っていた。
「夢人さん……ユニちゃん……」
ネプギアは窓から下を見つめて泣きながら叫んだ。
「いや、いやあああああああああ!?」
……しかし、ネプギアの声に応える声は聞こえずに波の音だけがその場に響き渡った。
という訳で、今回は以上です!
どうでしょうか?書き方を変えてみたんですが、見にくかったですか?
感想や評価のところにあった意見を取り入れて空行をなくしたり、擬音を使わなかったのですが…
ご意見がある方は教えてくれるとうれしいです
そして、B.H.C.を使えなくしちゃった
これは最初から決めていたんですが、勇者という設定を考えた段階でいつか使えなくしようと思っていました
でも、最近感想欄でB.H.C.に関するものがあったので心苦しかったですが、予定通り使えなくしちゃいました
次回は、海に投げ出された夢人とユニがどうなったのかをお送りしたいと思っております
それでは、 次回 「理想と現実」 をお楽しみに!