人形の暗殺教室   作:-甘夏-

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どうも 第4話です 知らぬ間にUAが増えており驚いています。
これからもよろしくお願いします


認知の時間

「皆さん、おはようございます。今日は全校集会ですから遅れないように」

 

椚ヶ丘中学校3年E組に、今日も先生の声が響く。

 

「瑠海さんってさ。昨日の今日で何か雰囲気変わったよね」

「そうね。確かに1度殺りに行って痛感したわ。あのタコは上手い。人を成長させるのも殺る気にさせるのもね。だから今は大人しく成長するわ」

 

たった数時間で私の殺る気に手入れをした上で、重箱に弁当を詰めるとか相変わらず化け物だ。私も化け物だと思うが、ころせんせーは私を一人の生徒として見ている。そんな接し方は初めてで戸惑っているのだが、それでもこの空間は居心地が良い。1日2日でそれを感じ取れた。

ただ、

 

「この苦行は何とかならないの?」

「無理だよ……。E組は昼休みを返上して全校集会に集合だから」

 

隣を歩く渚はまだマシだが、他の生徒や先生の何人かが疲れを見せ始めている。この現状を作っている原因はこの学校のルールだ。

そして私はこのルールが気に食わない。ひと握りの生徒を徹底的にドン底にたたき落として見せしめにする。そうすれば他の生徒は文字通り『死にものぐるい』で成長するだろう。

実際にこの考えは非常に合理的で成果も出ている。これを考えた人間はきっと殺せんせーにも迫るほど教育者として優れているのだろう。

 

「でも、私達が結果を出してしまえばそのあり方にヒビが入る」

「ヒビって?」

「例えば……地球を救うとか」

 

このクラスは居心地が良い。だが、それとは別に問題がある。その問題を胸に秘めながら私は体育館へと向かっていった。

 

 

「えー、ですからね。皆さんは優秀な生徒です。今この環境で生活出来ていることがその証拠です。ですが……怠けていると誰かさんみたいになっちゃいますよ?」

「くだらない……」

 

予想はしていたが、この全校集会は生徒に立場を認識させる時間だ。

誰が強者で誰が弱者かを認識させる時間。そして弱者は強者と同じ待遇は望めない。

 

「すいません。E組のプリントがないんですが」

「あれ? おっかしいなぁ〜。まぁE組は記憶力をつける為にも覚えて帰ってくださいね」

 

今だってそう。恐らく情報を遮断して、これから先の行事でも見せしめになるようにしているのだろう。

実際このクラスの誰もが下を向いている。この差別は仕方がない、と。

そしてこれがE組の弱さだろう。【暗殺教室に依存し、本来やるべき事を疎かにしてしまう】

これこそが弱さなのではないか。そしてこの状況を変えなければ苦しさしか残らない。

それに教師がそれを理解してない訳がない。

 

「遅いよ。殺せんせー」

「心の傷が癒えるのに時間が……。それはそうと皆さんプリントがあるみたいですねぇ」

 

そうして殺せんせーが起こした微かな風と共に、一人一人の手にプリントが渡っていく。

それは生徒に配られるべきプリントだった。少し違うのは、それが全て手書きであること。

 

「これで安心ですね。磯貝くん」

「すいません。プリントあったので続けて下さい」

 

本当にウチの先生は頼もしい。たとえどんな状況でも対等の関係にしてくれる。生徒と教師。暗殺者と目標。そして今回は強者と弱者ではなく同じ生徒へと。

 

「何でここにいるんだ国家機密!!」

「いいじゃないですかぁ〜。ボッチは寂しんですよ……」

 

ただまぁ、不安な所もあるんだけど……。

その後は特にあからさまな差別を行うことは無かった。先生も特に暴れることはしなかったし、学生として時間を過ごすことが出来た。

問題はそのあとに起きた。

 

「アンタが新しい生徒ね。私はイリーナ・イェラビッチ。イリ「ビッチ先生」うるさいわ!」

「よろしくお願いします。イリーナ先生」

「早速だけど、あのタコといい勝負したらしいじゃない。何でも触手を使ったとか。何でもいいわ、ヤツの動きの特徴を教えなさい」

「嫌です。今の触手は私と先生のものですから」

「あんたねぇ。もうちょっと敬意ってものを」

「だってビッチじゃないですか」

 

触手については機密事項の筈だが、何かしらの手段を使ったんだろう。ビッチ先生とは初めて会うけど、それなりの暗殺者なのは彼女が持つ空気感が教えてくれた。だが、教師であり(心が)烏間先生に負けている以上きっと雷が落ちるだろう。

そんなビッチ先生を避けながら帰路につく。肌に感じた微量の殺気は多分渚だろう。さっき絡まれてたしね。

 

ウチのクラスにはビッチとタコと触手がある。そんな暗殺教室で今日も予鈴と銃声が鳴る。




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