Fate/Grand Order -RE:BUILD-   作:(TWT)

3 / 9
投稿が遅れて申し訳ありません! 

見切り発車でスタートした本作は話のストックがなく、私の筆も遅いため、定期的な更新が出来ませんでした。おそらくこれからも不定期で遅い更新が頻発すると思いますが、気長に待って頂ければと思います。

これからもどうかよろしくお願いします!



新世界へ Cパート

そこにはきっと助けを求める人がいる。

 

それだけで行く意味はある。

 

「……正義の味方は辛いよってか」

 

心は決まった。

 

戦兎は足元のフォウを拾い上げると部屋を飛び出した。

 

 

―・―

 

 

「ドクター!」

「戦兎!? ゲートはこっちじゃないぞ! まさか、ついて来るつもりかい!?」

「応急処置の知識くらいはある! 人手は多いほうがいいだろう?」

「そりゃそうだけど……ああもう! 隔壁が閉じる前には戻るんだぞ!」

 

エスカレーターを下り、階段を降り、二人は走った。やがて一回り大きな扉が見えてきた。その扉を潜った先は開けた巨大なホール状になっていた。

 

そしてそのホールの中はモニターで見るよりもはるかに悲惨な状況だった。

 

「ここが爆発の基点だろう。これは事故なんかじゃない。人為的な破壊工作だ」

 

ロマニが周囲を確認して言った。

 

辺り一面は火の海。天井も壁も崩れて瓦礫がそこらに散乱している。

 

『動力部の停止を確認。発電量が不足しています』

『予備電源への切り替えに異常発生。職員は手動で切り替えてください』

 

火災の音に交じって事務的な声色のアナウンスが響く。

 

「……僕は地下の発電所へ行く。カルデアの火を止める訳にはいかない。戦兎は急いできた道を戻るんだ。まだギリギリ間に合う」

 

アナウンスを聞いたロマニが戦兎に言った。そして念を押すように言葉を続ける。

 

「……残念だけど生存者はいない。ここにいても危険なだけだ。いいか、外に出て外部からの救助を待つんだ! 急いで!」

 

そう言ってロマニは奥へと走り去った。

 

残された戦兎は再び眼前に広がる悲劇をみやる。かつて何度も見た悲劇の光景に戦兎は胸が締め付けられた。

 

ロマニの言う通り生存者の気配はない。しかし、もしかしたら助けを求めている者がいるかもしれない。戦兎は逡巡の後、ホールの一番下へと降りた。

 

「誰か無事な人はいませんか! いたら返事をして下さい!」

 

戦兎の呼び声に応える者はいなかった。それでも戦兎は何度も呼び掛ける。

 

『システム レイシフト最終段階へ移行します』

『座標 西暦2004年1月30日 日本 冬木』

 

代わりに戦兎の声に応えたのはまたしても事務的なアナウンスだった。しかし、そのアナウンスの中に戦兎はここに来てから何度も聞いたある単語を拾った。

 

「レイシフト?」

 

レフ・ライノールやロマニが散々口にしていた言葉だ。ファーストミッションとやらで行われる予定だったというカルデアの最重要任務。

 

『ラプラスによる転移保護 成立。 特異点への因子追加枠 確保』

『アンサモンプログラム セット。 マスターは最終調整に入って下さい』

 

戦兎は猛烈に嫌な予感がした。

 

言葉の意味は分からないが、明らかに何かのシークエンスが実行されている。そしてそれはこの場にいる人間全てを対象にしているように聞こえた。

 

「限界か……?」

 

ここにいたら何かに巻き込まれる。生存者も見つけられない。戦兎は諦めて踵を返そうとした。

 

「……、あ」

 

だがそこで戦兎は聞いた、か細い人の声を。戦兎は辺りを見回し、そして大きな瓦礫の下に見覚えのある少女の姿を見つけた。

 

「あの子は……!?」

 

戦兎は駆け寄ろうとして息を呑んだ。

 

少女、マシュの下半身は大きな瓦礫に押し潰されていたからだ。

 

これではもう―

 

「……しっかり! 今助けるから」

 

戦兎は頭によぎる考えを振り払ってマシュの元へと駆け寄った。

 

「あな、たは……」

「戦兎。桐生戦兎だ。確かマシュだったよね。気をしっかり持って。今何とかする」

「……いいん、です……助からない、から……それより、あなたは早く、逃げて……」

「無理して喋らないで」

 

戦兎はマシュを押しつぶしている瓦礫を見回した。10メートル以上ありそうなコンクリートの瓦礫だ。推定重量から人力での撤去は不可能。

 

「(なら―)」

 

人力では不可能。しかし、自分が作ったあのシステムなら。

 

戦兎は自分のコートの内側に手を入れた。しかし、あるはずのものがそこにはなかった。

 

「……ッ!? そんなバカな!?」

 

戦兎は慌てて、今度は身体中のポケットを漁ってみたがやはりアレは見つからなかった。

 

どこかに落としたのだろうか。しかし、アレは落としたら確実に気がつく大きさのはず。

では最初から、ここで目覚めたときから既に持っていなかったとでもいうのか。

 

いずれにせよ手元にないことに変わりはない。あれがなければこの瓦礫を動かすことは不可能だ。

 

「最悪だ……!」

 

これまでのぼやきとは違う、本当の焦りと絶望から戦兎は思わずそう零した。

 

「……もう、いいです……早く……逃げて」

 

マシュの弱り切ったその声に戦兎は我に返った。

 

何か使えるものはないかとあたりを見回した戦兎は床に転がっている鉄パイプを見つけた。

 

戦兎は鉄パイプを拾い上げるとそれを瓦礫の下へとねじ込み、そこらに転がっていた小さな瓦礫を支点とした簡易的なテコを作り上げた。そのまま渾身の力を込めて鉄パイプを押し下げようとする。

 

しかし、どれだけ力を入れても瓦礫はピクリともしない。

 

実のところ、この結果を物理学者である戦兎は試す前から分かっていた。

 

自分の体重mg、筋力F、鉄パイプの長さl、瓦礫の推定重量Mg、そしてマシュを救うために動かさなければならない瓦礫の移動距離d。

 

それら全ての数字から成る物理方程式。

 

(F+mg)*l = Mg*d

 

そしてその数式から戦兎が導き出した答えとは。

 

F ≫ 戦兎の筋力の理論値

 

瓦礫をどかせる可能性 = マシュを救える可能性 = 0

 

物理現象は数字に支配される。そして数字は公正で、無情だった。

 

無駄な行為だ。

このままではマシュも、自分も助からない。

自分だけでも逃げるべきだ。

マシュもそれを望んでいる。

 

誰かが頭の中でそう叫んでいる。

 

その声を無視して戦兎は力を籠め続ける。

 

『観測スタッフに警告。カルデアスの状態が変化しました』

『シバによる近未来観測データを書き換えます』

『近未来百年までの地球において人類の痕跡は発見できません』

『人類の生存は確認できません』

『人類の未来は保証できません』

 

再びアナウンスが鳴り響いた。戦兎が振り返ると宙に浮いた巨大な地球儀がまるで燃えているかのように真っ赤に染まっていた。

 

『中央隔壁を封鎖します。館内洗浄開始まであと180秒です』

 

「隔壁、閉まっちゃいました……もう、外へは……」

「そんなことは後でどうにかすればいい!」

 

戦兎が顔に青筋を浮かべ叫ぶ。

 

「く……だあああ!」

 

雄たけびを上げ、全身の力で鉄パイプを押す。

 

その時、微かに瓦礫が震えた。僅かな手応えを感じた戦兎はさらに力を籠める。

 

だが、ここでも物理現象は無情だった。

 

戦兎の力を瓦礫に伝えていた鉄パイプがくの字に折れ曲がったのだ。パイプとは筒状のもの。当然その強度は同径の鉄棒より劣り、早々に限界に達してしまったのだ。

 

「くそっ!」

 

また一つ、救出不可能という答えを補強する因子が増え、可能にする因子が減ってしまった。

 

それでも戦兎は諦めない。

 

例え不可能だと理解していても、何か方法があるはずだと必死に頭を巡らせる。

 

時間がない。早く。早く。

 

焦りが戦兎を苛立たせ、頭の回転を鈍らせていた。

 

「……すみま、せん……私の……せいで」

 

か細く、悲しそうな声に戦兎はハッとして声の主、マシュを見やる。

 

「大丈夫。何とかなるって言ったでしょ? この天才物理学者に任せときなさいって!」

 

自分よりも遥かに苦しい立場にいるマシュを安心させようと明るく振る舞う戦兎。

 

マシュは霞んできた目を通して戦兎の笑顔を見た。こんな状況で笑顔を浮かべるなんて、自分を気遣ってのこと以外考えられない。

 

その気遣いがとても申し訳なく、そして嬉しかった。

 

瓦礫に押しつぶされた下半身の感覚は麻痺して痛みも何も感じない。ただ、徐々に血の気と共に全身の力が抜け落ちていく。その虚脱感と共に自分の世界がどんどん暗く狭まっていく恐怖。気づけばマシュの口からこんな言葉が零れ落ちていた。

 

「戦兎、さん……お願い、が……ありま、す……」

 

『コフィン内のマスターのバイタルが基準値に達していません』

『レイシフト定員に達していません』

『該当マスターを検索中』

 

「手を……握ってもらっても、いいですか……?」

「……ああ。もちろん」

 

戦兎は跪き、おずおずと伸ばされたマシュの手をそっと握った。

 

彼女の最後の願いを聞いてやるのか?

彼女を救うことを諦めたならこれ以上ここにいる意味はない。

すぐにこの場を離れるべきだ。

 

そんな声を頭から追いやり、戦兎はその場に座り込んだ。

 

「そういえば……マシュさんにはまだきちんと謝っていなかったね」

「……マシュで、構いません……謝る……ですか……?」

「最初に会った時、いきなり変なこと言って驚かせちゃったでしょ? ごめんね。俺も混乱してたんだ、初めての場所でさ」

 

あのことは忘れてほしいと言う戦兎を見て、マシュはしばらくポカンとしていたが、苦しい状態にも関わらず小さく笑い始めた。

 

「そんな、こと……こんな時に、律儀に……謝るなんて……変な人です……」

「そう?」

「……そう、です……そう……本当に…」

 

『発見しました』

『適応番号48 桐生戦兎 をマスターとして再設定します』

『アンサモンプログラムスタート』

『霊子変換を開始します』

 

「いやいや。世の中にはもっと変な人間がたくさんいるから。俺の仲間にもいたし。筋肉馬鹿とかネットアイドルとかドルオタとかTシャツ芸人とか」

「……本当、ですか? ……会って、みた……かった、です……」

「……そうだな。俺ももう一度……会いたいよ」

 

『全工程クリア』

『ファーストオーダー 実証を開始します』

 

 




話が全然進まねぇぇぇぇ!?

まだ原作プロローグまでしか進んでない……やべぇよ……やべぇよ……

おまけに仮面ライダー小説を謳ってるのにライダーも出てこないよ……

次話は頑張って盛り上げますので! 本当に!


追申

Wメカエリチャン発進よし!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。