ノイズ〜生きる理由   作:九月の黒猫

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初めましての方は初めまして…九月の黒猫といいます
ここでこの話の設定を少し説明します
この話は「秋時雨に傘を」より後の話になります
美咲は兄さんにバンドの事を話していません

それでは前回の続きです


第三話〜諦めるのは…

2人が帰ったあとのリビングは少し広く感じた

 

「…」

 

この家に俺と美咲以外が入ったのは

久しぶりの事だった

 

両親は仕事の都合で遠くへ行くことが多い…

 

美咲のもう一つ下の妹も今は親戚の家に預けている

 

この家に住んでいるのは

俺と美咲だけといってもいいほどだった

 

美咲も友達はいるらしいのだが

 

ここに連れてきたがらないし

 

俺なんて16になって今まで友達なんて1人も

出来たことがないので

 

本当にこの家に人が入るのは久しぶりの事だった

 

にしても…

 

今日、家にきた紗夜と日菜って人だが…

 

日菜は呼び捨てでもいいと思うが…

 

紗夜…はやっぱりさんづけで呼ぼう…うん…そうしよう

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と美咲は夕食を食べたあと

 

美咲は「じゃあ兄さん…先に部屋戻るから…」

 

といって先に部屋へ向かって行った

 

俺はまだ風呂に入ってなかったので

 

食器を片付けた後、脱衣所に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

「美咲…」

 

風呂から戻ると美咲はすでに

 

寝息を立てながら寝ていた

 

「…なんだ…もう寝てんのかよ…」

 

相当疲れてたんだな……

 

でも俺もすることないし…

 

「…寝ますか」

 

 

 

彼女を起こさないように…

 

慎重に寝ている彼女の隣へ行こうとする

 

ベッドのきしむ音…

 

そう…この部屋にはベッドはひとつしかない…

 

さらに俺の寝る場所は壁際

 

だから自然と美咲に覆い被さるような体制になる

 

慎重に………

 

 

 

「…ふぅぅ……」

 

無事起こさず到達することが出来た…

 

思わず息を吐いてしまう…

 

慣れたとはいえ…緊張はするものだ…

 

今度ベッドもう一つ買ってもらうか…

 

「…だめ…に…さん…」

 

おいおい…どんな寝言だよ…

 

「そっちに……ちゃ…だめ…」

 

………

 

「……すぅ…すぅ…」

 

あとから聞こえたのは一定のリズムをきざむ寝息

 

…俺が美咲を置いてどこに行くってんだよ…

 

自然と彼の手が彼女の手の方へのびる

 

そのまま優しく手を握る

 

「…ん…」

 

彼女は少し安心したような…そんな顔をしている

 

 

大丈夫…

 

俺は兄として…死ぬまで…見守ってやる

 

そして俺は美咲に恩を返さなければ…

 

 

そのためには音楽と向き合わなければならない

 

 

音にも…音楽にも…仲間にも見放された

 

この病気のせいで

 

でもまだ希望はあるんだ…

 

これは治らない病気ではない…

 

またいつか仲間達といっしょに…

 

 

 

 

 

 

 

 

世界を笑顔にするために…

 

 

 

 

 

 

 

 

窓から差し込む光で目が覚める…

 

隣を見ると美咲はすでにいなかった

 

「起きるのが…はやいな…」

 

 

 

リビングに向かうと

 

彼女はとても慌てていた

 

「やばい…バイト遅れるっ!」

 

あぁ…なるほど…

 

にしてもバイトというのは

こんなにはやくからあるものなのか…?

 

「おはよう兄さん!朝はそれ食べといて…

じゃ…あたし行くから!」

 

慌ただしいな…

 

「…行ってらっしゃい…」

 

「行ってきます!」

 

その声とともに玄関のドアが閉まった

 

テーブルに目をやると

 

焼いた食パンに目玉焼き…牛乳…バナナ…

 

「…いつもお疲れ様です…」

 

気づいたらそんな言葉が出ていた

 

 

 

 

 

「さて…」

 

今は自分の部屋にいる

 

まずは病気が治っているか確認するのが俺の日課…

 

イヤホンを装着して

 

音楽アプリから適当に音楽を流す

 

音のボリュームは最弱…

 

「……」

 

まだ雑音に聴こえるくらいだ

 

内容は分からないが心身に異常はない

 

そのまま音量を少しづつあげて…

 

「…………っつ…」

 

耳に激痛が走る…

 

砂嵐の最大音量をマジかで聴いているみたいだ…

 

急いでイヤホンをとり

 

耳から少し出ている血をティッシュで拭き取る…

 

イヤホンも拭き取ったあとティッシュをゴミ箱に捨て

 

俺は深いため息を吐いた

 

「今日もだめだったか…」

 

次に窓の戸を開け…自然の音を聴く…

 

「…」

 

少しの雑音も混ざっているが…

 

ここ最近本来の音も聴けるようになった…

 

「これは進歩だな…」

 

そのまま窓の外の景色を見続ける…

 

暇だな…

 

音楽という存在がなくなってから

 

彼の行動はかなり制限された

 

音楽を聴くことはおろか、ゲームすらできない

 

「…ギターを弾くことも…」

 

いや…まだ諦めるのははやい…

 

 

 

そうだろ…?弦巻さん…

 

 

 

1日という時間をどう使うか考えていると

 

インターホンの音が響いてきた…

 

「誰だよ…」

 

昨日といい今日といい珍しい…

 

ここ最近人ともあまり話した事のない俺に

 

接客をさせないでくれよ…

 

そう思いながら玄関のドアを開けると…

 

 

「こんにちは、晴希さん…」

 

 

ドアの向こう側には昨日初めて出会った

紗夜さんがいた…

 

「紗夜さん…?」

 

明日じゃないのか?まぁどうでもいいか…

 

 

 

 

 

「どうぞ…」

 

紗夜さんを取り敢えず

リビングにあるソファーに座らせる

 

「それで…紗夜さん…今日はどうしたんですか?」

 

「いえ…実は…今日、本当はバンドの

練習が入っていたのですが…急遽明日に変更

することになったので…」

 

バンド?紗夜さん…バンド…やってたんですか…

 

「それで今日ここにきたんですね?」

 

「…はい…それで急なのですが…

少しお聞きしたいことがあって…」

 

聞きたいこと…

 

「…その…晴希さんはギターをやっていたのですか?」

 

「………」

 

紗夜さんの質問は見事に俺の痛いところをついてきた




中途半端な所で終わってしまいました…

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