劫炎撃と影技・鬼炎斬のぶつかり合いにより、熱風と衝撃がエントランスホールに満ちる。
物理的な衝撃を巻き起こす風は、遠く離れたバルコニーに立っているアリアンロードに熱を覚えさせ、風が兜に隠された黄金の髪をなびかせる。
そのさまを、かつて結社の練武場において劫炎と剣帝が繰り返した模擬戦を想起させるものがあった。
一方はその劫炎の記憶を取り戻し、友とならんとする男。
一方は亡き剣帝の技を模倣し、彼の影を越えんとする女。
互いに生まれも育ちも違うのに、似た関係となってぶつかり合う様子は鋼の聖女をして興奮を覚えさせる。
繰り出した焔の剣技によって互いの剣が弾かれるも、二人は即座に間合いを支配する。
斬り結ぶ太刀と騎士剣の乱舞は、先の前哨戦の繰り返し。
そんな膠着状態の中、先手を取ったのは神速だった。
「さあ、刮目なさい!」
デュバリィの姿が揺らいだと思えば、彼女の姿が三つに分かれる。
残像を生み出すほどの俊敏さによって生まれる幻影、分け身。
だが三人が同じ動きをするのでなく、微細な変化を取り込むことでどれが本物かを悟らせない精密さは彼女の練達さを伺える。
だが、八葉一刀流の技に加えて鬼の力の制御を成し遂げたリィンには、彼女の実体の気配を確実に捉えていた。
そして本体と分け身ごと無月一刀で薙ぎ払おうとするリィンだったが、本体と思ったデュバリィを切り裂くと同時に技を伍の型、残月に切り替えて太刀の軌道を変える。狙いは――上!
その判断が正解だったと確信したのは、左肩に生まれた熱さと振り上げた太刀に叩き慣らされた盾の感触が伝わってからだった。
攻撃を受けたデュバリィはキリモミしながらも、遠く弾かれた先で体勢を整えて着地する。
デュバリィ達の分け身はすでに消えている。
だがあの三体の中に感じた彼女の気配の名残から、覚えのある力を感じた。
斬られた左肩から流血していくたびに力が抜け、だらりと腕が下がる。鬼気を送り込んで止血を施すが、少し使えそうにない。
肩の痛みに汗を浮かばせながら、リィンは仕掛けて来ないデュバリィに言う。
「洸翼の気。いえ、星洸陣、でしたか」
「一瞬で見抜くとは生意気な」
特に否定せずに肯定するデュバリィ。
さらに言えば、デュバリィの剣にはどこかアルゼイドの流れを汲んでいるような気がした。
星洸陣に使われる洸気など、影響を見て取れる部分が伺える。彼女がアルゼイドを傍流と言うのは、己の使う洸気こそが本流だという表れか。
彼女の剣の師……アリアンロードが、アルゼイド流に覚えのある一廉の人物なのかもしれない。
アルゼイド流には剣以外の流派があるとラウラから聞いていたリィンは、本来は槍の流派であり補助武器として剣術があった、なんて考えに至ってしまいすぐに邪念と断じて振り払う。
「ですが、気取られた以上は隠すつもりはありません。お察しの通り、星洸陣を利用して作り上げた分け身……
実体を持った分け身は、貴方や他の使い手を見て来ましたが、ようやく形となったものです」
リィンもロア・ヴァリマールの力や鬼気によって実体を持った分け身を作り出すことは出来る。
デュバリィもまた、その域にクラフトを進化させたようだ。
「ですから、そろそろ貴方も分け身を遠慮なくお使いなさい。それらを屈服させた上で、私は勝利を勝ち取ります。
そもそも、あの灰のチカラなるものを一切使っていないではありませんか。私を侮っているのですか?」
まさか、と小さく否定する。
デュバリィはリィンと互角の剣士、侮っていればここまで勝負が長引くことなく決着を迎えていたことだろう。
「そもそも、今回の決闘で俺はロア・ヴァリマールは使いません。あれは俺の力じゃなくて、どちらかと言えばヴァリマールのおかげですからね。
それは、一対一の決闘に相応しくない」
言外に、リィンが全力でないことに鼻を白ませるデュバリィ。
だが一度抜けた怒気は、感情の器に穴を開けていたようですぐに沈静化する。
「……ノーザンブリアで見せた騎神の分け身。あれもその一環だと? 鬼の力なるものが使われていたようですが」
「連携技みたいなものです。俺自身だけの力で作り出す分け身は、あれほどの完成度には至っていません」
そも、リィンの実体を持つ分け身はロア・ヴァリマールの《ピース・オブ・パワー》を経由してのことだ。
作り出された分身に、鬼の力という水を注ぎ込むだけで完成するというお手軽なもの。
一から全てを作り出し、操作するとなれば難易度が跳ね上がる。
そのため、リィンはその至難とされる実体の分け身を、自身の力だけで完成させているデュバリィに改めて尊敬の念を覚えた。
「……………むぅ」
それらを聞いたデュバリィは、理解はしても納得がいかないように渋面を作る。
ノーザンブリアの特異点でリィンが見せた数々の戦技。
騎神の分け身すら生み出したあれらを強烈に意識したからこそ、今のデュバリィの伸びがあると彼女自身も認めたくはないが察している。
そんな相手が当時より劣化、とは言いづらいが、それでも出せる力があるのに披露しない、と言われれば口を尖らせてしまうのは仕方なかった。
「デュバリィさんだって、鉄機隊の三人と一緒に使う星洸陣が完成形なんですよね? つまり、あの二人が一緒ならさっきの技ももっと洗練される。それと同じことです」
その言葉に、渋々ながら受け入れるデュバリィ。
申し訳ないやら恐縮やら、複雑な気分がリィンを襲う。
「でゅばりぃヨ。我自身、コノ決闘ガ二人ヲサラナル高ミへ至ラセルモノデアルト感ジテイル。故ニ我ノ介入ハ断ジテナイ、ト宣言シテオコウ」
「……やはり変わった騎神……騎神……うん、騎神なんですわよね」
エマにセリーヌ、ローゼリアといった魔女達と似たような目つきになってきたデュバリィ。
なんとなく親近感を覚えながらも、落胆させてしまった代わりとばかりにリィンは鬼気をゼムリアストーンの太刀に集めた。
「気を落とさないでください。ちゃんと、俺とデュバリィさんを満足させる手段は用意してますから」
デュバリィは会話によって緩んだ気を引き締め、剣と盾を構える。
リィンは左腕が使えず、右手だけで太刀を持った状態だ。
普通に考えれば膂力が下がったことで、二人の力の天秤はデュバリィに傾いている。
だが、彼女は目の前の少年がただでは転ばない性格であることを知っている。
故に油断はしない。
繰り出すのは実体を持った分け身。
その数は六体。
旋回するようにリィンの周りを縦横無尽に走るデュバリィは、数も合わさって何十人にも感じられる。
(さっきみたいに分け身の中に本体が居ると思わせてからの不意打ち。あるいは今度こそ分け身の中に本体がいるのか……まあ、
リィンは太刀を鞘に納め、腰だめに構える。
片手といえ抜刀術に支障はない。
だが、デュバリィとの対峙において致命的となる抜刀の遅れがどうしても生じてしまう。
二人の戦いは、一瞬の隙が勝負を分ける決闘。
それを知ってもなお、リィンがその技を選んだことにデュバリィはますます警戒度を上げていく。
先ほどと同じ繰り返しなら、本体のデュバリィへ太刀を届ける前に完全に彼女の剣がリィンを血の海に沈ませることだろう。
どこかそのことに
生きるか死ぬかの死合であると己の心を促し、デュバリィは覚悟を決める。
「さあ、行きますわよ……!」
繰り出すは己が編み出した最大の戦技。
下位三属性、上位三属性をそれぞれ宿した分け身達が戦場を疾駆する。
蜘蛛の巣のように導力光を引く分け身達の軌跡がリィンを取り囲み、翻弄していく。
「まだまだこれからですわ!」
そして本体のデュバリィが最後の属性、火を灯し七曜の剣を完成させる。
「プリズム――」
「
それに対し、リィンは先ほどと同じように本体でなく星洸陣によって実体を持たせた分け身を切り裂いた。
それを認め、デュバリィは分け身達によって積み重なった六属性の場に、最後のひと押しを着火させる炎の剣を送り込み、リィンの胸元を切り裂――
「――キャリ」
「
「――バァ!?」
こうとした瞬間、体に襲いかかった熱さと衝撃を前に血を吐いた。
マクバーンの黒焔の壁を突破する手段、あるいは《帝国解放戦線》のCが使った幻ごと本体へ斬撃を届かせるために編み出した伝播浸透攻撃。
ようは、魔法や闘気を通じて本人にダメージを与える技である。
技の秘密に気づくことなく、口元から伝う血が古城の床を赤く染め、デュバリィは己の速さを止めきることが出来ずに壁に激突する。
速さがある分、まともに受けたデュバリィの自爆の傷は大きい。
それでも剣と盾を離さないのは流石だったが、ダメージは深刻で立ち上がることが出来ずにいた。
その隙を、リィンは逃さない。
「無想覇斬!」
片手で繰り出された漆の型を前にデュバリィは盾をかざす。
しかし上手く力が入らず、受け流すための技も使えない状態ではただの鉄塊でしかない。
必然、その盾は斬鉄と化した太刀によって両断される。
「ぐうぅ!」
それでも立ち上がる時間とリィンからの攻撃を防ぐべく、神速を以て騎士剣を突き込もうとするが、それはリィンの
幻葉切りによってデュバリィが振るう剣は弱体化しており、騎士剣は全力を振るわれることなくむなしく床に転がった。
そして、デュバリィの細い首に太刀が突きつけられる。
切っ先から小さな赤玉が浮かび、ひりつくような小さな痛みを前にデュバリィは歯噛みする。
「まさか、動けない……フリ……!」
「いえ、メチャクチャ痛いですよ……つまり、ただのやせ我慢です」
かつてリィンは、ルトガー相手に動かせないと思わされた左腕を使われて不意打ちを受けたことがある。
実行して思ったことと言えば、あの人はとても我慢強いということだった。
今も左肩から先を切り落とせばこの痛みが消えるんじゃないか、という馬鹿げた考えが浮かぶほどの苦痛がある。
デュバリィもまた、リィンの顔に浮かぶ脂汗を見てその言葉が事実であることを察した。
しかし――それが逆に、デュバリィに最後の特攻を決断させる。
「俺の勝ちです。降参してくだ――」
「……舐め、んな、ですわあああ!」
「!?」
リィンは切っ先から圧力を感じた。
喉を貫かれることも構わず、仕掛けてくる凄みをデュバリィから感じたリィンは、その覚悟に一瞬だけ呑まれてしまう。
ブレた太刀が喉元から少しズレたことを感じたデュバリィは迷わず前進、喉を切り裂かれながらもリィンの心臓へ頭突きを仕掛け、その動きを止める。
転瞬、転がった騎士剣を回収せんとデュバリィが手を伸ばす。その背後へ、たたらを踏みながらも迫るリィン。
喉を切り裂かれ、上手く喋ることの出来ないデュバリィ。
体も満足に動けない彼女が選んだ選択は、迎撃だった。
「
脳裏に閃く、かつての幻影。
リィンによって散らされた六属性が集う空間で、火とは対極の水の力場を強引に展開させる。
足元から体を凍りつかせる拘束以上に、リィンは迫りくる脅威を感じた。
「
床に突き刺された剣を起爆剤に、氷の
対するリィンは、凍りついて動けない全身に炎を漲らせる。
鬼の力。リィンの中にある全てを燃やしつくすような焔。
そこに最強の焔のイメージをまとわせながら、怪我をいとわず引き出していく。
命を燃やして挑んで来るデュバリィを前に、リィンもまたそれに応じた。
「
内なる焔によって全身を焔……否、劫炎に包んだリィンは螺旋を描きながらデュバリィが生み出した氷へ突き進む。
鬼気が生み出すのは黒い焔の鳳凰。その
その激突は、古城を超えて波紋を広げていた。
*
溢れる水蒸気が熱風となって古城に吹き付ける。
鬼の力によって刺激された霊脈を通じて、衝撃の余波が古城からレグラムへと侵食していく。
アリアンロードはそのことを感じ取り、その力の激突を前に咄嗟に手を掲げた。
「出でよ――《アルグレオン》」
「――応」
呼びかけに応じて、虚空から集った光から白銀の騎士人形が姿を現す。
洗礼されたフォルムに天を駆ける翼を身にまとうその騎士人形は、ヴァリマールやゼクトール、テスタ=ロッサにエル=プラドーを想起させる。
つまりこの騎士人形もまた、騎神の一体。
色は銀、字はアルグレオン。
それは、アリアンロードが手を下げると同時に、その右手に抱えた長大な騎兵槍の柄で地を叩いた。
瞬間、爆発寸前だった力の塊が弾けて消える。
リィンとデュバリィがぶつかり合って生まれた闘気の渦は、その一突きによって消滅した。
「……決着、ですね」
「ああ」
眼下での戦いの結末を前に、アリアンロードがつぶやき、オズぼんが答えた。
その視界の先は――
*
「ぐっ…………はっ」
リィンは、自分が意識を失っていたことに気づいて我に帰る。
同時に、肩は元より腕や足、首の傷口が広がり白い制服はもはや緋色の制服となるほどに朱に染まっていた。
氷漬けの左腕はもう動かない。やせ我慢すら出来ない状態だ。
それでも、右腕が動き太刀が握られていることにリィンは笑みを浮かべた。
「デュバ、リィさんは……」
「あ………は………」
見れば、デュバリィもまた黒いインナーを焦がし、裂け、そこから見える白い肌から鮮血を流している。
火傷は元より、喉から流れる裂傷が深刻だ。
それでも彼女は、ただれた左腕が役立たないことを知り、右腕に握られた騎士剣を見てゆっくりと柄を握る。
倒れていても、なお戦意は尽きず。
その姿にリィンは、今度こそ決着を付けるべく足を引きずりながらデュバリィの元へ這うように移動する。
「これで――」
振り下ろされる太刀。
デュバリィはそれを力ない騎士剣で受け止めようとするが、盾と同じ末路を辿ることとなる。
だが、デュバリィは諦めない。
折れた剣の破片が遠く離れていく光景をよそに、デュバリィはリィンの顔を見る。
すでに太刀を振るう力もない。それを証明するように、リィンの右手から太刀がずり落ちる。
だから、と立ち上がろうと最後の力を振り絞り――倒れることしか出来なかったリィンの頭突きが、デュバリィの額を打ち付けた。
眼前に迫るリィンの瞳には明確な意志が宿っており、この衝撃は起こるべくして起こったのだとデュバリィは実感した。
「…………………の………………す」
それを悔しく思いながら、デュバリィは深い闇の中に意識を落としていった。
*
「見事です」
アリアンロードはそれを見届け、凍りついたエントランスホールへ降り立つ。
そうしてオズぼんを手に取り、少し名残惜しみながらもリィンの左腕へ抱きつかせた。
(フフフ、息子よ。辛勝だったな)
傍目から見れば、リィンがデュバリィを押し倒すように体を重ねている。
だが今の決闘を見届けたアリアンロードに、その姿を不埒だと咎める気持ちは一切沸かなかった。
あるのは純粋な賞賛。
互いの生命を喰らい合う闘争とも違う、互いの力と技を出し切り最後の一滴まで振り絞った儀式のような光景。
ああ、武とは、勝負とはこうあるべきなのだと久しくない胸の高鳴りが彼女の全身に伝わっていく。
「貴方の勝ちです、リィン・シュバルツァー」
「へへ………」
もはや指先一つ動かすことが叶わない状態ながら、リィンもまた勝利への歓喜に笑う。
アリアンロードが手をかざすと、傷ついた二人の体へ注がれるように光が灯る。
「これは……」
「神気……治療とでも思ってください」
回復魔術とも魔法とも違う、妙な力。
それでも活力を取り戻したリィンは、ごろりと横に転がってデュバリィの上から離れた。
顔や体に感じていた柔らかな感触から一転、固い床との差異に苦笑いをこぼしながらも、右腕を突き上げる。
その勝利の合図を、オズぼんとアリアンロード、そしてヴァリマールが見届けた。
「勝った――」
そして、その宣言と同時にリィンは意識を失った。
アリアンロードはその姿に愛おしさを覚えながらも、
「そなたは……何者だ?」
視線の先にいるのは、アルゼイド流筆頭伝承者、ヴィクター・S・アルゼイド。
決闘の余波が古城から溢れた時点で、この展開を予想していたアリアンロードは静かに口を開く。
「私は今宵行われた決闘の見届人、とでも思っていただけたら」
「そこにいる少年は私の知り合いでね。確かクロスベルへ発っていたはずだが……」
「隣で眠る彼女との決闘のために、私が引き止めました。ご安心を、彼は無事にクロスベルへ届けますので。
少なくとも、このレグラムの地で騒乱を起こす気はありません」
「それを信用しろと?」
その言葉に、ヴィクターはうろんな顔だ。
彼の立場からすれば当然の疑問で、アリアンロードとしても無駄な問答をするつもりはない。
たとえ彼が己より強いかもしれない、この剣が届くか試したいとアリアンロードを無意識に誘っていることに気づいていても、だ。
決闘は見届けた。
ならば、この後にすることは決まっている。
「む」
ヴィクターが《ガランシャール》を
けれど、動かない。
獲物を持たずに佇む己の前に怯んでいる――わけでは当然ない。
ただ、その身に流れる血が己に刃を向けることに躊躇している、ようにも見えた。
そして、それに対して違和感を覚えていることも。
そのことを察して、アリアンロードは兜の奥で口元を緩めた。
「まったく、二百年以上経っても律儀な者です」
そう言って、アリアンロードは兜を脱いだ。
晒された素顔を前に、ヴィクターが驚愕を顔に刻んだ。
「槍の聖女……リアンヌ・サンドロット!?」
「少なくとも、この顔が貴方の問いの答えです」
姿を見せるのは一瞬、再び兜を被ったアリアンロードは素っ気なく答える。
同時にエントランスホールに満ちる霧と、足元に生まれる転移陣。
それはアリアンロードと倒れたデュバリィ、そしてリィン達を包み込んでいく。
転がった武器なども同じで、今宵この古城に居た形跡全てを持ち帰るつもりだった。
「さて、不審者は逃げ出してしまいますよ。どうされますか?」
「――是非も、なし」
それは静かなる誘いへの答え。
ヴィクターは、それに応じた。
「絶技――洸凰剣!」
一瞬で練り上げられた洸翼の気がヴィクターの全身を包み込み、アルゼイドの奥義が放たれる。
昨日リィンに放ったものとは異なる、《光の剣匠》の本気。
全力全開の光翼は今にも夜闇に消えるアリアンロードへと羽ばたかれ――
「聖技――グランドクロス!」
瞬時に掲げられた聖槍によって、受け止められた。
後に残るのは、決闘の後すら消え失せて元の静寂を取り戻した古城と――
「フフ……この年で挑戦者としての実感を得るとは。全く、世界は広い」
アルゼイドの剣を完全に相殺されてなお、獰猛に笑うヴィクターの姿だけだった。
リィンの鳳凰烈波はたとえオリジナル名にしようとも、不埒フェニックスで統一される気がするのは何故でしょう。
やはり親父フェニックスと娘フェニックスのせいか…
デュバリィちゃんが剣帝の後継者の如く技を模倣したり、後半が巻いてく感じでしたがこれにて八月の特別実習編は終了となります。
読了、ありがとうございました。
次回、ついにクロスベル上陸です。