「たかあまはらにかむづまります。すめらがむつかむろぎかむろみのみこともちてやほよろづのかみたちを…」
変わった帽子と変わった青色のワンピースを着た女性が大祓詞を紡ぐ。どうやら彼女は人間の里の守護者であり寺子屋を営んでいるというかダブルワーカーであるらしい。
よくそんなことが出来るな、と感心する一方でそんなに仕事して疲れないんだろうかと半ば呆れ気味にため息をついた。
名前は確か…
「以上で穢れを祓い終えました次期博麗の巫女様、それでは後は任せたぞ八雲紫」
「はいありがとう慧音、あとは我々妖怪の領域ですわ」
「まぁ私も半分妖怪だがな…」
慧音と呼ばれた女性は静かに後ろに下がると同時に八雲紫が前に出た。私の前に置かれた何も置かれていない2つの台座にスキマから2つの球体が現れた。
陰陽図が描かれた2つの赤い球体は霊感ゼロの私ですら何か感じざるを得ない力に包まれている。
「これは陰陽玉、スペルカードを制定した巫女が使用していた神具、この陰陽玉があなたを巫女と認めればあなたは晴れて博麗の巫女でしてよ」
そう微笑む八雲紫は少し楽しそうにも見えた。
博麗の巫女を買って出たとはいえこんな面倒な手順を踏まなければいけないのかと憂鬱になる。
八雲紫の式神…八雲藍に促されるように私はその陰陽玉とやらの前に立つ。藍が手をかざしてくださいと静かに耳打ちする。
内心何が起こるのか分からないまま言われたとおりそうっと陰陽玉に触れようとした瞬間、それは白い光を放ち消えた。
「えっ!?ちょっとどういう…」
「おめでとうレイ、あなたは今この瞬間、博麗の巫女としての素質を認められたのですわ」
「い、いや待ってさっきの玉はどこにいって…」
八雲紫はふふっと軽く笑うと私の手をぎゅうっと握りこう言う。
「陰陽玉はね、その者を術者と認めれば術者の体内に収納する仕組みになってますのよ」
「へー、そうなんだ〜すご………ん?」
体内に陰陽玉が…?
そう聞いて私の顔は真っ青になる。
まさかこの玉の動力源は……と考えた瞬間、八雲紫の声が思考を遮った。
「この玉の動力源はレイの命だと思ってますわね??大丈夫、そんなに危ない玉ではありませんわ」
「な、なんで思考が読まれて…?」
「あなたの考えなんてお見通しですもの、そこまで顔に出てれば…ねぇ?」
少し小馬鹿にしたような声色で扇子を扇ぐ紫の姿はいたずら好きの少女のようにも気品溢れる貴婦人にも見えた。
なんだかこんな綺麗な人を前にすると怒る気も失せるとはこういうことだな、と一人で納得しこの儀式は幕を閉じた。
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「色々ありすぎてなんか頭おかしくなりそうだ…」
私は一人寝室でぼんやりと天井を見上げていた。
半分眠気に見舞われてはいるものの脳が考えることを放棄してくれないため寝るにも寝れなかったのだ。
「それにしても博麗の巫女って……全然実感わかないなあ…スペルカード?ルールの復活のことも少し聞いただけだし…」
そう考えているうちに眠気がついに勝利したのか私は深い眠りに落ちた。
「まだ、まだだ…記憶を………」
遠くで何者かが話している声が微かに聞こえた。
だいぶ長い間放置して申し訳ないです。
この一年間非常に忙しく更新する余裕が全くありませんでした。
次はこう言ったことがないようにしたいです。