被害を受けた都市部では逃げ遅れた人々の救助活動が始まっていた。
「救助急げ。軽傷者は応急処置、重傷者はすぐに病院へ搬送だ。」
救助隊の隊長が指示をしている。
「俺たちはどうすればいいんだ?」
ユージがそういうと、オーラは
「わかんねぇけどもうすぐ避難場所とかこれからどうしろとか指示されるだろろ」
二人は会話を交わす。いち早く指示を聞きたいようだ。
その時、 ザーザザーとノイズが入った後に放送が流れる。
「えーと、緊急事態が発生し軽傷者、重傷者多数。市民の皆さんは安全確保の為、リストルニティ機構学校に避難して下さい。繰り返します。緊急事態が......」
「ほらな。避難場所の指示なんてすぐにきただろ。」
「避難場所って俺らの学校じゃねぇか。あのバカでかい体育館に避難すんのか。」
さっきまで気になっていた避難場所がわかり安心する二人。リストルニティ機構学校は壮大な敷地を持っている。ユージが言う通り体育館は相当な大きさだった為避難場所としては最適だった。
「オーラ達無事ー?」
オーラのお母さんが二人は無事なのか確認する。
「大丈夫だよ 母さん」
オーラがそう返事すると
「さっさと避難しようぜ。みんなそろそろ行ってるはずだし。」
ユージが早く避難しようと言う。みんなとは他の友達のことだろう。学校までは結構近かったのですぐに行くことができた。
「人いっぱいいるな。」
ユージが人の多さに少し驚く。住むところをなくしたひとや、住むところは無事だが避難指示に従い来た人で溢れかえっていた。
「おーい。無事でよかった。心配したんだぞ。」
一人の男がオーラ達に話しかける。二人の友達のマウルだった。
「お、マウルじゃねぇか。家や家族は大丈夫か?」
「両方大丈夫だよ。お前らの方も大丈夫か?」
ユージとマウルは会話をする。オーラが他の人々が体育館に行くのを見て、早く行こうと二人に言う。
「行くか。」
「ああ。他の奴が無事か確認しないとな。」
人で溢れる体育館。三人は他の友達が無事か確認した後、それぞれの親と落ち合った。一家庭少しずつスペースを取り、座ったり、寝転んだりして休憩を取る。スマホを使用し、この大事件の情報を得ようとしている人もいる。
オーラとお母さんが取ったスペースの前に一人の人が来た。彼の名はハルト。よくオーラとロボットの話で盛り上がっていた仲だ。武装がなんだの、装甲がなんだのと、割と低レベルな争いもした事があった。
「よく無事だったな。俺安心したよ。やっぱこう言う時って友達のことが心配になるんだよな。ミライやナツ、ユキノも無事だぜ。」
「お前家近いからすぐ確認できたんだよな。」
ハルトからクラスメートが無事だったと聞いた。それから時間が経ち、現時刻は夕方の6時。いつもなら夕食を食べる時間だなとオーラは思う。
「食料の配給でーす。こちらから配って回るので、その場にいてくださーい。」
本部から食料の配給が来た。
「メシだ!」
オーラとハルトの声が揃う。
ハルトは自分の家族が取っているスペースにメシをもらいに行く。オーラ親子は後から体育館に入ったので、すぐメシを貰うことができた。これ程の人数だからいつもより大分少なかったが美味そうに食べる。パンとフルーツだった。ユージもハルトもマウルも美味そうに食べる。マウルはよく食う奴だったので
「すくねぇな....」と言う。
みんながメシを食い終わり、オーラは友達達と会っていた。
「俺らこれからどうすりゃいいと思う?」
ユージが問いかける。
「さぁーな。都市部の復旧を待つ間どうすればいいのやら」
マウルがその問いかけに答える。
「それよりよ。お前らも見ただろ。あの機体。なんて言うかぁ、竜騎士?」
ハルトはドラグーンのことを言っていた。普通学校じゃドラグーンなんて機体がありましたー、なんてこと教わらないからハルトはその存在を知らなかった。
オーラがドラグーンについて自分が知っていることをこの場にいるユージ、マウル、ハルトに教えようとしたその時だった。
「えーと皆様、リストルニティ防衛本部から防衛長のマーラ・アレオスさんがお越しです。お話があるそうなのでお聞きください。」
防衛本部から一番のお偉いさんが来た。オーラ達ははドラグーンの話は一旦置いといてその話を聞ことにする。防衛長はなかなか厳つい人だった。喋っていた大人達も喋るのをやめ、自分の子供達に喋るのをやめさせる。
「皆、聞いてくれ。先の襲撃事件は敵がブァイス社が開発した新機体の奪取を目的としたとの事だ。敵の部隊はアーレガス強国部隊。今最も勢力があるとされている反政府組織だ。敵は都市部を集中的に攻撃し、多くの死者を出した。この中に家族や友人をなくした者もいるだろう。だが我々は負けてはいない。決して負けたわけではない!もし仇を打ちたい者、戦おうと抗う者がいたら一緒に来て欲しい。一緒に戦って欲しい。強制とは言わん。だが今は人材が必要なのだ。時間がないのだ!志願する者がいたら三日後港にある停泊場まで来て欲しい。勇姿を見せてくれた者達を歓迎しよう。」
と言い去って行く。
「いきなり何言うんだよ。」
「死ねって言ってんのか。んなこと無理に決まってんだろ。」
と言う者が殆どだった。だが一部の者、特にオーラ達は
「やってやろうじゃねぇか。ロボットに乗って戦えばいいだけだろ。」
マウルが言う。ユージ達も行く気満々だった。オーラ達ははまだ中学三年生。だが戦おうと抗う。そして決心する。
負けるまで戦う。いや、決して負けないと。