四月は君の嘘~嘘と運命~   作:舞翼

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見切り発車です(-_-;)


――始まり。

 ~市立墨谷中学校。放課後、音楽準備室~

 

「公正。卵サンドとモーモー印の牛乳買って来たぞ」

 

「あ、うん。ありがとう」

 

 俺は音楽準備室に入り、ドアを閉めてから公正の隣に腰を下ろす。

 

「またバイトの耳コピか?」

 

 公正は楽譜に音符を書きながら、

 

「うん、時給も良いし暇潰しにもなるしね」

 

「なるほどなぁ。俺もバイトすっかな」

 

 俺の両親は、俺が子供頃に交通事故で他界してしまい、今は防音アパートで一人暮らしである。

 ちなみに、俺の両親は莫大な遺産を残していた為、俺の貯金は(今は親戚が預かってくれている)かなりあったりする。

 

「翔太はバイトしなくても、いつも財布の中は潤っているじゃないか」

 

「まあな。購買以外、金を使う機会がないだけなんだが」

 

 と言って、俺は卵サンドを口にする。

 その時、パリンッ。と硝子の破砕音が響き、ソフトボールが音楽室に飛び込んできた。……まあ、公正に直撃したんだが。

 

「お、お邪魔します~」

 

 数分後、音楽室に入って来たのは、ソフト部のユニフォームか来た、澤部椿である。

 

「おう。椿、これでお前何枚目だ?」

 

「い、いや~、何枚目でしょう……」

 

 ちなみに、八枚目である。

 

「あれ、椿いつ音楽室に?あー!また硝子が割れてる!やっと直してもらった所だったのに……」

 

 右のでこから血を流し、床に倒れて起き上がった公正が椿に問う。

 

「ふふん、割った硝子の数は強打者の勲章よ」

 

 とまあ、いつもの言い合いが始まってしまう。

 まあ椿の気持ちも解る。今年俺たちは中学三年生、中学最後の夏なのだ。

 

「まあいいや、片付けるか。公正も手伝えよ」

 

「……椿のせいなのに、何で僕が……」

 

 俺と公平は立ち上がり、割れた場所まで歩いて、しゃがんで硝子の破片に触ろうと――、

 

「――あんたら、触ったら指が!ピアニストの命でしょうが!」

 

 椿は、俺と公正の手を握った。

 椿の言う通り、俺と公正の指は宝物であったが、今ではそんな価値はなくなってしまったのだ。

 

「俺はキーボードが弾ければいいし、問題ないぞ」

 

 椿の言う通り、俺と公正は元ピアニスト。

 だが、ある事件(・・・・)を切っ掛けに、俺はピアノに触れる事は無くなった。

 

「……僕も、別にいいしね」

 

 

 ~通学路~

 

「あのハゲ教頭め。硝子を割ったくらいでビンタすんなよな。大体さ、校舎の位置がおかしいのよ。ボールが飛ぶ方向に建っているんだもの」

 

「オレは別にいいけどね。女の子が応援してくれるから、やる気でるし」

 

「いや、その前にビンタされたのは僕なんだけど」

 

「割ってる数がアレだしなぁ。仕方ないんじゃね」

 

 ちなみに、俺はビンタは食らわなかったが、反省文二枚らしい。公正もだけど。

 

「ホント、お前らはいつも貧乏クジだよな」

 

「いや、小学校高学年の時と比べると大した事ないぞ。椿の無茶ぶりハンパなかったしな」

 

 俺と公正たちは、幼馴染という訳ではない。小学校高学年の時仲良くなり、今に至る感じだ。

 

「うん、僕もかな。僕は小さい頃、川に落とされるのは日常茶飯事だったし、遠足の吊り橋を破壊した時に巻き添えを食らったりね」

 

 ともあれ、いつも通り下校し、俺は帰路に着いた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 翌日の放課後。俺は公正と共に教室に残っていた。

 俺がこのように残っているのは、昨日と同じく公正の家に行き、夕食を作るからである。公正の母親である早希さんは、入退院を繰り返しご飯が作れなくなってから、椿と交代でその役目を引き継いでる感じだ。

 てかあれだ、公正の奴、飯がなかったら、飯をほぼ食わない。が原因の一端である。そして、公正の母親早希さんは既に亡くなっている。親父さんはご存命であるが、職業柄出張が多い為、一ヵ月に一度帰ってくれば良い方である。ともあれ、俺の家事スキルはかなり高い。……というか、俺は公正の執事的な位置にいるよね?バイト代取れんじゃね?多分、いや、知らんけど。

 

「翔太。僕を待ってるんだったら、先に帰っても大丈夫だよ」

 

「いや、結局はお前ん家行くんだし、一緒に帰るわ」

 

 着替える為アパートに一度帰るが、特段変わる事もない。一緒に帰る奴も欲しいし。

 それから数分後、教室のドアを開け、椿が教室に入ってくる。ちなみに、公正はイヤホンで曲を聞いてる為、回りには気づいてない。

 椿はソフトボールを投げ、公生の後頭部に当てる。だが、公正は隠れた椿を見つける事ができず、回りをキョロキョロしている。

 

「つまんないリアクション」

 

 いやいや、公正になんのリアクションを求めてるんだよ……。

 

「あんたらの青春ってなんなの?教室で読書と楽譜書きとか!」

 

 どうやら椿は、俺たちを見かねて教室に来たらしい。

 いやね、俺の青春はもう終わってるんだよ。――ピアノを止めたあの日から。

 ともあれ、椿は空いている椅子に座る。

 

「で、何?」

 

 公正はイヤホンを外し、

 

「うん。僕忙しんだ」

 

「あんたら冷たすぎだから!」

 

 椿の話によると、椿のクラスの女子が、明日、渡と会う約束があるらしい。だから、私が気まずくなるから、お前たちも就き添え。ということらしい。

 

「いや、だったら公正だけでいいじゃんか」

 

「あー、そうしようと思ったんだけど、その女の子ヴァイオリンやっててね。あんたらと話が合うと思うわよ。ていうか、公正じゃ話が詰まる可能性もあるでしょ、その場合の翔太よ。まあ、翔太を仲間外れもアレだしね」

 

「あ、そう。つーか、渡もいるんだし大丈夫じゃね?てか、公正はほぼ強制なのね」

 

 本当だよ。と溜息を吐く公正。

 でもまあ、結局俺も行く事になったけど。……面倒くせぇー。

 

「それにあんたら、私から見るとピアノにしがみついてるように見えるわよ」

 

「そうか?今更、未練はないけどな」 

 

「僕は――どうなんだろう……」

 

 俺から見ると、公正はピアノに向き合ってないだけ。とも見れる。まあ俺の場合は、キッパリと辞めたけど。

 ともあれ、明日は約束の日である――。




続くかな?
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