高校混合の球技大会が終了し、結果は椿は所属するハンドボール部は決勝で敗退。渡も所属するサッカー部も同様だ。
ともあれ、俺と里香は帰路に着いていた。
「残念だったね、渡君と椿ちゃん」
「ああ。でも、椿たちは精一杯プレイしたから、『悔いはない』って言ってたよ。それと、『次はお前たちの番だ。期待してるぞ。スターになれ』って応援をくれた」
「そっか。私たちも頑張らないとね」
ああ。と俺は言う。んで、明日がガラコンの演奏日だ。
ということなので、今日は最後の練習である。……つーか最近、里香の家に行くのに抵抗が無くなってきたんだよなぁ。馴れってマジで怖いわ。
「そうなんだが。てか、自分で言うのも何だが、あの『月の光』はほぼ自己流だよな」
「私は良いと思ってるけど。だって、音楽は自由に奏でるものじゃない?」
「……まあな。でもあれ、審査員の意見が割れるな」
「ふふ、そうかもね」
次の言葉で、俺は驚愕することになる。
「えっと。今日、私と留守番して欲しんだけ、ど」
里香の話によると、今日は梨奈は友達の家で泊まりであり、両親も保護者会で夜遅くの帰宅になるらしい。そこで、里香の両親が出した結論は『今日の練習で翔太君が来るのなら、一緒に留守番してもらえれば大丈夫だ』という事。……いや、何。俺の逃げ道塞いでるよね。だって、里香が家に1人になるって事なるんだろ?
「だ、大丈夫!翔太君が甲斐性ないのはわかってるから!」
「……手を出すことはしないけどよ。中学生を2人にさせるとか、里香の両親は色々な意味で大丈夫なのか?」
里香の話によると『翔太君は、お母さんたちが認めてるから大丈夫みたいだよ』って言う返事だった。……なんつーか、俺をそこまで信用(信頼)してくれる理由が知りたいです、はい。
「ど、どうかな?」
「いや、いいけどよ。何だか、俺に対しての判断基準がおかしくね?」
「そうかなぁ。いつも一生懸命、梨奈の指導をしてくれてるし、音楽にも対して熱い思いで取り組むことを知ってるからじゃないのかな。翔太君の人柄もいいしね!」
「……あ、そう」
ともあれ、里香には俺のアパートまで着いて来てもらってから鍵を開けて部屋に入り、俺が着替え等を持って雨宮家に向かったのだった。
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雨宮家に到着し、練習が終わった俺たちはリビングに備え付けられているソファに座っていた。
「今日の感じで演奏すれば問題ないだろ」
「だね。明日のガラコンが楽しみだよ」
「んで、今日の飯はどうすんの?」
「ん、今日は私が作るよ」
メニューは焼きそばらしい。いや、簡単すぎないか?という俺の心の声は仕舞っておこう。つーか、今日はって、今後こういうイベントのフラグは止めて欲しい……。
ともあれ、共同で焼きそばを作り終え、リビングテーブルの椅子に向かい合わせに座る俺たち。
そして両の手を自身の前で合わせ、
「「いただきます」」
と言ってから、フォークを持ち麺を啜る。
「どうかな?」
……里香さん、上目遣いで見るのは止めようね。色々と俺が困るから。
「普通なんじゃねぇか。まあ強いて言えば、屋台の料理より美味いけど」
「翔太君、その言い方は捻くれてるよ」
と、苦笑する里香。
それから飯を食い終わり、風呂に入った俺は、リビングで時間を潰していた。つーか、もう眠いんだが。
目を擦っていたら、風呂上がりの里香が俺の隣に座る……てか、Tシャツで短パンの里香は、俺の理性を削るのに十分な破壊力を秘めていた。具体的には、風呂上がりのシャンプーに匂いとか、彼女の濡れた髪とかは、ヤバイという事である。まあでも、睡魔がそれ以上に勝っていたのだった。
「翔太君、眠い?」
首を傾げて聞く里香。
「ああ、かなりな」
「そっか。寝る場所なんだけど、私の部屋でも大丈夫?」
「床に布団を敷くなら構わないよ」
「ん、りょうかい。じゃあお部屋にご案内します!」
「……おう」
それから、寝る支度をして里香の部屋に移動する俺。
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部屋に入り、私のベットの隣に布団を敷くと、翔太君は敷いた布団に横になり、体に毛布を掛け眠ってしまった。私はもっとお話したかったが、翔太君の寝顔を見ることに切り替えた。
翔太君の寝顔は、いつもの逞しさ?が無くなって、幼い子供のような寝顔だ。完全に気を許してくれている証拠だと私は思っている。
「明日のコンクール頑張ろうね」
私はそう言ってからベットに横になり、体に毛布を掛け眠りに就いたのだった。
それにしても、翔太くんリア充やなぁ。
ちなみに、玄関等の鍵もしっかりかけています。