そして、理絵の身に起きた壮絶な過去も明かされる…
OPテーマ
『願いを呼ぶ季節』
歌:TOKINE
EDテーマ
『打上花火』
歌:DAOKO×米津玄師
理絵side
その日の夕方、私は例の公園に立ち寄った…喧嘩した次の日からいつも私はここで信ちゃんを待っているのだが、彼はここに足を踏み入れることは一切ない。どうせ私よりも若い西澤さんを口説いているのだろう…そんな風なことを考えていると、ベンチに座っているその西澤さんの姿がそこにはあった。
「西澤さん?」
「課長、お疲れ様です…」
それにしても、凄く元気がない…信ちゃんとあの一件から仲良くしていてずっと笑顔だったのに、まるで悲しそうな表情をしていた。
「元気がないわね…私で良ければ相談に乗るわ。女性同士だったら話せることもあるだろうし…だから、話してみて?」
「はい、実は今日…竜源院先輩に書類の添削の後に告白したのですが、先輩から無視されてしまいました。」
「そう、信…竜源院に告白したのね。それで、これから貴方はどうしたいの?」
「私ですか。私は先輩から色々と仕事に関して教えていただいた時からずっと好きでした…だから、この気持ちを先輩に伝えたいです。」
なるほど、信ちゃんはそんな彼女の気持ちを利用しているって訳ね…ますます怒りがこみ上げてくる。
「ふぅ~ん…でも、告白するタイミングっていつでもあったじゃないの。例えば、彼が喫茶店に貴方を誘った時だってあれだけ甘やかしてもらったんだからいくらでも言えたんじゃない?」
「えっ…課長、どうしてそれを?」
「この前、帰り道の喫茶店で西澤さんと竜源院がニコニコ話をしていて、彼が貴方の髪を撫でているところを偶然見たのよ。やっぱり、あの男は!」
「違います。実は、先輩を喫茶店に誘ったのは私なんです…」
「えっ!?」
何と、私は大きな誤解をしていた。喫茶店に誘ったのは信ちゃんじゃなくて西澤さん本人だったのだ…ってことは、仕事の相談って話も本当なのかもしれない。
「西澤さん、もうちょっと詳しい話を聞かせてくれる?」
「は、はい…」
西澤さんはそれからその日の状況を詳しく話していく…話が進む度に私の落ち度が徐々に露呈していった。同時に、彼女のご両親を幼い頃に亡くしたことや学生時代にお友達がいなかったという辛い過去があったことも知ることができ、信ちゃんを好きになった理由も何となく理解できた気がする…そう、西澤さんは信ちゃんとは別のタイプの甘えたがり屋だったのだ。
side out
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信次side
竜源院信次です。今、理絵さんの親友である元女優の美姫さんとその旦那さんで現役競輪選手の坂井田選手の家にお邪魔させていただいているのだが…
「ねえ、おじさん遊ぼ!」
「おじさんおじさん♪」
「ハハハ…困ったな。」
僕はお二人の子供である双子姉弟から遊ぼうと誘われている最中である。僕の右側にいるのが姉の萌奈《もな》ちゃんで左側が弟の悠真《ゆうま》くん…今は両方から頬を引っ張ったりして僕の顔をおもちゃにして遊んで楽しんでいるところだ。子供って好奇心が強いものだね。
「萌奈と悠真ったら…あのね、おじさんはこれからママと大事なお話をするからそれぐらいにしてあげてね?」
「「やだ~♪」」
それでも、この双子姉弟は言うことを聞かない。最初に理絵さんとここに来た時から僕はこの子達に懐かれてしまって、毎回来る度にいい感じで遊び相手になっているのは言うまでもない。
「もう、智くんからも何か言ってよ~。」
「ちょっ…後はパスタを盛り付ければ終わるから、それまで待っててよ!」
一方で父親の坂井田選手はパスタの盛りつけに一苦労している。料理の腕に関しては文句ないだろうが、肝心の盛りつけに関しては明らかに不器用なところが露呈している。『料理上手の盛りつけ下手』とはまさにこのことだ…
「ごめんね、いつも二人がこんな感じで…」
「いえいえ、もう慣れましたよ。子供ってのは可愛いもので…って痛い!」
すると、萌奈ちゃんが今大人気であるマジョキュア(女の子向けの魔法少女アニメ)に出てくるスティックを僕の後頭部にぶつけてきた。いくら小さい子が可愛くても、こんな予測不能な行動をされては困る…
「おじさんに住む悪魔はこのマジョキュアが懲らしめてあげる♪」
「いいぞいいぞ~!」
「いたたたた…ちょっ、萌奈ちゃんダメだって!」
「こら!萌奈、悠真!!」
「「…!?」」
ちょうどその時、パスタの盛りつけをようやく終えた坂井田選手がいたずらを止めない萌奈ちゃんと悠真くんの前に現れる。
「そんなことをやってたら、二度とお前達にマジョキュアは見せないぞ~。それでもいいのかな?」
「「ごめんなさい…」」
「よろしい!それじゃあ、二人は静かにあっちで遊ぼうか。」
「「はーい…」」
二人はマジョキュアを見せないという父親からの警告に屈して別の部屋へと退散していく。レースにおいてあらゆる攻めにも耐えてきた競輪選手だけあって父親としてもかなり強いんだな…流石の一言に尽きる。
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「…というのが事実です。」
騒ぎが落ち着いたところで、僕は美姫さんと坂井田選手に今回のことを話した。
「理絵はあんな風に言ってたけど…あれってその西澤さんって新人ちゃんが誘ったのね。」
「それで、内容は本当にお仕事の相談と…信次さんのお気持ちは分かりますよ。」
「はい…でも、理絵さんはそれを信じてくれないんです。それどころか自分のことを『おばさん』と卑下したり、明らかに嫉妬しているというか僻んでいるというか…それで、未だに理絵さんとはまともに話をできていません。」
「うーん、それは困ったわ…何か話さないと今回の事態に関してはどうにもならないからね。」
「だったら、直接理絵さんを呼んでみるのはどうかな?信次さんだって話す切欠を作りたいって言ってるし…信次さんもそれでどうでしょうか?」
坂井田選手は僕の方を見て理絵さんを呼んでいいのかの確認を取る。
「はい、是非ともお願いします。」
もちろん、答えとしては"YES"としか言えないだろう。坂井田選手も僕と同じように年上のパートナーを持っているだけあって年上を相手にする苦労を誰よりも知っている…それだけに、僕が困っている時はいつも男性の立場としていつも助けられているのだ。本当に今回もありがとうございます!
「分かりました。それじゃあ…俺は理絵さんに電話かけて今から来れるかアポ取るので、信次さんはゆっくり美姫たんと話をしててください。それでは!」
坂井田選手は部屋を後にして電話のある入り口前へと向かい、その間も僕と美姫さんの二人きりとなってさらに話が進んでいく。
「ところで、僕も一つ気になることがあるんです。」
「何かしら?」
「理絵さんはどうしてあんな誤解をしたのかって思うんです。僕は単に西澤さんから仕事の相談と誘われて、その相談に乗っただけで頭は撫でましたけどそれは彼女が泣いていたのを落ち着かせる為で…」
「へぇ~、新人ちゃんの頭を撫でたんだ?」
「いや、単に人としてどうやったら気持ちを落ち着かせることができるのかが分からなくて…でも、彼女が嫉妬によって怒っているのは理解できていますよ。」
「なるほど…ねえ、理絵は相手の男がどうして年下の女性と話しているだけでもあんなに嫉妬するのか知ってる?」
「それって僕のような年上好きが年下と話していたからだと…」
「違うわ。もっと深い事情があるのよ…」
「事情?」
「折角だし、話してあげるわ。」
side out
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~10年前~
それはまだ理絵が佐倉工房に就職して2年目の出来事だ。当時の理絵は今とは違って雰囲気はプライベートと全く変わらない年相応にはっちゃけていて、仕事面でもミスがそれなりに目立っていた故に営業課の人間のほとんどから『東條人事部長(当時)のコネ』やら『親の七光り』と言われ煙たがられていたが、彼女の同期にして当時の恋人だった楠田健介《くすだけんすけ》という優秀だった若手営業マンの存在もあり、彼女に対する嫌がらせは一切なかった。
「理絵、お疲れ!これから空いてる?」
「うん!私もお腹ペコペコだからさ…健介お勧めのあの店で飲まない?」
「また居酒屋か…お前って本当に好きだな!俺の勧めた店を気に入ってくれて何よりだけど。」
「それじゃあ、早速行きましょ~♪」
「おいおい、引っ張るなって!全く…」
そんな感じで理絵と健介の付き合いは順調だった。実を言うと、二人が恋人関係になったのは大学3年生の時で付き合い始めて3年と長くラブラブしてきていたのだ。しかし、ある一件を切欠として二人の関係が徐々に歪んでいくことになる…それは居酒屋デートから数日が経った日のこと、健介は昼休みの喫煙室の中にて後輩社員で学生時代からの後輩でもある新田詩織《にったしおり》と話をしていた。
「楠田先輩、いつになったら東條先輩と別れてくれるの?」
「ああ、しばらくしたら別れるつもりだよ。アイツとも長い付き合いになったけど、そろそろマンネリ化してきたってところだな…社会人になってから酒しか飲んでねえし!もうウンザリだぜ…」
「…っていうか、あんな親の七光りよりもちゃんと仕事ができるこのあたしこそが楠田先輩に相応しいよね♪」
「自分で言うか?まあ、詩織が言うならそれで合ってるけどよ!ハハハハ…ハ?」
その時、喫煙室の前を通りかかった理絵がイチャイチャしていたところを目撃していたところを健介は確認する。彼女は唖然とした表情でこっちを見ていた…目には涙が浮かんでいて、今にも泣きそうだった。
「…ッ!」
「あっ、ちょっ…理絵!」
そして、理絵は健介に何も言うことなくその場から走り去る。以降、彼女はこのショックにより体調を崩してしまい仕事を1ヶ月休んでしまうことになってしまった…
(1ヶ月後…)
職場復帰の初日…理絵は何事もなかったかのように営業課のオフィスに入る。
「おはようございます!」
「おはよう…体調はどうかね?」
「お陰様で万全です…ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。」
「そうか…まあ、今日からまた頑張りなさい。」
「それと、一つ気になることがあるんですけど…楠田くん、まだ会社に来てませんよね?荷物も何もないのですが…」
「…」
理絵はまだ会社に来ていない健介を心配してどこにいるのかを課長(当時)に訊ねる。しかし、その課長は全く口を開こうとせずに俯いて何も話そうとしなかった。
「課長、どうしましたか?」
「いきなりだが、君はテレビのニュースを観たのかね?」
「いや、ずっと寝ていたので観ていませんでしたけど…どうしましたか?」
「東條くん…楠田くんは殺されたんだよ。」
「嘘…冗談ですよね?」
理絵は課長からの衝撃の告白に驚くことしかできずにいた。それもそのはず、誰からも恨まれることのなかったはずの健介がいきなり何者かによって殺されたという話が突然と浮上したのだから…
「冗談じゃない…楠田くんはな、暴力団の傘下にあるお店で店員の女性を指名して気に入っては性行為を繰り返していたんだ。それで指名料や子供ができたことによる損害賠償が借金となり積み重なった結果、毎日その暴力団の組織から追われて最終的には恋人だった新田くんと共に射殺された。」
「そんな…」
理絵はその事実を知り、膝から折れるようにしてその場に崩れる。以前から健介の女癖があまり良くないということは知っていたのだが…暴力団絡みのトラブルに遭っていた上に新田とも二股をかけていたということに関しては一切知らなかった。
(あの時、健介の話を聞いていたら…私は健介を束縛しなかったのに、そしたら新田さんも巻き込まれずに済んだのに!)
「それにしても、楠田くんは何故誰にも相談をしなかったのだろうかね…暴力団絡みであれば警察に話せば良かったものを。」
(私が健介を自由にしていたら、彼だってみんなに話せたはず…そう、全部私が悪いんだ。彼を束縛した私のせいなんだ!)
事件が発覚してから、彼女は誰とも恋をすることなく仕事のみに打ち込むようになった。その結果、理絵は営業課長を任されるまでに出世して現在に至るのだ…そして、今のような性格になり恋愛観も変わってしまったのはこの事件が切欠なのは言うまでもない。
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信次side
「これが理絵の味わった過去よ…ごめんね、こんな重苦しい雰囲気にしてしまって。」
理絵さんが今のような性格になった切欠となった過去の話を美姫さんが話し終える…それにしても、彼女は壮絶な過去を味わっていた。このトラウマがあるからこそ理絵さんは僕が西澤さんと話しているだけでも嫌だと言うのだ…にしても、聞いていた僕も辛い気持ちになる。これが彼女の心の中にある傷なのだろう…
「いいえ、僕もそんな過去があったとも知らずに…誤解を招くようなことをしてしまいました。悪いのは僕の方です…次に話す機会があるとしたら、その時に謝りますよ。」
「そう…これからも理絵を大事にしてあげてね?」
「はい!」
「信次さん、理絵さんは今…こっちに向かっているそうですよ。それと、後輩の西澤さんも連れて来るみたいです!」
「坂井田さん、本当にありがとうございます。僕、嬉しくて嬉しくて…」
その時、仲直りできるという安心感からか僕の目からは涙が溢れていた。本当に嬉しい…嬉しくて言葉が出てこないぐらいに坂井田選手には感謝している。それと、話をわざわざ聞いてくださった美姫さんも…本当に感謝の言葉以外に出てくる言葉は見当たらない。
「こらこら…男の子がそんなに泣かないの!理絵の彼氏なんでしょ?大事にするって約束したじゃん…だったら、スマイルスマイルよ♪」
美姫さんは僕の頬を両手で引っ張り、無理矢理笑顔を作ろうとする。
「そうですよ。嬉し泣きしている暇があるなら、笑顔で喜ぶのが一番です!美姫たんも泣きたい時があってもいつも笑顔を絶やさずにやって来た訳ですし、俺もそうやって来ましたから…信次さんも笑顔を大切にしてください。」
「美姫さん、坂井田さん…本当にありがとうございます。」
僕はわざわざ話を聞いてくださり、解決の為の道筋を見つけてくれた二人に感謝する。
ピンポーン
「…っと、そろそろお客が来たわね。はーい♪」
インターホンが鳴り、美姫さんはドアの前へと駆けていく。この感じだと理絵さんと西澤さんが来たという訳だな…
「涙は拭きましたか?」
「すみません、ありがとうございます…」
僕は坂井田選手からハンカチを借りて溢れた涙を拭って理絵さん達を待つ。
「信次くーん、理絵と西澤さんが来たわよ♪」
「はい。僕、行ってきますね!」
「頑張ってください。俺は信じてますよ、信次さんと理絵さんが仲直りしてくれることを…」
「はい!」
そして、僕は理絵さんと西澤さんの待つ玄関へと坂井田選手に見送られて向かう。すると、玄関前には美姫さんと話していた理絵さんと一緒にやって来た西澤さんの姿があった。
「理絵さん!」
「信ちゃん…信ちゃぁぁん!!」
理絵さんは靴を脱ぎ捨て勢いよく涙を流しながら抱きついてきた。僕も彼女を抱き止めて、これまで辛い想いをさせた分強く抱きしめる。
「ごめんね。私、嫉妬でおかしくなって信ちゃんの気持ちも事実も何も知ろうとせずに勝手なことばかり言っちゃった…」
「僕の方こそ、美姫さんから聞きました。相当辛い想いをしたんですね…本当に誤解を招くようなことをして本当に申し訳ありません。こんな僕ですけど、これからも好きでいてくれますか?」
「もちろんよ…もう君以外の人を好きになることなんてないと思う。だから、君よりもずっと年上な私だけど、これからも…私のそばにいてください。」
そして、僕は理絵さんの涙が乾くまで彼女の身体を抱きしめ続けた…本当にごめんなさい、理絵さん。でも、こうして戻ってきてこんな僕でも許してくれたことは凄く嬉しい…本当にありがとう。
「…そろそろいいかしら?熱く抱きしめ合うのもいいけど、場所を考えなさいよね…」
「「はっ!?」」
美姫さんに言われ、僕達は抱きしめ合うのをやめる。ひとまずは仲直りできてひと安心ってところだ…僕達は笑顔でお互いを見つめ合う。
「それより、西澤さんも何か言うことあるでしょ?」
「は、はい!あの…お二人の関係なついては課長から聞いてます。何も知らずに告白して本当にすみませんでした!」
「理絵さん、話したんですか?」
「うん…これ以上、内緒にしてたら逆に良くないと思ってね。」
「それで…たとえお付き合いするのが無理だとしても、今後も先輩としてご指導いただけないでしょうか?お願いします!」
「顔を上げて…そんな風にお願いしなくても僕はいつでも君が困っていたら助けるからさ。西澤さん、これからもよろしく!」
「は、はい!」
僕は西澤さんと握手を交わす。その時の西澤さんの表情はこれまでの笑顔よりも一層に輝いていて、スッキリしていた。
「言っておくけど、信ちゃんは渡さないからね?祥子ちゃんには負けないんだから♪」
「私もお仕事を頑張って、信次さんに沢山褒められるようになってみせます!もちろん…理絵さんにもです。」
それと同時に、理絵さんと西澤さんの距離もかなり近づいて何よりだ。まあ、呼び方が変わっているようだが…そこは気にしない。
~~~~~~~~
坂井田家で夕食をご馳走になった後の帰り道…僕と理絵さんは二人きりで星空の下を並んで歩いていく。今日の星空はここ何日よりも綺麗で、いつもの星空よりも一層と澄んでいる感じだ。
「今日は自宅まででいいわ。ありがとう…」
「いいんですか?良かったら僕の家で泊まって行ったりとか…」
「ごめん、今日は君に迷惑をかけちゃったから一人にさせてほしいの…お泊まり会はまた今度の金曜日にしましょうね。それじゃあ…お休み♪」
「お休みなさい…」
理絵さんは自宅のドアの鍵を開けて、家の中へと入っていく。それを確認して、僕も自分の家へと帰ろうとした…その時。
「待って!」
「えっ?」
遠くから僕を呼び止める理絵さんの声が耳に入る。何事かと思い振り返ると、理絵さんが大急ぎで僕のもとへと駆け寄っていきなり手を握る。
「やっぱり君と一緒にいたい気分なの…君に甘えたい!だから、今日は私の家に泊まってくれないかしら?」
「でも、着替えはどうすれば…僕、手ぶらですよ?それに、専務もいらっしゃるだろうから邪魔するのは流石に良くないと…」
「安心して!社長とプロ野球のナイターを観てそのままホテルに泊まるから今日は帰れないってお父さんが言ってたの。下着やパジャマに関してはお父さんが使ってないのを貸してあげる!それでも、ダメかしら?」
「うっ…」
理絵さんは寂しそうしているウサギのように上目遣いで僕の腕を握り、泊まってほしいと訴えかける。本当にこの人は反則だ…甘えたがる彼女も可愛くてこれじゃあ断りきれる理由が見当たらない。
「分かりました。大丈夫ですよ、僕も理絵さんと一緒にいたいと思っていたので…こちらこそ、よろしくお願いします!」
「信ちゃん、ありがとう…大好き♪」
チュッ
僕は不意打ちで理絵さんからキスされてしまう。久方ぶりのキスは唇に軽くワンタッチする程度の眉唾ものだったが、何だか胸の奥から炎が燃えてくるような感じがした。
「じゃあ、そろそろ…」
「待ってよ!私が『大好き』って言ったんだから返事はないの?」
「分かってますよ。僕も…理絵さんのことが大好きです。」
「よろしい。それじゃあ、行きましょう♪」
「はい!」
こうして、理絵さんの家にて二人きりの熱いお泊まり会が幕を開けるのであった。ここから先どうなのったのか…それは読者の皆様にお任せします…以上、女上司《カノジョ》との関係が終わる話!?でした。
キャラ紹介
楠田健介《くすだけんすけ》
CV:森久保祥太郎(声のイメージ:茂野吾郎)
見た目:黒髪ツンツンヘアー、瞳は茶色
身長:182センチ
体重:78キロ
誕生日:5月6日
享年:24
解説
理絵の同期で大学時代からの元カレ。彼女とは一見かなり仲良くやってたように思えたが、実態は女癖と酒癖が悪い。暴力団の傘下にあるお店で綺麗な子を指名しては性行為をして、指名料と子供ができたことによる損害賠償で借金が山積みとなり、二股相手の後輩である新田と共に暴力団の若頭から射殺された。
新田詩織《にったしおり》
CV:徳井青空(声のイメージ:矢澤にこ)
見た目:黒髪ロング(ポニーテール)、つり目、瞳の色は黒
身長:154センチ
体重:??
誕生日:2月5日
享年:23
解説
健介とは小学生時代からの後輩で理絵と付き合っていた中で二股をかけていた。彼女も暴力団の若頭から殺害。
坂井田智博《さかいだともひろ》
CV:保志総一朗(声のイメージ:内山)
見た目:競輪選手の深谷知広を想像してください
身長:169センチ
体重:90キロ
誕生日:1月3日
年齢:28歳
解説
美姫の夫で現役の競輪選手(S級1班・東京支部)。関東を代表する先行選手で持ち味のダッシュ力はナショナルチームに選ばれる物を持っている期待の若手で、本職の競輪では特別競輪(G2以上)の優勝はまだないが、開設記念競輪(G3)では数多く制する実力者。美姫とは競輪番組での共演を機に結婚していて、ファンと憧れの女優の結婚というファンタジー婚を体現する人物の一人として挙げられている。ちなみに、料理の腕前は超一流ではあるが…典型的な盛りつけ下手。
坂井田萌奈《さかいだもな》、坂井田悠真《さかいだゆうま》
CV:久野美咲(萌奈←声のイメージ:ホーク)、小林由美子(悠真←声のイメージ:ハチ)
見た目:黒髪ショートボブ(萌奈)、同じくベリーショート(悠真)、瞳の色はどちらも黒色
身長:102センチ(両方)
体重:不明だが悠真が少し重い
誕生日:11月11日(両方)
年齢:4歳(両方)
解説
美姫と智博の子供で双子の姉弟。好きなアニメはマジョキュアというタイトルの魔法少女アニメでいつもごっこ遊びは当たり前。理絵と信次にはよく懐いている模様。
それにしても、前回の前編と今回の後編を合わせたら新キャラの登場数が半端ねえ…
最後に、ここでお知らせがあります!次回は7.5話という位置付けとしてこのハーメルン限定の書き下ろしオリジナルストーリーを完成でき次第投稿します。とりあえず、掲載先のタイトルは『僕のカノジョは厳しい女上司 ~R-18短編集~(仮題)』で、そのタイトルのごとく7.5話はR-18回となります。
どんなエロ描写が描かれるのか…それは内緒ですぞ?(ゲス笑い)
https://syosetu.org/novel/170097/1.html
7.5話更新しました!(9/25追記)