ぼくときみでつくるヒーロー   作:やんごとなき事情

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Σ[n=1→∞](9/10^n) 話 ミスマッチな夢と現実

ドンッ!!!

 

赤い左脚に仕込まれた強力バネ「ホップスプリンガー」が唸る。アスファルトにうさぎの顔の形をしたヒビが入り、赤と青のフルスキンが空高く飛び上がる。

 

スーツ内部に搭載した大容量メモリCPUが右の視覚センサー「ライトアイタンク」の計測した距離情報を元に弾道計算を行う。瞬時に弾き出された計算結果を元にメット内部に投影されるVRスクリーンの映像レイヤーの上から3Dレンダリングが重ねられ標的を効率的に排除するための手順が事細やかに、かつ、高速で表示される。

 

それを元に装着者はレンダリングデータを元に腰に装着したベルト型変身機関「ビルドドライバー」の中枢「ビルディングモジュール」に拘束具を発注。注文を受けたビルディングモジュールは即座に1/1スケールで拘束具を立体印刷。投影し、入力された拘束モーション通りに目標であるロボットを拘束する。

 

投影された拘束具に飛び乗った全身スーツ男(?)は、ビルドドライバーの右側のハンドル「ボルテックレバー」を勢いよく回す。それを初動に立ち上がったボルテックチャージャーが内部のうさぎと戦車のトランジェムソリッドを燃料に内燃稼働。ニトロダイナモが爆音を奏で、内部機関が複雑にスーツ各部に動力を伝達する音が響く。

 

『Ready GO!!』

 

拘束具を滑り台のように滑り落ち、拘束したロボットへ迫る。ビルドドライバーから伝わる動力を元に右脚の『タンクローラーシューズ』の無限軌道ユニットが高トルクでギャルギャルと回り、「最も目標を破壊するのに特化したキック」が完成する。

 

『VOLTEC FINISH!!! YEAHHHHHHHHH!!!』

 

……曰く、戦闘に対するモチベーションを保つためのプロレス然とした音声ガイダンスが響き、無限軌道の摩擦力と効率的に変換された位置エネルギーから放たれる必殺キック「ボルテックフィニッシュ!(エクスクラメーション・マークまでが名称)」が炸裂。中枢を穿たれたロボは即座に爆発四散。本日何度目かの高得点が加算される。

 

今回の実技試験以降、受験者諸々に「うさぎ男」と影で呼ばれることになるその全身スーツの男(まだこの時点ではスーツの中身が夥しい数の受験者のうちの誰なのか見たものがいないため男かどうかすら判明していないが背格好から勝手に男呼ばわりされている)。

 

後に「仮面ライダービルド」と言う名で華やかなプロデビューを飾る事になる。

 

その男の名は「桐生戦兎」。

 

その男の物語は、雨の降りしきる、ビルとビルの隙間から始まる。

 

 

 

 

 

「俺は……誰だ……?」

 

 

 

 

 

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続くかな?
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