問題児+剣士が異世界から来るそうですよ?   作:HuseRocK

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第10話

ピッピピピッ、ピピッ、ピーッピーーー

 

俺の周りで聞き慣れた警告音が連続で流れ続けている。

 

当然のように音だけではなく警告ウィンドウが出現し、俺の視界の隅々まで埋め尽くしていく。

 

ピッ、ピピーッピピッピッ、ピーーー

 

そのウィンドウは赤く細長い六角形の形をしているものや白い四角い物もあった――――――

 

 

 

 

    ▽※▽

 

 

 

 

 

ヴィーーーィィィイーーー

 

決戦の日の明朝、俺は不快な音が鳴り響いたことを感じ取った。

 

突然の大音響に思わずベッドから跳ね起きる。

 

その反動で今まで被っていた毛布がずり落ちてしまったが、それには反応せずに周りを見回してしまっていた。

 

周りから物音が聴こえないところを見るとどうやら俺の脳内に直接鳴り響いていたようだ。

 

 

俺は服装を変えることができていなかった――というよりはノーネームには俺のサイズに合う服がなかった、合わせるにしても時間がかかるらしい――ため《コートオブミッドナイト》を装備したままで睡眠していたのだ。―――とは言っても流石に二刀の愛剣はベットの側に立て掛けてあるが―――。

 

我ながら、よくこんな服装で寝れたもんだなと自画自賛しつつも、そのせいなのか跳ね起きたあと真っ先にしたことが右腕を降り下ろすことだったという事実にあきれてもいた。

 

しかしそれがきっかけか昨日白夜叉から授かったマップのことを思い出し、そっちに意識を集中してみた。

 

案の定、脳内に音声が響いてきた。

 

『聞こえとるか? 昨日地図のついでに入れておいたのだが、うまく作動しとるようなら今日わしのところにもう一度来い。 渡したいものがある』

 

それを全て俺が聴き終わると、それっきりなんの反応も示さなくなった。

 

 

部屋にある時計を見るとまだ朝の四時半頃だ。

 

一瞬白夜叉のところに行かないほうがいいか悩んだが、まあそんなことの答えは決まっている。

 

 

 

     ※

 

 

 

「ヤハハ。おいおい一体何するんだ?」

 

朝の五時過ぎ

 

「まさかおんしまで来るとは思ってなかったぞ」

 

場所は〝サウザンドアイズ〟白夜叉の部屋

 

「いいじゃねえか。面白そうなことを俺抜きでしようとしてるところなんて見過ごせねえよ」

 

一緒にいるのは白夜叉と―――十六夜

 

「おい、待て。 どうして十六夜までいるんだ!?」

 

「いいじゃねえか」

 

「いや、お前な……」

 

キリトはここに来るまでの間《索敵スキル》と《隠蔽スキル》を使い続けていた。

 

「ん? ああ、確かにお前の姿が妙に認識しづらくなっていたな」

 

キリトの《隠蔽スキル》の熟練度は1000。つまり最高レベルになっている。―――はずなのだが。

 

「まあ、いいだろう。そんなことは」

 

「あ、ああ」

 

何か考えることでもあるのか少し戸惑いながらキリトが答えた。

 

「それで、なんの用なんだ?」

 

キリトの問に白夜叉が、ようやくか――という仕草を見せてから説明し始めた。

 

「実は昨日、伝え忘れておったことがあっての」

 

――え?

 

――ほう

 

キリトと十六夜で別々のリアクションを見せる。

 

「まあ、実際には昨日では説明しにくかったというだけなのだが……。 おんしも体の異変には気付いておろう?それに関わることだ。だからあまり他のやつには聞かせぬほうが良いと思って今こうして別に呼び出したのだが――

「ふん、心のこもっておらん礼などいらんわ

「そしてここからが本題だが、

「おんしは昨日話したことについてどこまで理解しておる?

「そう急かすな十六夜。―――まあどうせ私からも説明するつもりだったしの。よかろう

「あやつがこの世界にきたことについて流石に疑問の一つや二つ程度頭に浮かんでおろう

「一つは時間だ。あやつは来た時に学生だと言っておったはずだ。にもかかわらずにおんしの世界で茅場晶彦が失踪しておったという記述はなかっただろう。 あやつが夏休みとやらの間ににここに来ておったとしてもやはり長い間となるとおかしかろう。

「まあ、おんしも想像はついておるようだし簡潔に言おう

 

「やつは時間を巻き戻す・止める・圧縮するまたはそれに類する何かをしておった」

 

 

 

     ※

 

 

 

 

白夜叉の言っていることは聞くと大事のようだが俺にはなんとなく心当たりがあった。

 

その心当たりの正体はネット上にあり、都市伝説じみていて誰も信じようとしないのだが、現実味を帯びていてどこか心に不安をもたらすような話だ。

 

 

それは、本来のVRMMOマシンの使用方法からは脱却しているのだが、自身の脳内をコンピューターに写し変えるというものだ。

 

 

それではなくとも人間の脳内の一部分―――魂とも呼べるような部分を機械のなかに保存するという荒唐無稽な理論。

 

 

しかし、これが不可能とは言いきれないため、最近はネット上で書き込みをする人々も減少の一途を辿っていた。

 

―――いや、あるいは消されたのかもしれない。

実に的を射ていて国が、国家が隠しただけなのかも――

 

ここまで考え俺は身震いを起こした。

 

流石に現在技術では再現不能だろうし、何も考える必要は無い。

 

しかし、それならば茅場は、茅場晶彦はどうして、どうやってこの場所に?

詳しい時間は分からないが、白夜叉の話では少なくとも一ヶ月はここにいたのだとは思う。

 

そんな長い時間もとの世界から消えていたのであれば、例え夏休みであろうともちょっとしたニュースになるはずだ。

 

しかもそれが『ソードアート・オンライン』の制作者になる者の過去にあるとなると、どこかの記事に取り上げられていてもいいだろう。

 

にもかかわらず、そんな話は聞いてないし、見てもいない。

 

となるとやはり白夜叉の言っている予想が正しいのか――?

 

思考をまとめていた途中、横から十六夜が口を挟んだ。

 

「待てよ、ここはあらゆる時間軸と繋がっているんだろ? だったら別に問題ないんじゃないのか?」

 

「そうなのだが、特定の時間に送ろうとすると、こちらからの正しい帰還方法でなければならない」

 

 

いよいよ、白夜叉の仮説が現実味を帯びてきた。

 

相手は、かの天才茅場晶彦。

そんな物を偶然にも造り上げてしまうということも可能性に入れるべきか。

 

「まあ、ここまでは前置きで、本題はこれからなのだ」

 

俺が言葉を挟む暇もなく白夜叉は言葉を続ける。

 

「おんしに茅場から預かっているものを渡そうと思っての」

 

そう言いながら白夜叉は俺に向かって華奢な指に掴まれた扇子をつき出した。

 

 

 

――――刹那

 

 

ピッピピピッ、ピピッ、ピーッピーーー

 

不自然に鳴り響いた警告音

 

それと同時に出現し続けるシステムウィンドウ

 

見慣れている―――懐かしいと言ってもいいかもしれない

 

十六夜が近くで少し驚いたような顔をしている。

 

―――この音は周りにも聴こえているんだな

 

関係ないことまで考えてしまう。

 

冷静というより現実逃避かもしれないが。

 

ほぼ反射的に出現したウィンドウにかかれている文字を読み取る

 

《System Repetition》

 

SystemはシステムでRepetitionは―――重複?だったと思う。

 

そんな思考も束の間で周りに出現していたウィンドウたちは形を潜め始めていた。

 

 

 

「――――収まったかの」

 

タイミングを見計らって白夜叉がまとめ始める。

 

「おんしに渡したのはシステムを補強するためのものだ。 ほれ、指を縦に振ってみろ」

 

白夜叉に促されるままに右の指を振り下ろす。

 

リン、という心地好い鈴音と共に白いウィンドウが表示される。

 

「おんしには今見慣れたものが表示されているはずだ」

 

確かにこのウィンドウは見慣れたものだった。

 

しかし沸き立つ感情は懐かしいだけではなく、憎しみや恨みや悲しみ、しかし暖かい感情や――――もしかしたら感謝もあった。

 

「これは、おんしが囚われておったソードアート・オンラインのシステムウィンドウだ」

 

 

白い枠

 

黒い文字

 

見慣れたフォント

 

見慣れない形状

 

「知っているのと違うみたいなんだが―――?」

 

「それはアップデートだからのう。前と同じでは意味がなかろう」

 

俺は白夜叉の言葉を意識半分で聞いて、すぐさまに自分でも確認してみる。

 

パッと思いついたのはステータスの確認だった。

 

 

―――そこには、

 

俺のSAO時代のステータスが表示されていた。

 

 

しかし、以前と違うところが幾らかある。

 

《Kirito》

 

レベル:96

武器:左手『エリュシデータ』 右手『ダークリパルサー』

 

 

 スキル

片手用直剣:1000

二刀流:1000

投剣:967

武器防御:1000

戦闘時回復:944

索敵:1001

追跡:963

隠蔽:1000

暗視:908

限界重量拡張:949

疾走:870

釣り:604

 

 

一見変わりないように見える。

俺も別にスキルの熟練度を一つ一つ完璧に覚えているという自信はない。

 

しかし、この中に明らかにSAO時代のデータと違う項目があった。

 

本来ならばスキルは1000でコンプリートだったはずだ。

 

 

―――そう、何度見ても変わらないように、何度見ても同じように《索敵スキル》が1000を一つ上回った数になっている。

 

白夜叉が見透かしていたかのように言う。

 

「アップデートによって得られるものは多々あるが、そのうちの一つがスキルの上限解放だ。今まで1000が上限だったところを9999まで上がるようになっているだろう。 他にはレベルの上限解放。これは999まで上がる。

 まあ、他にも色々とあるが今日はここまでにしておこう。残りは自分で見つけるか、いつか私が話してやろう」

 

そんな白夜叉の言葉で今日のところは幕を閉じた。

 

 

 

     ※

 

 

 

ノーネームを出てきた時は4時半ごろだったはずなのにいつの間にか太陽がほぼ真上に来ていた。

 

ジリジリと照らしつけてくる太陽を疎ましく一瞥してから少年―――逆廻十六夜は再び歩き出した。

 

もう一人いた筈の黒に包まれている少年は《隠蔽スキル》を鍛えるためだとか言ってその辺りにいる奴等には見えないようにしている――――らしい。

 

らしい、というのは俺には見えているからだ。

 

事実、あいつは今俺の右斜め後ろで何やら考え事をしている様だった。

 

意識を完全に外すと、あれ?と思う程度にはなるが、探せばすぐに見つけられるような感じだ。

 

 

―――そろそろ春日部とお嬢様がギフトゲームを始めちまうかもな。

 

等と考えて十六夜は歩を進める。

 

 

彼女らが決戦を始める〝フォレス・ガロ〟へ

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

途切れ途切れに書いたので、文章が繋がってないだとか、話がわからない等がありましたら報告ください。
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