まぁ、思いついて書いたものなのでありきたりかもしれません。
暇つぶし見てやるか、くらいのスタンスで見ていただければ幸いです。
『みんなまだまだいけるかー!』
とあるライブ会場。煌びやかな衣装を身にまとい、マイクを片手に観客へと問いかけるように叫ぶ一人の少女。
彼女の問いかけに万と集まった人は歓声をあげながら、身を振り意思を表現する。その光景はまるで一陣の風が吹き揺れ動く広大な草原のようで。
『では聞いてください──”ORBITAL BEAT”』
もう一人、先の少女とは対照的に静かな口調で告げる少女。彼女の言葉を合図に照明が落ち、その幻想的な光景が広がる。
観客の一人ひとりが掲げたペンライト。小さな光の点を作るそれらが集まり、草原は夜空に浮かぶ星々へと姿を一変させた。
前奏が始まる。会場中に鳴り渡る音にペンライトの星々は左右へ動き流れ星へ。
そんなボルテージマックスな会場の雰囲気に、二人の少女は顔を見合わせ微笑み合い──唱う。
彼女たちの歌に合わせ、観客からのコールが彼女たちのために送られる。
会場すべてが一体となったこの空間で、二人の歌姫は楽しげに、そして堂々と歌い切る。
『みんな最後まで付いてきてくれてありがとなー! おかげで最ッ高のステージなったぜ!』
最後の曲が終わり、別れの挨拶をする二人。
もはやこの場に名残惜しいという空気はなく、やまぬ興奮を抑えきれない観客から拍手が湧く。
『まさか名残惜しいって奴はいねぇよな? ちゃんと気持ち全部出し切ったか⁉︎』
怒号にも似た返事に、少女は満足そうに頷く。
『じゃあそろそろお別れだな……翼からは何かあるか?』
『えぇ……今日もファンのみんなのおかげで素晴らしいライブになりました。これからも私たちを応援し、支えてくれると嬉しいです』
翼と呼ばれた少女の言葉に、もう一度拍手が沸き起こる。
会場全体からの拍手に翼は恥ずかしそうに頬を染め、もう一人の少女はそんな相方を微笑ましそうに見つめた後
『それじゃあ今日のライブはここまでだ! あ、忘れもんとかすんじゃねーぞ』
彼女たち”ツヴァイウィング”のライブの終わりを告げた。
「お疲れ様、姉さん! 今日も最っ高だったよ!」
ライブを終え、ステージ裏に帰ってきた二人のアーティストを迎える。
「おう、ありがとな
そう言い私の頭を撫でてくれるのは天羽奏。自慢の姉であり、私に残された唯一の肉親だ。
その温かな手に口元を綻ばせつつ、姉さんの後ろにいる少女へと声をかける。
「翼もとっても良かったよ!」
「うん、ありがとう唱花」
「もう最後の照れたところとか、可愛すぎて抱きつきたくなっちゃった! というか抱きつきたーい!」
というか、言い終えた時にはもうすでに抱きついていた。
「えぇっ⁉︎ しょ、唱花、私今汗かいてるから!」
「私は気にしないよ? むしろいい臭いがするんだけど……スンスン!」
「ひゃぁ⁉︎ ちょっ、どこ嗅いで……奏ぇ」
どうすれば良いか困惑した声で姉さんに助けを求める翼。だがそれは悪手だ、と言わせてもらおう!
「悪いな翼、あたしはどっちかって言ったら唱花派だ」
ほれみろ! 姉さんは私の味方!
「そ、そんなぁ……」
むふふ、泣きそうな翼もまたたまりませんなぁ! あ、変質者だとか思ったそこの君、一つ言わせてもらうよ。
ワタシ、オンナ、ドウセイ、オーケー?
「ほらほら、二対一で翼に拒否権はないのだよ。諦めて私にその身を委ねなさい!」
「いやっ、ちょっ……やめて唱花ぁ……!」
そんな弱々しい声で言われたら──さらにイジメたくなっちゃうじゃないか!
なんてことを考えながら翼の体に抱きついていると、不意にクレーンで持ち上げられたかのように私の体が宙に浮く。
「まったく、何をしてるんだお前は……」
赤いシャツにピンクのネクタイ。その下には服では到底隠しきれない筋骨隆々な肉体が。
呆れ顔で猫を持ち上げるように私を翼から引き剥がす彼は風鳴 弦十郎。翼の叔父にあたる人物である。
頼もしい助っ人の登場に安堵の息を吐く翼を眼下に収め、私は弦十郎さんへと顔を向ける。
「あはは、お勤めご苦労様です弦十郎さん」
「ったく、お前ときたら毎度毎度……時と場所を考えんか」
「いやですねースキンシップですよスキンシップ。今時の若者たちはこうして肌と肌を合わせて親睦を」
「深めるわけないだろう。吐くならもう少しマシな嘘を吐かないか」
一蹴。渋々と、本当に渋々とだが翼に何もしないと誓い地面に降ろしてもらう。
あぁ、立てるって最高。
「唱花、仮にも”マネージャー”を名乗るのなら、担当アーティストに苦労をかけるんじゃない」
「いやだなー弦十郎さん、だからあれはスキnいいえなんでもないです! 以後気をつけます!」
だからその手を頭に伸ばさないで! あなたに掴まれたらこの世のものすべて卵の殻同然なんだから!
「はぁ……どうしてお前はもっと真面目にできないのか……」
私の謝罪を聞き、手を元の位置に戻しながら疲れたように溜息を吐く弦十郎さん。
「いやぁライブが最高すぎてついつい……ごめんね翼?」
「え……ううん、私もその、驚いただけで……本当に嫌だったわけじゃないよ?」
なんだ、天使はここにいたんじゃないか……はっ、危うく意識を失うところだった!
頬を朱に染め、消え入りそうな声で呟く翼に思わず昇天しかける。翼、恐ろしい子……ッ!
「唱花ーもういいか? あたしさっさと着替えたいんだけど」
「あ、うん! それじゃあ控え室まで行こっ姉さん!」
ガシガシと後頭部をかきながら言う姉さん。私はすぐさま姉さんの隣へ直行、控え室へ一緒に向かう。
歩き出した途端、なんだか右手に違和感、というか温もりを感じ目を向けると、なんと姉さんが私の手を握っているじゃありませんか!
すると私の視線に気づいた姉さんは、そっぽを向きながら唇を尖らせ
「なんだよ、手ぇ繋いだだけで……翼にはあんなことするくせに」
つまりこれはあれですか、嫉妬というやつですか。はぁ、全く我が姉ながら……可愛すぎかよ。
「大丈夫! 私は姉さんも翼も、どっちも同じくらい好きだから!」
「ん……そっか」
短く返すだけだったけど、私の手を握る力がほんの少し強まる。
あぁ、天国のお父さんお母さん……
これは私が自慢の姉と友人と、そして仲間達と過ごす物語。
原作からはちょっと離れちゃってるけど、今が幸せなら無問題。今日も楽しく輝いた1日を送るため、私は頑張ります!
あ、自己紹介が遅れてごめんなさい。私の名前は天羽 唱花!
天羽 奏の妹にして風鳴 翼の友人で……なんとびっくり、転生者という存在なのです!
ちなみに妹は装者です。
戦闘力は普通くらいで決して高くはないです。
いつシンフォギアを出すかは未定ですが、早めに出せたらなと思っています。