彼は月迅竜である。   作:一般的な犬

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たとえ低評価がついても!私は負けない!
あ、いやごめんなさい 流石に付きすぎると負けます

1300字

10/15 ちょっとまって!タイトル付けてないやん!ってことでタイトル追加 完全に忘れてた。


人妖大戦 其の二

俺の名前は……まあどうでもいいか。

 

俺は軍部の第五小隊に所属している、普通の新兵。他人との違いはせいぜい霊力のキャパが多いって所か。本当ならもっと時間をかけて訓練する所を、こんな緊急事態で駆り出された哀れな新兵さ。

 

周りを見渡しても瓦礫と死体が転がり、目の前には数えるのも億劫になるほどの木っ端共と、恐らく大妖怪であろう赤鬼と青鬼がいる。ぶっちゃけ絶望的だ。部隊は既に半壊してるし、手元の火器もついさっき弾が切れた。

 

あぁ、さっさと尻尾巻いて逃げてぇが、目の前の奴らは逃がしてくれねぇだろう。俺達の最後の任務はその命を持ってあいつらを一秒でも長く足止めする。

 

そんな覚悟を決めていると、奴らの後方上空……南門の壁上から、月が飛んできた。

 

そいつは全身を月白色に染めていて、感じる妖力も目の前の鬼と遜色なかった。

 

ああ、もう終わったな、と思ったら、突然その月の妖怪が鬼の方を向き、尻尾を立てて円を描くように回し始めたんだ。ひゅんひゅんと風切り音を出したかと思えば、次の瞬間一際大きな音が響き、鬼の隣にいた蛇みたいなのが吹っ飛んで行った。

 

俺が呆けていると、無線から通信が入る。

 

「第五小隊 前線から引き、最終防衛ラインで待機」

 

最終防衛ライン……つまりはロケット発射場の目の前であり、実質的には撤退だ。

この展開は目の前の月の妖怪のおかげか。まあそんなことはどうでもいい。

 

上の許可が出たんだ。さっさと逃げるに限る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(まずった……想定よりも強い)

 

息を切らしながら鬼達と相対する。

 

 

「弟者よ!もっとこいつと死合おうぞ!」

 

赤い鬼が全身で喜びを表すように炎を勢いよく撒き散らす。

 

「兄者よ、本来の目的はどうしたのだ?」

 

青い鬼はこちらを確実に仕留めようと雷を何本も打ち込んでくる。

 

幸いにも月迅竜は雷や火にも耐性があるために大したことは無いのだが、喰らい続けると体力を消耗する。

 

鬼の力は凄まじく、腹部や尻尾にまともに拳や蹴りを受ければ洒落にならない。

 

 

 

「そんなものは良い!鬼に産まれしものは闘争を是とするもの!弟者も口ではそうはいっても口角がつり上がっておるぞ!」

 

会話の端々を拾うと、どうもこいつらは大量の人間が月に行くのを防ぎに来てるという。地上に畏れそのものが無くなれば、妖怪という種族は衰退し、最悪の場合消滅してしまう。それを防ぐべく奴らはここに来たらしい。

 

「……我は先に行く」

 

と言う冷静な青鬼を阻止すべく、妖術で霧をだし、持ち前の光学迷彩を発動する。

 

「小細工なぞ無駄ァ!」

 

赤鬼がグッと力を溜め、開放すると爆炎が広がる。それにより霧を吹き飛ばされるどころか俺自身まで吹き飛んでしまう。

 

 

[ノ…リ5分…… 至…民間………]

 

 

 

壊れたスピーカーからひび割れた声が聞こえ、残酷にタイムリミットを宣言する。

 

「……ゲホッ」

 

向こうは的が大きく、こちらは的が小さい。さらに奴らはインファイトを好む傾向があるために、妖怪の形態では不利だ。

 

青鬼は既に視界には存在しない。急がなければ。

 

俺は人型に変化し、手頃な大きさの瓦礫をで赤鬼に投げる。

 

「ムッ」

 

体を傾けあっさり避けてしまったが、傾けた体制が戻る前に全力で接近し、右アッパーを顎に叩き込む。

 

手応えを感じ、そのまま足払いをかけ転ばせる。

 

本当なら確実にトドメを指すべきなのだが、そのまま赤鬼を放置し、青鬼を追った。




あれ?無駄が多過ぎない?
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