「綿月姉妹との絡みが見たい」
を元に、IFのお話を書きました。
あくまで本編とは関係ないので読んでも読まなくても問題ないです。
もしも彼が月に行き着いたならば
とある日の朝のこと
「ねえ兄様」
「ん?」
俺は妖怪の朧 永琳に付けてもらった名前で、結構気に入っている。
そして今俺に話しかけてきたのは綿月依姫。月の都市の防衛隊長をやっているのだが、小さい時から姉の豊姫と一緒に遊び相手になったり、剣の稽古を付けてやったことがあった。それ以来俺の事を兄様と呼ぶようになった。
なんか心無しかいつもより萎んでる気がするが。
「これなんですけど……」
と、俺に差し出したのは一冊の本。今月でブームになっている恋愛小説だ。
にしても珍しい。彼女は暇があれば訓練をするような生粋の軍人だったはずだが、よりによって恋愛小説とは。豊姫に感化されたのだろうか?
「今失礼なこと考えませんでしたか?」
「そんなことはございませんよ……で、これがどうかしたのか?」
彼女は無言でページをめくり、とあるページの真ん中あたりを指でさした。
「えーっとなになに……「男は眠る女を優しく、慈しむように撫でた」……まあよくあるシーンだな で、何が言いたいんだ?」
「……えーとですね、その……」
依姫の目がめっちゃ泳ぎまくっている。
と、そこへ依姫の姉である豊姫がやってきた。
「あれ?兄様と依姫じゃない」
彼女はホラーサスペンス物の小説を片手に携えていた。
「あぁ、豊姫か。いやな、依姫の言わんとするところがイマイチ分からなくてな」
と、豊姫に聞いてみると明らかに依姫がビクッと反応した。なにかやましいことでもあるのだろうか?
「あら?……ふーん 依姫、そのぐらい子供の頃によくやったでしょ? 恥ずかしがらずに言えばいいじゃない」
「で、でも流石にこの年になってこれは……」
「ほら、速く言わないと代わりに私が言っちゃうよ?」
「わ、わかったから!」
と、小声で相談していた。
そこに、永琳が襖を開けてこちらにやってきた。どうやら俺達を探していたらしい。
永琳が声をかけようと口を開くのに被せるように依姫が大声で喋る。
「おぼ「兄様!私と一緒に寝て下さい!」ろ?」
「えっ」「えっ」
依姫は言い切ってやったと言わんばかりの顔をし、
豊姫は素で動揺、
永琳の顔は凍りつき、目が笑っていない。
「ちょっとまって依姫!それは誤解されるから!」
「朧?ちょっと向こうでお話しましょうか?」
まて永琳!誤解だ!だからその注射器をしまってくれ!
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「なんだ、子供の時みたいに寝るまで傍にいて欲しかったのな」
「はい……うぅー恥ずかしい」
誤解も解け、無事に修羅場を潜り抜けた俺は依姫に理由を聞いてみることにした。
「なんで急に?」
「じ、実はですね……」
どうやら最近暇潰しに本を読むようになり始めたらしい。そこでそういうのが大好きな
途中までは普通のものだったんだが、昨日勧められたのはホラーサスペンス物。部屋の明かりをつけ、一気に読んでしまったのはいいのだが、気がついたら夜。ホラーな内容が頭から離れず、昨晩は一睡も出来てないという。
要するに怖くて眠れないから眠るまでそばにいて欲しいという事だ。
そんな子供っぽい理由に思わず笑ってしまう。
「わ、笑わないでください! 今日は休みだからともかく明日は訓練の日なので死活問題なんですよ!」
「あぁ、すまんすまん……俺にとってはいつまで経っても子供みたいなもんだから、好きに甘えていいんだぞ」
依姫は少しの間ポカーンとしていたが、やがてクスリと笑った。
「はい!そうさせてもらいます!」
余談だが、後日 永琳に膝枕をねだられた。
曰く、可愛い彼女の嫉妬 らしい。
思ってたのと違う気がしなくもない
というかこういうのは筆が乗る