赫と出会ってから数年、千を生きる者としてはもはや数年単位は長いようで短い。
しかし、人にはやはり長いもので少しだけ変化があった。
まず妹紅、幼女が少女に成長した。それにつれて口調がなんだが中性的になったり、俺の事を朧と呼ぶようになったり。
赫は全然変わらない。数年とはいえ普通の人間なら多少変わるのだが、周りの人間に不審がられないのだろうか?
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いつのように京をふらついていると、
「おや? もしや貴方様はあの時の旅人様ではありませんか?」
目の前には老人……数年程前に妖怪から助けたという事例以外は特に接点のないはずなのだが、律儀にも覚えていたようだ。
というか以前見たときはもっと継ぎ接ぎだらけのボロの服を着ていたはずだが、今では貴族のようなしっかりとした服を着ている。
「ん? あぁ、あの時のご老人か、元気そうでなによりだ。 所で何故京に? そしてその服装は?」
曰く、三ヶ月程前、竹林で赤子を拾ったのだが、不思議なことにスクスクと成長し今では大変な美少女に育ったこと。
曰く、赤子を拾ってから時折竹林で黄金を見つけるようになり、家が裕福になったのだが、あのまま田舎でただの若者に嫁がせるよりも、京でふさわしい相手を見つけれるさようにと引っ越してきたという。
曰く、その赤子の名前は[なよ竹のかぐや姫]と名付けたと。
当たり、かもな。
普通の人間では三ヶ月で赤子から少女に成長は出来ない。
ではかぐや姫は妖怪か? もちろん人外の線もあるだろう。
しかし、竹取物語では最後にかぐや姫は月へ帰る。史実と照らし合わせるならかぐや姫は月の関係者、というのが最有力だろう。
どのような関係なのか。何故地上にいるのか。果たして月から迎えは来るのだろうか。
疑問は尽きないが、それを一度胸にしまい込む。
「どうかされましたか? 先程から難しい顔をして」
「……いや、なに。まだ名乗ってもいなかったと思いまして。改めまして、朧 と申すものです」
「おお、これはご丁寧に。みなに私は竹取の翁と呼ばれております」
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あのやり取りがあった後、翁の家へお邪魔したのだが。
「こちらは、爺の命の恩人である旅のお方です。」
翁達は余程かぐや姫を大切に思っているのだろうか。姿は簾で遮られてて見えない。
「そう、おじいさんの命を救ってくれてありがとう旅のお方。よろしければお名前を聞いても?」
「旅人の朧と申します」
「……おじいさん。少しこの方とお話するので二人きりにしてくれないかしら」
月の関係者というのは当たりだろう。いや、永琳の関係者という方が正しいだろうか?
かぐや姫は"朧"という名前に反応した。よくよく観察していたらか分かったものの、簾越しというのは思ったより反応が見づらい。
さて、かぐや姫は何を語るか?
筆が重くなってきた